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ITパスポート試験勉強ノート No.3 経営・組織論(2)経営管理 | 大人の学び

ITパスポート という国家試験の勉強を始めました。

「試験勉強ノート」を作るつもりで、自分が新たに知ったことを書き留めていきます。

この試験、内容は大きく分けて次の3つです。
①ストラテジ(経営戦略)系
②マネジメント(管理)系
③テクノロジ(IT技術)系

シラバスの順に従って、今回は、
①「ストラテジ(経営戦略)系」の中の「経営・組織論 (2) 経営管理」
の勉強ノートです。

シラバスで示される用語(=重要な概念)とその意味を整理します。
大学受験で言えば、山川出版の社会科用語集『一問一答』シリーズのイメージです。チェックリストとしてお使いいただけるかもしれません。

項目中の太字は、現時点での最新版(2024年10月試験)で導入されたことを表します。

⬛︎ 経営・組織論

(2) 経営管理
①経営管理とは

  • 経営目標

  • 財務・資産・人事・情報管理

  • PDCA(Plan-Do-Check-Act)

PDCAとは、品質改善を目的とする4つの業務プロセスで構成された改善手法です。「P」は計画を表すPlan、「D」は計画の実行を表すDo、「C」は計画〜実行までが効果的だったかの評価を表すCheck、「A」は問題点の洗い出し、次なる改善案の作成を表すActionとなっており、生産性や品質を向上させる場合に有効です。

P(計画)からA(改善)までを1サイクルとし、A(改善)まで進んだらP(計画)へ戻り、何度もPDCAを回すことから「PDCAサイクル」とも呼ばれます。

PDCAでは初めに目標を設定し、アクションプラン(目標達成に向けたタスク・プロセスをリスト化した行動計画)を立てるため、各個人の目標や具体的な行動が明確になります。自分自身が何を行うべきなのかを把握することで、業務効率や仕事への意欲向上にもつながります。

また、設定した目標に対して、実行した結果を評価・分析することで、目標の達成度合いが明確になります。課題が発見しやすくなり、課題解決のための次のアクションを考えやすくなります。

三菱電機ITソリューションズ https://www.mdsol.co.jp/column/column_121_2245.html
  • OODAルー プ

PDCAと比較される手法のひとつに「OODA」があります。OODAとは、意思決定を目的とする4つのプロセスで構成された思考法です。観察・情報収集を表すObserveの「O」、状況・方向性の判断を表すOrientの「O」、意思決定を表すDecideの「D」、行動・実行を表すActionの「A」の4つのプロセスで構成されています。
わかりやすく表すと、「O:見る/O:わかる/D:決める/A:動く」となります。

PDCAのようにOODAの順に一方向へサイクルすることはせず、状況を判断して行動するため、「OODAループ」とも呼ばれています。

同上

◻︎PDCAとOODAの違いと使い分け

状況(実績・事実)をみて、スピーディに対応するOODAに対し、PDCAは計画や見込を立ててからじっくり行動するといった違いがあります。そのため、どうすれば目標を達成できるかの仮説を立て、行動計画を決定することから始まります。しかし、OODAは「今、どう行動するのがベストか」という意思決定を優先するため、現状の観察に始まり、起こった状況に対して、臨機応変に最善策を打つことを目的としています。また、PDCAには評価のプロセス(C:Check)があることもOODAと異なります。OODAには実行した行動結果を評価して、検証するプロセスがありません。PDCAの場合、数値目標を設定して計画・実行するため、実際の行動から結果がどうだったのかを振り返る評価プロセスは必須です。<中略>PDCAとOODAの使い分けに迷ったときは、継続性や持続性が求められるかどうかで判断します。もしも業務工程が明確で、継続的に業務改善をする必要がある場合は、PDCAが適しています。また、変化があまりない市場の商品やサービスの売上アップなどの場合にもPDCAが有効です。一方、新規事業や新商品を開発する場合には、OODAが有効です。なぜなら、PDCAのように過去にあった事例をもとに計画を立てたとしても、そもそも市場ニーズとマッチしない可能性が高いためです。このような場合、スピーディで変化に柔軟なOODAが適しています。

同上
  • BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)

企業が、テロや災害、システム障害や不祥事といった危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びることができるようにしておくための戦略を記述した計画書です。また、事業継続のための戦略はBCM(Business Continuity Manage ment)と呼ばれています。

大規模な地震やテロなどの危機が発生したときには、オフィスやデータセンター、従業員などの重要な経営資源が被災し、活動能力が限定されるため、すべての業務を平常時と同じ水準で継続させることは困難になります。限られた経営資源を効果的に投入するためには、業務が停止した場合に経営に及ぼす影響の大きさを具体的に評価することによって、「守るべき業務」と「守るべき水準」を事前に明確に定めておくことが重要となります。なお、通常BCPでは「守るべき水準」として、業務復旧までの時間を定めます。

野村総合研究所 https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/bcp
  • BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)

