小姑という存在

夫の姉妹。
これはなかなか厄介な存在だと思う。

私にも弟がいるので、弟の奥さんには気を遣う。
弟は感じのいい人間だけど、気が回らないというか鈍感なところがあるので、そんな弟のところに嫁に来てくれただけでありがたいと思っている。

私は外に出た人間だ。
一緒に住んでもないければお金を出しているとかいうわけでもない。
それぞれに、そこにいなければわからないそれぞれの事情と感情があるのだ。

ましてや、私の親の介護やら看取りやらを担当し、家業を継いでくれるのは、弟とその奥さんなのである。
私としては、弟夫婦に足を向けては寝られないなぁと思うし、最大限、誰よりも弟の奥さんの味方でいようと心に決めている。

だから、私の父や母がたとえチラッとでも嫁の愚痴を言ったとしても、私は絶対にそれを外に漏らさないし、当然、本人や弟にも言わないことにしている。絶対にだ。


さて、今回なぜこの話題かと言うと、つい先日、私が言われる方になったからだ。

外に嫁いだ夫の妹が、良かれと思って私にいろいろと「進言」しにやって来た。

分かっている。悪気はない。
ただただ自分の懸念を言ってるだけだ、実家の娘として、そして妹として。

だから、タチが悪い。

義両親は、ただの愚痴やぼやきを義妹に言っただけだと思う。
だとしても、それを彼女が伝えに来たことによって、私は「義実家から陰口めいたことを言われている」ことを知ってしまうことになったのだ。

「今の溝が広がらないようにしたほうがいいと思って」と義妹は言うが、ご自分がその溝をわざわざ広げる行為をしていることに気付かない。

私には、これがものすごくダメージだった。

そりゃさ。
 
親が、外に嫁いだ娘に、自分とこの嫁の愚痴を言うなんてこと、どこの家だってあるよ。

それに、嫁の私だって、今回ご注進に来た当の義妹夫婦の愚痴を、お義母さんから聞く。

でも、私は絶対、本人たちには言わない。
あとあとのお付き合いを考えたら、互いの耳に入れない方がいいと思うから。

誰にだって、安心して愚痴をこぼす口の固い相手は必要だ。


とにかく、自分のことは高い棚に上げて、私たちへの懸念や、こうあるべき論を滔々と述べて帰った義妹が帰ってから、私は体調を崩した。
というか、メンタルを、かもしれない。

涙が出てきて止まらなくて、疑心暗鬼・人間不信の連鎖を起こしつつある。

ため息。

夫は、「余計なおせっかい言うなって妹に電話するわ」と言ったけれど、それはとりあえずやめてもらった。
次があったら考えるけど、言っても角が立つだけだ。


そして改めて心に決めた。

これから介護や相続や、私の実家でもいろいろなことがあるだろう。
でも、やっぱり絶対に口は出さない、と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?