pump=(資金などを)つぎ込む | 教科書に出てこないニュース英語 《ケニアのニュースから》
アフリカ・ケニアの国営放送Kenya Broadcasting Corporation(KBC)の電子版で2024年7月29日に配信された記事の見出しで使われていました。
'pump'を辞書で引くと?
このニュースでの意味は、文脈と後ろに続くintoから考えて
4a〈資金・人員などを〉(事業などに)つぎ込む
ですが、
日本語の「ポンプ」から連想する「液体や気体を送る」という意味だけではなく、「音楽や弾丸や資金を送出する」、「レバーを前後(上下)に動かす」
といった意味もあるのが意外です(よね?)。
ちなみに、「ひも・留め金のない婦人靴」パンプスも同じ綴り、pumpsです。
last mile connectivityとは?
ケニア電力のサイト(下記)にある2016年掲載の記述によると、
このプロジェクトは、
・今後3年にわたって複数の段階に分かれて実施される。
・最初の段階は「最大化フェーズ」であり、これは指定された変圧器から600メートル以内にある世帯を全国電力網に接続する。
・この段階では、低電圧ネットワークとサービスケーブルが延長され、これらの世帯に電力が届けられる。このフェーズでは、31万4,200世帯、すなわち150万人のケニア人が対象となりる。
・第2段階および第3段階では、追加の変圧器の最大化、新しい変圧器の設置、および低電圧ネットワークの延長が行われ、より多くのケニア人が接続される予定。
・これらの段階で、ケニア電力は50万世帯の接続を目指しており、その結果、250万人のケニア人が全国電力網に追加されることになる。
とされています。
つまり、
全世帯への配電を目指し、まずは既存の変圧器から600m以内の家庭を電力網に接続、その後、変圧器の増設等を通じてさらに多くの世帯を接続させるというものです。
プロジェクトの進捗と電力へのアクセスの改善状況
今回の記事によると
・第1〜3段階での接続世帯数は74万6,867世帯で、費用は511億ケニアシリング。
・第4段階は、フランス開発庁(AFD)、欧州連合(EU)、欧州投資銀行(EIB)から270億ケニアシリングの資金提供を受け、2025年11月までに少なくとも28万人の新規顧客(=世帯数と思われる)が電力網に接続される予定。
・第5段階において、日本の国際協力機構(JICA)からの助成金により、ナクル、キリフィ、クワレ、ニャンダルアの4県で電力接続が進めらる。この地域で日本は他のエネルギープロジェクトにも参加している。
・このプロジェクトにより、現在、ケニアの電力アクセス率は人口の76%に達し、960万世帯が電力網に接続されている。
とのことでした。
ChatGPTに尋ねたところ(正しそうですが、数字の信頼性は未確認です。)、
ケニアの電力アクセス率は次のとおりで、
2013年: 約32%
2015年: 約40% この年、ケニア政府は「ケニア国家電化戦略」を策定した。2020年: 約70% プロジェクトの推進や新たな電力インフラの整備によるもので、農村部や遠隔地への電力供給が進んだ結果
2024年: 約76%
およそ10年間で32%から76%に改善しています。
ちなみに、日本の電力アクセス率を、これもChatGPTに尋ねると、次の答えが返ってきました。
「1955年には日本の電力普及率は約50%程度でしたが、1960年代には急速に普及が進み、1960年代半ばには75%を超えていたと考えられます。この時期には、全国的な電力網の整備が進み、電力の供給範囲が広がりました。」
かなりおおよその数字ですが、10年間で50%→75%。
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日本の現在の電力アクセス率はほぼ100%ですから、まだ差は大きいものの、ケニアの「近代化」のスピードは速い、と感じました。おそらくこういう点で時間が流れるスピードは、日本とはずいぶん違うのではないかと想像します。
実情を具体的にご存知の方は、教えていただければありがたいです。
また、このプロジェクトに対し、フランスとEUが巨額の資金提供をすでに行なっていること、今回日本が資金提供する地域は、日本が他のエネルギーに関しても寄与していることを知りました。
「どんな協力をしているのかなぁ…」
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