企業がビジネスコンティニュイティ(BC)に取り組むうえで、事業継続計画の策定から、その導入・運用・見直しという継続的改善を含む、包括的・統合的な事業継続のためのマネジメントのことです。
<中略>
BCPは事業継続の「計画」自体を指し、BCMはBCPを活用して、如何に企業内に浸透させていくか、戦略的に活用していくかという「マネジメント」全般を指します。東日本大震災では、BCP(計画と手順)を整備していたにもかかわらず、意思決定者のBCP発動の遅れ、現場への代替手順の周知不足、訓練未実施による実効性検証の欠如等の理由から、計画通りに事業継続が実現出来なかった企業が多数見受けられました。その反省を踏まえ、計画、手順、施設、リソースおよびコミュニケーションなどを含めて、戦略からテスト、メンテナンスまでの全過程を網羅するBCMの重要性が再認識されています。

野村総合研究所 https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/bcm
  • リスクアセスメント

1 リスクアセスメントとは
リスクアセスメントとは、事業場にある危険性や有害性の特定、リスクの見積り、優先度の設定、リスク低減措置の決定の一連の手順をいい、事業者は、その結果に基づいて適切な労働災害防止対策を講じる必要があります。労働安全衛生法第28条の2では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、製造業や建設業等の事業場の事業者は、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務とされ、その適切かつ有効の実施のために、厚生労働省から「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。

2 リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の内容
[1]事業場のあらゆる危険性又は有害性を洗い出し、特定する。
[2][1]による労働災害(健康障害を含む)の重篤性(災害の程度)及びその災害が発生する可能性の度合を組み合わせてリスクを見積る
[3][2]の見積りに基づくリスクを低減するための優先度を設定した上で、そのリスクを低減するための措置(リスク低減措置)を検討する。
[4][3]のリスク低減措置を実施するとともに、その結果を記録する。

厚生労働省 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo01_1.html

②ヒューマンリソースマネジメント 

  • コーチング

コーチングとは
コーチングとは、メンバー(指導を受ける側)の持っている顕在・潜在能力を引き出し、メンバーの抱える問題や課題の解決を支援する接し方の技法です。
<中略>
コーチングとティーチングやカウンセリングとの違いについて
コーチング:メンバー(受ける側)が持っているスキルや潜在能力を引き出す
ティーチング:マネージャー(教える側)が持っているスキルや能力を伝える
カウンセリング:メンバー(受ける側)の悩みや困りごとを解決する
<中略>
コーチングの6つのステップ
・ラポールを築く(雑談、労いなど)
・目標を確認する
・自己評価とその評価理由を聴く
・これまでの取り組みを想起・内省させる
・話してもらった内容を要約して伝え返し・確認を取る
・アクションプランを考えさせ、激励し、支援を申し出る
なお、コーチングは必ずしも1回行なって終わるものではありません。メンバーの目標達成度合いなどを見つつ、各ステップを行き来しながら、慎重に進めていくことが大切です。

パーソル総合研究所 https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/11773/
  • メンタリング

メンタリングとは
 メンタリングとは、人材育成手法のひとつです。メンターと呼ばれる先輩社員とメンティという後輩社員が1対1で対話を行い、メンティのキャリアに関する課題や悩みを解決しながら成長を支援します。メンターは直属の上司ではなく、基本的にメンティと年齢や立場の近い社員が選ばれます。

コーチングとの違い
 メンタリングと似た手法に、コーチングがあげられます。コーチングとは、相手の可能性と自主性を引き出しながら目標達成を支援するコミュニケーションの技術です。コーチングを通して相手に新たな気づきを与え、具体的な行動をサポートします。
 1対1で対話を行い、成長を支援するという点ではメンタリングと似ていますが、アドバイスの有無が異なります。コーチングは相手に質問し、傾聴しながら社員自身で答えを引き出すことを促す手法です。これに対してメンタリングは、対話を通してメンティの課題や悩みを明らかにし、必要に応じてアドバイスを行います。先輩としての経験、知見を共有しながら課題解決を支援するのが特徴です。
 コーチングは相手の具体的な課題解決や目標達成に焦点を当てるため、比較的短期間で行われます。一方、メンタリングはメンティの中長期的なキャリア形成を目的にしているため、期間も長くなる傾向があります。

OJTとの違い
 メンタリングは、OJTとも異なります。OJTとは、実際の業務を行いながら、新入社員に知識やスキルを指導する人材育成手法です。OJTでは新入社員に実務の手順を教え、即戦力になってもらうことを主な目的としています。実務の指導のため、主として直属の先輩や上司がOJT担当者となります。社会人として自発的な成長を促すメンタリングとは目的や指導方法が異なります。
<後略>

PHP人材開発 https://hrd.php.co.jp/hr-strategy/hrm/post-1329.php
  • OJT

  • Off-JT

OJTとOFF-JTにおける3つの違い
①トレーニングの実施場所
OJTは主に職場(実際に働く場所)をトレーニングの実施場所にしますが、OFF-JTは職場以外で実施されます。
②進め方
トレーナーと社員とのマンツーマンで進行するOJTに対し、OFF-JTは講義形式など集団に向けて一斉に指導する方法が主流です。
③目的
OJTの目的は、社内の業務の円滑化や実戦力の育成です。一方、OFF-JTの目的は社内では学べないような知識を学び、参加者同士の交流を通じて、知見や視野を広げる点にあります。

