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 高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』ディスカヴァー・トゥエンティーワン


 TRIZ(トリーズ)は、初耳であった。ロシアの特許審査官によってつくられたものだという。特許審査官は、特許を見ているうちに、分野が違っていても問題解決の手法には共通要素があるのではないかと気づき、「発明のコツ」を抽出し、発明の共通要素を法則化することに成功した。それが、TRIZの「40の発明原理」。

 あちらを立てればこちらが立たずという矛盾する悩みのタネがある。特許審査官は、「特許で解決しようとしている問題」、つまり、そもそも悩みのタネも抽象化した。2つの特性パラメーターの矛盾が悩みのタネと気づき、それを解決するために「発明原理」があるものと整理して、39×39の矛盾マトリックスをまとめた。特性パラメーターの交差するセルに、40の発明原理が配置されている。

 40の発明原理は、MECEではない。もれなく網羅的にチェックすることよりも、優れた解決策を何か1つでも想像することを目的としているからだ。TRIZはアイデアを生み出すためのツールである。

 本書は、TRIZの発明原理を理解、暗記しようというもの。

 著者はいう。「英単語40語覚えると思って、TRIZ 40の発明原理を覚えよう!」。

 40の発明原理を見開きで解説している。左頁で文章にてその発明原理を解説、右頁ではイラストでその発明原理が利用されている具体例が6つ示されている。右頁だけみても、その発明原理が理解できる。いささか工業的発明の発明原理も多いが、私たちが普段利用している製品・商品も、この40の発明原理のうちいずれかに整理できる。そう思いながら読んでいくと面白い。


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