おやき、第1形態完成。
タカダ・コーポレーション結成から2週間足らずで、私たちは東京NSCをクビになった。
クビになった当日は、あまりのことにボーッとしてしまい、家にどうやって帰ったのかも覚えていない程だった。
そして翌日、今後のことを話し合おうと新宿で待ち合わせをすることに。
今後のことを話し合うと言っても、何を話し合うのだろう…。
クビになったから、フリーでやっていこうと言うのだろうか。
正直まだコンビを組んで2週間、わけのわからない「ドキドキ体操」の練習だけをしていたこのコンビに特に将来性を感じていたわけでもなく、ましてやおやきに対して何の情もわいていなかった。
そんなことを考えていると、待ち合わせ場所の新宿東南口のエスカレーター下におやきが現れた。
何故か丸刈りになっていたおやき。
今まで柔道部の厳しいルールの中髪を伸ばせず、東京に来てここぞとばかりに金髪を謳歌していたおやき。
金髪にすればモテると確信し、いかに金髪が素晴らしいかを常に目を輝かせながら語っていたおやき。
夏休みの田舎の高校生という感じのセルフカラーではあったが、金髪に並ならぬこだわりを持っていたはずである。
それが、こう。
今にも一人称を「おいどん」として喋り出しそうな雰囲気だった。
そして私は爆笑。
びっくりするくらい丸刈りが似合っていたのだ。
丸刈りおやきと笑いが止まらない私は、そのまま東南口のファーストフード店へ入った。
そして滑稽な姿になったおやきは、私にこう言った。
なんだか私の知らないところで話が進んでいた。
そして謎の男気。
私は、おやきに対してまだ情もわいていないと思っていたのに、おやきは私とのコンビのことをきちんと考えてくれていたのか…
と思い、爆笑してしまったことも少し反省した。
が、
すぐにクビになった時のことを思い出し、そもそもおやきのせいじゃねーか!と正気を取り戻した。
そして、
この時のおやきのことを思い出し、胸に刻んでおかなければと思い直した。
そして私はおやきにこう言った。
次回、おやき誕生と悪魔の囁き。
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