株式会社日本能率協会マネジメントセンター https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0017-ojt-offjt.html
  • e-ラーニング

  • リスキリング

リスキリングとは
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」
近年では、特にデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得を指すことが増えている

リスキリングは「リカレント教育」ではない
リカレント教育は「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回し続けるありようのこと。新しいことを学ぶために「職を離れる」ことが前提になって いる

リスキリングは単なる「学び直し」ではない
昨今の「学び」への注目のなかには、個人が関心に基づいて「さまざまな」ことを学ぶこと全体をよしとする言説が多いが、リスキリング は「これからも職業で価値創出し続けるために」「必要なスキル」を 学ぶ、という点が強調される

リクルートワークス研究所 石原直子氏作成資料 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdfより抜粋
  • アダプティブラーニング

アダプティブラーニングとは、学習者の理解度などに合わせて出題内容や難易度を、IT技術を活用して調整し、学習効果を高める教育方法です。アダプティブ(adaptive)とは、適応するという意味の英単語です。このため、アダプティブラーニングは「適応学習」と呼ばれることもあります。

従来の教育方法では、指導者が自らの経験やスキルをもとに、学習者にとって最適な内容を教えることが一般的でした。しかし、現在ではICT技術や人工知能によるパターン認識技術が発達したことで、学習内容を自動で最適化する仕組みが実現しています。

文部科学省は、「Society5.0におけるEdTechを活用した教育ビジョンの策定に向けた方向性」の中で、教育改革の一環として教育にITを用いるEdTech(エドテック)の重要性を強調しています。この提言の中で、アダプティブラーニングは、「すぐにでも着手すべき課題」として推奨されています。

EdTechは「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語です。アダプティブラーニングのように、テクノロジーを活用した新しい教育スタイルは「EdTech(エドテック)」と呼ばれます。

なお、アダプティブラーニングが効果を発揮するのは、子どもの教育現場だけではありません。企業の人材育成や社会人を対象とした語学学習といった現場においても、アダプティブラーニングは注目されています。

eラーニングとの違いや、その他関連用語の確認
 アダプティブラーニングの「個々人に合わせた学習」という点は、教師が対面で行う学習で実施することも不可能ではありません。しかし、デジタルコンテンツのほうが学習者に応じたコンテンツを割り振りやすく、データのやり取りも効率的に行えるため、eラーニングを用いることが効果的です。
 アダプティブラーニングと混同されやすい用語として、eラーニングやモバイルラーニング、アクティブラーニングなどが挙げられます。各用語とアダプティブラーニングの違いは次の通りです。

eラーニング
eラーニングとは、オンラインの学習サイトなどを通じて学ぶ仕組みを表します。eラーニングでは指導者と学習者の間で双方向のコミュニケーションをできない点が、アダプティブラーニングとの違いです。

■LMS
LMSは、「Learning Management System」の略称で、eラーニングの学習状況を管理するシステムを表します。LMSはあくまでもレポート回収や進捗管理などをサポートするためのシステムで、学習方法の一種ではありません。

■モバイルラーニング
モバイルラーニングは、eラーニングの一種です。スマートフォンなどの携帯端末を使って、移動中や外出先でも学習できるeラーニングがモバイルラーニングと呼ばれます。

■アクティブラーニング
アクティブラーニングとは、学習者が自発的に学習できるように設計された教育方法です。グループワークやディベートなどを通じて自ら学ぶ力を育みます。EdTechの一種であるアダプティブラーニングと異なり、アクティブラーニングでは必ずしもIT技術を使うとは限りません

Udemyメディア https://udemy.benesse.co.jp/training/corporate_training/adaptive-learning.html
  • CDP(Career Development Program)

「CDP(career development program)」とは、企業が従業員を育成するプログラムの一つで、個人の適性・希望を考慮しながら、教育研修や配属先を決定し、従業員の能力を最大化するための長期的なプログラムです。

企業が準備した研修プログラムのみではなく、従業員が自主的に取り組める機会を設けることもCDPでの重要なポイントといえます。

昨今、グローバル化やM&Aによる事業拡大・撤廃などの劇的な環境変化の中で、従業員をどう持続的に成長させていくかが、各企業の課題となっています。CDPの例としては、企業が用意した応募制の研修カフェテリア型研修(福利厚生がポイント化されており、自分の持ちポイント内で企業内外の研修を受けられる)、FA制度(一定の業績を残した従業員が異動希望先の部署の長に対して直接異動の申し出を行える制度)などが挙げられ、企業は、従業員の個性をどのように伸ばしていけば、企業の求める人材像、人員計画に近づけるかを課題とし、従業員は、自らが成長するには、どのような能力を身につける必要があるかを見いだせます。育成的な人事異動やOJT、社外での自己啓発も含めた多様な実践と組み合わせて、総合的に能力・職務開発を進めることが必要です。

HR pro https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=25
  • メンタルヘルス

  • HR テック(HRTech)

HRテック(HR Tech)とは?
HRテック(HR Tech)とは、「Human Resources=人事」と「Technology=技術」を掛け合わせた造語です。AI(人工知能)やビッグデータなど、最先端の技術を活用して、採用や評価、そのほか人事業務全般を行うツールやサービスのことを指します。

