2021年の振り返りとご挨拶
早いもので、もう大晦日ですね。いかがお過ごしでしょうか。
もやいは、年末年始の活動が始まっています。
昨日はチャット相談&駆け付け支援で、駆け付け支援では必要な方に直接会いに行き、宿泊費や生活費などの支援をおこないました。
また、新年最初の活動は都庁下での相談会で元日(明日)から始まります。
コロナ禍に限らず、年末年始は仕事がなくなりやすく、また、公的機関も休業に入るため困窮する方が増え、支援現場は忙しくなります。
毎年、この時期の相談は聞いていてしんどいものが多いのですが、コロナ禍でそれはより顕著になっています。
特に、働いていた方、ワーキングプアの方などで、
「自分より困っている人がいるので支援してもらうのが申し訳ない……」
「すでにコロナ禍での支援制度は使い切っていて……」
など、おっしゃる方も多く。
前者に関しては、そういう風に思わせてしまって逆に申し訳ない、むしろあなたの状況も十分しんどいんですよ、と思いますし、後者については、使える制度が脆弱で本当に申し訳ない、と心が痛みます。
自助努力をし過ぎるくらいボロボロになって、でも周囲に助けを求めるのがいけないことだ、相談するのが恥ずかしい、と思ってしまっていたり。
すでに「特例貸付」で100万円以上借りているけど、生活再建につながらなかったり。
社会の古い価値観や、制度・政策の不備の負の影響を、苦しいなかで生活してきた彼ら・彼女らが最も受けている、そして、コロナ禍でそれが拡大しています。
本当にやるせないですね。そんなことを考える年末です。
もやいでコロナ禍での支援活動を始めたのは2020年の4月ですので、もうすぐ2年になります。
感染予防と相談支援活動の拡大という難しいミッションを何とかみんなで実行し、通常の活動にプラスして毎週土曜に都庁下で食料品配布と相談会の活動をスタートしたりと、現場の活動を拡大して対応しています。
アパート型シェルターを始めたり、相談対応のオンラインツールである「COMPASS」の実装など、これまでにない取り組みを進んでいます。
当初は短距離走だと思っていたものが、ゴールラインの見えない長距離走になり、ペース配分もままならず、理事長として、リーダーとして、不安や葛藤を抱えたまま無我夢中で走ってきた1年9か月です。多くの人に支えられなんとかやってきた、というのが正直なところです。
また、この1年も、思い返せば、いろいろなことがありましたが、私たちが直面している現場の状況はむしろ、厳しくなっていると思います。
毎週土曜の都庁下の活動は、昨年のこの時期は列に並ぶ方はまだ180名程度でしたが、いまはその倍以上。過去最多は11月20日で408人でした。
また、12月21日の火曜の相談は相談件数が30件近く。これも1日の相談件数としてはコロナ禍でも最も多い部類だと思います。
感染者数は現在抑えられていますが(変異株の影響が今後どうなるかはわかりませんが)、低所得の人や生活困窮者の状況は決して良くなっているとは言えないでしょう。
また、もやいで保証人をお引き受けしている方や、居場所関係の事業でつながっていた方で、人と話す機会が減ったり外出することがなくなり、足腰が弱くなってしまったり、メンタル的にしんどくなってしまった方も多くいます。
見えにくいですが、孤独・孤立の問題も深刻化していると感じています。
2022年も、少なくともしばらくの間は、この状況が大きく好転するとは思っていません。
コロナ禍が長引くなかで、もやいが果たすべき役割は大きくなっていると思います。
もやいも感染予防を徹底しつつも、必要とする方への支援をとめることなくおこなっていきたいと思います。
みなさまの引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
また、僕自身としても、1月に参議院予算委員会に参考人として招致され、生活困窮者支援の現状と政策的な課題について答弁する機会をいただきました。
6月1日より、内閣官房の孤独・孤立対策室の政策参与に就任し、政府の孤独・孤立対策の政策立案に関わったりと、活動のフェーズも少し変化しました。
正直、なかに入ってわかること、なかに入ってもわからないことなど、たくさんありまして、探り探り&悩む日々ですが、その任にある限り、全力を尽くします。
もやいの活動はもとより、政策提言などの発信、政策参与としてのコミットメントも含めて、引き続き、2022年もしっかりと取り組んでいきたいと思います。
みなさま、この1年間、大変お世話になりました。心より感謝いたします。
また、来年も、なにとぞ、よろしくお願いします。
では、よいお年を!
大西連