HRテクノロジーとは
HRテクノロジーとは、人事関連業務に最先端技術を用いたツールやサービスです。そのテクノロジーを活用することで、人手不足や残業超過といった諸問題を解決できる可能性があります。また、データを蓄積することで物事や数字を分析し、それにより新たな課題を明確化することも可能です。このような技術は適切な部門において適切な運用ができれば、仕事を効率化することが可能であり、従業員のワーク・ライフ・バランスをよくするなどの効果も期待できます。

HRテック(HR Tech)の領域と導入メリット
HRテックは人事関連業務全般に関わっており、その領域は多岐に渡ります。ここでは、大きく3つの領域に分けて、その導入メリットにも触れながら解説します。

採用管理
人手不足が続く昨今、採用に関する業務の重要性が増すと同時に、工程も複雑化・高度化してきています。そのため、業務の効率化は、多くの企業が望んでいることでしょう。
HRテックの主なサービスは履歴書や職務経歴書といった書類や面接データなどの一元管理であり、導入することで情報の確認が容易になります。さらに、求人媒体ごとに応募状況などのデータを蓄積することで、広告分析・対策に活用することができます。

人材マネジメント・評価
社内人材(従業員)のマネジメントや評価は、評価者(主に上司)の主観が入ってきやすいものです。一緒に働く評価者による評価だけではなく、客観的な評価も必要でしょう。HRテックの導入によって、評価や人事異動、新規プロジェクト立ち上げなどに際しての人選を、より適切・効率的に進めることが可能になります。毎期の評価や実績などに加え、個人の特性や仕事に対する姿勢、資格やスキルといった情報もデータベース化し、管理していくことで人材の適正な活用が期待できます。

勤怠・労務・給与
勤怠・労務・給与計算は、人事業務のなかでも定型の作業といえます。特に勤怠管理に関しては、裁量労働制やコロナ禍の影響によるテレワークの増加などで働き方が多様化しており、業務が煩雑になっていることは容易に想像できます。
勤怠管理にHRテックを導入すれば、従業員による社外からの打刻が可能になるだけでなく、一元的な管理や給与計算への紐づけも容易に行うことができます。また、労務管理として、従業員のストレスチェックなどの一元管理にも利用することができます。

リクルートエージェント https://www.r-agent.com/business/knowhow/article/10067/
  • MBO(Management by Objectives and self-control:目標によ る管理)

ドラッカーの名著「現代の経営」において、MBO(目標による管理)という概念が登場しました。MBOは、正式名称を「Management by objectives and self-control」と言い、直訳すると「目標と自己統制による管理」となります。

本来ドラッカーの提言したMBO(目標による管理)は、個々の社員に自分で目標を設定させ、その進捗や実行を各人が自ら主体的に管理するという自己統制に重きを置いた考え方です。

本人の自主性に任せることで、主体性が発揮されて結果として大きな成果が得られるという人間観/組織観に基づいていると考えられます。

MBO(目標による管理)は1960年代に、日本に導入されましたが、大部分の企業は上司が指示する目標を本人の目標として押し付けるノルマ的管理として使用し、一部の企業が人材育成・モチベーション向上を目的として利用するに止まりました。

日本の企業で本格的に導入されるようになったのは、バブルが崩壊した1990年代からで、その背景には、「個を活かす経営」や「成果主義制度」などと言われる人事管理の変化が大きく影響していると言えるでしょう。 

ドラッカーは、目標による管理について次のように述べています。
①組織の統制手段としての目標
「事業が成果を上げるには、一つひとつの仕事を事業全体の目標に向けなければならない。」「期待すべき成果は事業の目標に基づいて決められる。」
②自己統制手段としての目標
「目標管理の最大の利点は、支配によるマネジメントを自己管理によるマネジメントに代えることにある。」「自らの仕事ぶりを測定されるための情報を、早く得ることが必要である。」「情報は自己管理の道具であって、上からの管理の道具にしてはならない。」「人は自らの仕事について情報を持つとき、初めてその成果について全責任を負うことができる。」
③コミュニケーションにより目標の納得感を醸成する
「年に二回『マネジメント・レター』なるものを書かせている組織がある。」「上司が目標とすべきものと、自らが目標とすべきものを書く。期待されていると思う水準を書く。」
目標を達成するためになすべきことと障害になっていることを書く。組織と上司が行っていることのうち、助けになっていることと妨げになっていることを書く。
自らの目標を達成するために、次の一年間に行うべきことを提案する。この手紙が上司に受け入れられたとき、それは憲章となる。」

以上のように、ドラッカーにとって、目標による管理は、一人ひとりが立てる目標が会社全体の目標にリンクしていることを前提とした、「Management by objectives and self-control」のself-controlを重視したものであると言えます。
また、管理者の役割は、目標の適正度を確認するとともに、障害を取り除くなどのサポートを行うことを示しています。

SMBCビジネスクラブ https://infolounge.smbcc-businessclub.jp/articles/547
  • HRM(Human Resource Management)

人的資源管理、人材マネジメントなどと訳され、人材を経営資源として捉え、有効活用するための仕組みを体系的に構築・運用することを意味する。
具体的には企業戦略を実現するために必要な人的資源の需要を予測し、予測に基づいた採用、教育・育成、配置を行う。さらに配置した人材を動機付けていくための人事制度も含まれ、一般的にはHRMの多くは人事部の業務となる。 <後略>

リクルート マネジメント ソリューションズ 
https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000060/
  • リテンション

リテンション(Retention)とは直訳すると「維持」、「保持」という意味であり、マーケティング用語としてのリテンションの意味は「既存顧客と継続的な関係を維持(既存顧客の流出防止)していくためのマーケティング施策」を指します。

一方、人事用語としてのリテンションの意味は、「優秀な人材の離職を防ぎ(人材流出防止)、継続して活躍してもらうための施策」のことを指し、「リテンションマネジメント」「リテンション戦略」とも呼ばれます。

リテンションが注目されるようになった背景は以下の2点だと考えられています。
慢性的な人材不足
現在のわが国では少子高齢化、団塊の世代の大量退職により労働人口は減少傾向にあり、企業は必要な働き手を確保できず、「慢性的な人材不足」に悩まされています。このような状況下でも企業は生産性向上を目指していくことが必要なため、社員が長く働き続けてもらうためのリテンションへの取組みが企業の重要な経営課題になっていると考えられます。

人材の流動化
もう一つの背景としては「人材の流動化」が挙げられます。現在の労働市場では定年まで一つの企業で働き続ける終身雇用の概念が弱まりつつあり、転職市場の活発化が見受けられます。また、令和4年10月28日に発表された厚生労働省の「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、新規高卒就職者のうち35.9%、新規大卒就職者のうち31.5%が離職しており、新入社員のおよそ3人に1人が3年以内に離職しています。若年層の早期退職が多くなっていることもリテンションが注目される背景の一つであるといえます。
また、人材が流出することは社員の採用・育成コストのサンクコスト化や業務の停滞、ノウハウの流出などのリスクが伴い、企業にとってマイナスに働くと考えられます。コア人材・優秀な人材・若手社員をとどまらせるためにも、リテンション施策は重要です。

三井住友銀行Business Navi
https://www.smbc.co.jp/hojin/magazine/personnel/about-retention.html 
  • タレントマネジメ ント

「タレントマネジメント」とは、自社の従業員一人ひとりが持つ資質や能力を適切に把握して最大限に活用することで、企業の継続的な成長を目指す人材マネジメントの手法です。

ここで、「タレント」は従業員の持つ資質や能力を意味するとともに、資質や能力を持つ人材自身を指す言葉としても使用されます。目に見える顕在化したものだけでなく、従業員が潜在的に持っているものも含みます。

タレントマネジメントは、「タレント」を「全従業員」と考えるか、「将来の幹部候補」と考えるかにより2つに分けられます。

タレントマネジメントの対象を「全従業員」と考える場合には、従業員一人ひとりの個性・能力を考慮した人員配置を行うことで、全社的なパフォーマンスの向上が期待できます。

一方、「将来の幹部候補」を対象と考える場合には、専門知識やスキル、豊富な経験を持つ人材を、効率よく将来のマネジメント人材として育成することが可能です。

企業を取り巻く環境が急速に変化するなかで、より上位の概念である「経営戦略」を実現するために、「人事戦略」の一環としてタレントマネジメントが注目されています。

日本能率協会マネジメントセンター
https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0131-talent_management.html
  • リーダーシップ

  • モチベーション

  • ワークエンゲージメント

ワーク・エンゲイジメントは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態として、 「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)3つが揃った状態として定義される。つまり、 ワーク・エンゲイジメントが高い人は、仕事に誇りとやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事 から活力を得て、いきいきとしている状態にあるといえる。

さらに、ワーク・エンゲイジメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた 「一時的な状態」ではなく、仕事に向けられた「持続的かつ全般的な感情と認知」によって特 徴づけられる。つまり、ワーク・エンゲイジメントは、「個人」と「仕事全般」との関係性を 示す概念であることに加えて、個人の中で日々の時間の経過とともに一時的な経験として変動 していく面もあるものの、基本的には、持続的かつ安定的な状態を捉える概念となっている。

厚生労働省 
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_01.pdf
  • ワークライ フバランス

  • DE & I(Diversity,Equity & Inclusion)

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」とは、従来、企業が取り組んできた「ダイバーシティ&インクルージョン」に「公平/公正性(Equity)」という考えをプラスした概念です。

多様な人が働く組織の中で、それぞれの人に合った対応をすることで、それぞれがいきいきと働き、成果を出し続けるための考え方とされています。「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の語句を分解すると、以下のように訳されます。
ダイバーシティ:多様性
エクイティ:公平/公正性
インクルージョン:包摂性

公益財団法人 日本生産性本部
https://www.jpc-net.jp/consulting/report/detail/dei.html
  • リーダーシップの在り方(コンティンジェンシー理論,シェアードリーダーシッ プ,サーバントリーダーシップなど)

状況適合(コンティンジェンシー)理論とは、唯一最適なリーダーシップ・スタイルというものは存在せず、集団の特性や集団が直面している状況に応じて、望ましいリーダーシップのスタイルは異なるという理論。

グロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/search.html?keyword=シェアードリーダーシッ+プ

Pearce&Conger(2003) では、シェアド・リーダーシップは、「グループまたは組織、あるいはその両方の目的の達成に向けて個人がお互いにリードし合うことを目的としたグループに所属する個人の間の動的かつ相互作用的な影響力のプロセス」と定義されている。また、Zhuら(2018)では、さまざまな定義に共通するものとして、「同僚間での水平的な影響力」「チーム内での自然発生的な現象」、そして「リーダーシップの役割や影響力が集団内で分散」の3点が挙げられている。
また、石川(2016)では、シェアド・リーダーシップは、「職場やチームのメンバーが必要なときに必要なリーダーシップを発揮し、誰かがリーダーシップを発揮しているときには、他のメンバーはフォロワーシップに徹するような職場やチームの状態」と定義されている。主な特徴としては、「全員がリーダーシップを発揮している」「誰かがリーダーシップを発揮しており、それが適切と感じたときには、他のメンバーはフォロワーシップに徹する」「リーダーとフォロワーが流動的である」の3つが挙げられている。

いずれからも、図表2(下記リンク先参照)のように、シェアド・リーダーシップは「垂直的ではなく、水平的」「特定の人物ではなく、多数の人物で分散」「流動的、自然発生的」な特徴をもつものだといえる。

身近な例を考えると、新商品開発で、「ユーザーのニーズを具体化する」「商品コンセプトを検討する」「必要な生産体制を構築する」など、フェーズに応じて、マーケティング担当、生産担当などがそれぞれリーダーシップを発揮し合う現象は、シェアド・リーダーシップが発露した場面だといえるだろう。
また、職場の会議で、メンバーがそれぞれの得意領域の情報を共有したり、発散や収束など得意な場面で主体者が変わったりする場面があるが、これもシェアド・リーダーシップが発揮された場面と考えられる。

リクルート マネジメント ソリューションズ 
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/feature/0000001123/

サーバントリーダーシップは、「支援型リーダーシップ」や「奉仕型リーダーシップ」と訳されます。サーバントの語源は使用人や召し使い、奉仕する者と訳される英単語「servant」で、サーバントリーダーシップではリーダーがメンバーに対して支援・奉仕する形でリーダーシップを発揮します。これに対して、一般的なリーダーシップである「支配型リーダーシップ」では、リーダーがメンバーを指揮・統制することでチームをまとめ上げ、進むべき方向へと導きます。

サーバントリーダーシップは、教育について数々の研究を重ねたロバート・グリーンリーフによって提唱され、ビジネスをはじめ医療や行政、教育などに活用されています。
<中略>
企業におけるサーバントリーダーの役割
企業においてサーバントリーダーは、メンバーの成長や能力開発を促す役割を果たします。チームとしての目標達成を実現しつつ、メンバーの自主性を尊重したサポートを行うことが求められます。具体的には、指示や命令に頼らないで行動できる環境の整備や、必要なリソース・ツールの提供がサーバントリーダーに期待されています。また、メンバーの声に耳を傾けてニーズや問題を理解し、それらに応じた施策を実行することもサーバントリーダーの重要な役割の一つです。こういった役割を果たすことで、サーバントリーダーは企業全体のモチベーションや生産性を向上させ、組織全体の成功に貢献することが期待されます。

マネジメントとの違い
マネジメントとは、業務について指示や命令を与えて相手を管理することです。これに対してサーバントリーダーシップはメンバーの自主性を尊重し、自由に行動できる環境を整えたり、必要な支援を行ったりすることを指します。サーバントリーダーシップのもとでは、従業員は自らの成長や発展に向けて自らの意思で動くことで大きな成果を得て、企業全体の成長や発展につなげることが期待されます。

マネーフォワード
https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/63725/
  • 多様な働き方への取組

多様な働き方とは?
多様な働き方とは「働く人すべてがそれぞれのワークライフバランスを追求しながら、自ら望むスタイルで労働すること」を意味します。画一的な環境や労働条件ではなく、一人ひとりの生活事情や価値観を踏まえた、可能な限り柔軟かつ多元的な労働スタイルです。

多様な働き方を実践する取り組み例
企業が多様な働き方を実践する上で、取り組みは主に次の7点です。
例1/テレワーク
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して在宅勤務、サテライトオフィス勤務など会社以外で勤務する就業形態です。働く人は通勤の負担が軽減され、仕事とプライベートを両立しやすくなります。企業側も通勤コスト、オフィスのコストが削減できます。地方や海外在住など遠隔地の人材を採用できるというメリットもあります。
例2/フレックスタイム制
フレックスタイム制とは「コアタイム(勤務を必須とする時間帯)」と自由に出勤・退勤ができる「フレキシブルタイム」を任意で定め、あらかじめ設定した総労働時間のもと働く制度です。 近年はすべての労働時間をフレキシブルタイムとする「スーパーフレックスタイム制」を導入する企業も存在します。働く人が主体的な働き方を追求できるため、パフォーマンスやモチベーションの向上が期待できます。
例3/時差出勤制度
始業・終業の時間を繰り上げる、または繰り下げる制度です。企業が実働時間を決め、社員はその範囲内で出退勤時間を選びます。鉄道やバスなどの通勤ラッシュを避けることで、ストレスの緩和や感染症リスクの低減につながります。
例4/短時間勤務・短時間正社員
フルタイムの労働時間よりも短い勤務時間の正社員制度です。育児・介護をしながら働く人を対象とした「短時間勤務制度」「短時間勤務措置」だけでなく、決まった日時に働きたい人、定年後も働き続けたい人、キャリアアップを目指している人など多様な人材に活躍してもらうための仕組みです。雇用の安定を確保しつつ個々の事情にあった多様な働き方を実現できます。
例5/副業(複業)・兼業
副業(複業)・兼業を容認すると、働く人の所得増、人脈形成、活躍の場の拡大につながります。また、他分野の副業で培ったスキル・ノウハウを本業に活かすことによる相乗効果(シナジー効果)や、新たな仕事に挑戦したいと転職を考える人材の流出防止効果も期待できます。
例6/ジョブ型雇用
仕事に対して人材を割り当てる雇用システムです。年齢や学歴ではなく人材が持つスキルや専門性をもとに、仕事内容や報酬などを明確に定義した上で雇用契約を結びます。成果と報酬が可視化されるため、働く人のモチベーションを高めやすいと言われます。日本でも外資系企業はほとんどがジョブ型雇用です。 メンバーシップ制度が主流だった日本ですが、2021年のコーン・フェリー・ジャパン[2] の調査によるとジョブ型雇用導入企業率は26%。導入決定済み・検討中を加えると56%にも上り、雇用制度に変革の波が来ていることがうかがえます。
例7/業務委託
企業に雇用されず業務単位で契約を結ぶ働き方で、「委任契約」と「請負契約」があります。スキルの高い労働者にとっては自由な働き方が可能です。近年は人材育成コストを踏まえ、専門性が高い仕事を業務委託化する企業が増えています。
委任契約:定められた労働期間や業務に対し、成果物にかかわらず報酬が発生
請負契約:労働期間を問わず、成果物に対して報酬が発生

パソナ
https://www.pasona.co.jp/clients/service/column/jhk/working_diversity/#c03
  • テレワークの類型(在宅勤務,モバイルワーク,サテライトオフィス勤務,ワーケーション)と経営上の留意点

1-1.テレワークとは時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のこと

テレワークとは、情報通信技術(ICT)を利用した、時間・場所にとらわれない柔軟な働き方のことを指します。
「tele(離れたところ)」と「work(働く)」を組み合わせて造られた造語となっており、従来までのオフィスに留まる働き方と異なり、自宅・サテライトオフィス・コワーキングスペースなど、オフィスから離れた場で仕事をする働き方となっています。

1-2.テレワークの種類
「テレワーク」には、以下4種類があります。
それぞれ詳しく見てみましょう。

1-2-1.在宅勤務
1つめは「在宅勤務」です。
在宅勤務とは、自宅を勤務場所とする勤務形態です。
1日の業務をすべて自宅で行うため、通勤の負担の軽減が可能となっています。
在宅勤務を導入することによって、
従業員のワーク・ライフ・バランスの実現
育児・介護・障害などによって通常の就労が困難な従業員のキャリアの継続を図る
集中して働きやすい環境を整える
といったことが可能になります。

1-2-2.モバイルワーク
2つめは「モバイルワーク」です。
モバイルワークとは、移動中・顧客先・カフェといったあらゆる場所を勤務場所とする勤務形態です。勤務場所をオフィスに限定しないことによって、オフィスに戻ってから作業を行う無駄な移動時間を削減することが可能です。
営業などの頻繁に外出する業務内容の場合には、より柔軟に働くことができ、業務効率を高めることができる働き方といえるでしょう。

1-2-3.施設利用型勤務
3つめは「施設利用型勤務」です。
施設利用型勤務は、サテライトオフィス・テレワークセンター・スポットオフィスといった遠隔勤務用施設を勤務場所とする勤務形態です。
従業員の自宅に近い施設を利用することによって、従業員の通勤にかかる時間
労力の削減が可能となります。
また顧客先に近い施設を利用することで、顧客対応の迅速化・従業員の移動時間の削減といった業務の効率化を図ることができます。

1-2-4.ワーケーション
4つめは「ワーケーション」です。
ワーケーションは、観光地・リゾート地などを勤務場所とする勤務形態です。
ワーケーションは仕事と休暇の両立を試みる勤務形態となっており、従業員の満足度を高め、生産性の向上に期待ができます。

<中略>
5.企業側のテレワーク導入の3つの注意点
企業側のテレワーク導入の注意点は以下3つです。
5-1.テレワーク中の従業員の勤怠管理が難しい
企業側のデメリット1つめは「テレワーク中の勤怠管理が難しい」という点です。
オフィス勤務と違い、テレワーク中は従業員と同じ空間にいないことから、在籍・勤務状況をコミュニケーションによって把握することが難しく、職務怠慢・過重労働が発生しやすくなってしまうのです。
こうした背景からテレワークの導入には適切な勤怠管理を可能にするITシステムの導入が求められ、体制をしっかりと整える必要があります。
テレワークを導入する際には、以下の条件がそろった勤怠管理システムの導入もあわせて行いましょう。
・勤務時間の記録ができるシステム
・作業状況が記録できるシステム

5-2.プロジェクトやタスクの管理の難易度が上がる
2つめは「プロジェクト・タスクの管理の難易度が上がる」という点です。
オフィスでは同じ空間にいることによって素早く確認できていたプロジェクト・タスクの進捗管理が、テレワーク中はすぐにコミュニケーションが取れないために難しくなる可能性があります。
こうした状況では、進捗管理のための雑多な業務が増えてしまい、業務効率の低下に繋がる可能性があるのです。
業務に関するタスクの進捗を部署やチームで把握できる「プロジェクト・タスク進捗管理用のツール」を導入するなどして、進捗管理をスムーズに行えるように対策を講じましょう。

5-3.セキュリティリスクがある
3つめは「セキュリティリスクがある」という点です。
テレワークでは、企業ほどの高いレベルのセキュリティ対策が整えられていない自宅や、コワーキングスペースなどで業務を行うため、セキュリティリスクが高まる傾向にあります。
テレワーク導入時には、こうしたリスクを考え、安全なネットワークからオフィスのパソコンに遠隔でアクセスできるクラウドを利用するなどして、テレワーク用のセキュリティ対策を講じましょう。

6.従業員側のテレワーク導入4つの注意点
従業員のテレワーク導入の注意点は以下の4つです。
6-1.コミュニケーション不足になる
1つめは「コミュニケーション不足になる」という点です。
同僚と同じ空間で業務を行い、直接コミュニケーションを取り合うオフィスとは違い、テレワーク中はWeb会議ツール・社内チャットシステムなどを通して同僚とコミュニケーションを取ることになります。
ビデオ通話やチャットを使ったコミュニケーションは、直接コミュニケーションを取り合うのに比べて、細かいニュアンスを受け取ることが難しく誤解も生じやすくなる可能性があります。
このように、テレワーク環境下では従業員のコミュニケーション不足に陥りやすく、メンタル面の悪化・チームワークの低下を引き起こしてしまう可能性があるため、
・定期的に出社日を設ける
・1on1面談(上司と部下で行う定期的な1対1のミーティング)を実施する
・業務に関係のない雑談をチャットでやり取りしたり、Webミーティングを行ったりする
といった対策を実施することで、コミュニケ−ション不足を解消することに期待が持てます。

6-2.時間管理が難しい
2つめは「時間管理が難しい」という点です。
テレワークという勤務形態は、従業員にとって仕事の時間とプライベートの時間の境界線が曖昧になりやすく、時間管理が困難です。
オフィスではきっちりと時間管理ができていた方も、時間管理がルーズになってしまう傾向があり、長時間労働または職務怠慢が発生しやすい点に注意しましょう。

6-3.作業効率が低下する可能性がある
3つめは「作業効率が低下する可能性がある」という点です。
テレワークは、時間管理を始めとし従業員のセルフマネジメントが重要な勤務形態です。
過度にリラックスしてしまいやすい自宅での業務の場合、業務中のオン・オフの切り替えが上手くいかず、集中力をなくし作業効率が低下する可能性もあります。
また設備の整ったオフィスと異なり、自宅・コワーキングスペースは働きやすい環境ではない場合も多く、こうした面からも作業効率が低下する可能性があります。
テレワーク導入は、作業効率が低下しやすいという点にも注意が必要です。

6-4.運動不足になる可能性がある
4つめは「運動不足になる可能性がある」という点です。
テレワーク中はオフィスまでの通勤が無くなることによって、外出の機会が減少し、運動不足に陥るリスクが高まる傾向にあります。
デスクワーク中心のテレワークは体への負担も強く、運動不足に加えて生活習慣病を引き起こしてしまう可能性もあります。
テレワーク中はこうした体への負担に対処するため、意識的に健康的な運動に取り組む必要があります。

NTT東日本 クラソル
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-292.html

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前回の項と同様に様々な官庁・団体・企業が解説をネット上に掲載していました。
このnoteでは、信頼のおけそうなサイトの中からコンパクトかつ具体的な内容をセレクトして引用する形で重要な概念の説明集を作っていきます。

次回は、(3) 経営組織についての予定です。

①「ストラテジ(経営戦略)系」の中の「経営・組織論 」今後の内容

(3) 経営組織

階層型組織
事業部制
機能別組織
職能別組織
マトリックス組織
プロジェ クト組織
カンパニー制
持株会社
CxO(Chief x Officer(最高経営責任者 (CEO:Chief Executive Officer),最高情報責任者(CIO:Chief Information Officer)など))


(4) 社会における IT 利活用の動向
① ITの進展とそれに伴う社会の変化
コンピュータの処理能力の向上
データの多様性及びデータ量の増加
AIの進化
② 企業活動及び社会生活におけるIT利活用の動向第4次産業革命
Society5.0
超スマート社会
データ駆動型社会
デジタルト ランスフォーメーション(DX)
グリーントランスフォーメーション(GX)
カー ボンニュートラル
国家戦略特別区域法(スーパーシティ法)
官民データ活用 推進基本法
デジタル社会形成基本法

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