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自宅からのお見送りは可能? 出棺まで、故人と自宅で過ごしたい人に

葬儀といえば、セレモニーホールで行うのが一般的。でも、近親者だけの葬儀が増えるにつれ、「わざわざセレモニーホールへ行って本格的な葬儀をしなくてもいいのでは?」という考え方も出てきています。狭小住宅やマンション、賃貸住まいの人でも、自宅から故人を送り出すことは可能なのでしょうか。自宅葬が可能かどうかのチェックポイントを解説します。

自宅葬は、もともと珍しいことではない

自宅で葬儀を行うことを、自宅葬といいます。自宅葬は、そもそも珍しいことではありません。

セレモニーホールが台頭する前、葬儀といえば自宅か公民館、もしくは菩提寺で行うものでした。平成期の初頭からセレモニーホールが林立しはじめ、葬儀の場は自宅からホールへと移っていきます。

ホールがたくさん建てられるようになった頃は、ちょうど地縁が薄れ、自宅や公民館での葬儀を手伝う近隣組織が弱体化してきた時代と重なります。また、高齢化が進み、空調やイス席など会葬環境が整っている方がよいと思う人が増え、よりメリットの大きいホール葬が選ばれるようになりました。

このように、ホール葬が一般的になってから、わずか30年程度しか経っていないのです。

しかし、いつの時代もメリットの大きい式場が選ばれるのであれば、もはやホールはその魅力を失いつつあります。以前から、近親者のみで見送る家族葬の需要が大きくなっていましたが、コロナ禍で葬儀の規模はもっとコンパクトになりました。家族のほか、1~2組の近親者しか集まらない葬儀に、立派なホールは必要でしょうか?

むしろ、近親者が気兼ねなく集まれる自宅で、ホールに移動することなくゆったり見送った方が、精神的にも、経済的にも、時間的にも負担がありません。

自宅への安置であれば、もっと珍しくない

病院などから搬送し、故人を布団に休ませることを、安置といいます。「立派な祭壇や、形式ばった儀式は必要ない。ただ、故人と過ごせる空間があればいい」と考える人にとって、自宅でのお別れは、もはや「自宅葬」ですらありません。自宅に故人を安置して、そのまま出棺・火葬をするだけです。

「身内が亡くなったら、病院から、いったん自宅に連れてくる」。

ごく自然な選択に聞こえますね。

自宅葬も、自宅への安置も、特別驚くようなことではないのです。

ただ、昨今の住宅事情によっては、叶わないケースもあります。以下のチェックポイントを、確認してみてください。

チェックポイント1:規約を確認

集合住宅や賃貸住まいの場合は、規約を確認

集合住宅や賃貸住まいの場合は、規約を確認してみましょう。遺体の持ち込みに関する記載がなければ、規約はクリアしていることになります。

ただ、規約が想定していない範疇のものごとは、集合住宅であれば管理組合、賃貸であれば管理会社や大家さんに尋ねてみるのが無難です。

いきなり「自宅で葬儀をしてもよいのでしょうか」と尋ねると、どうしても大家さんの方は「読経の声が響くのでは?」「大勢の人が訪れるのでは?」と身構えてしまいます。まずは「身内が亡くなったら家に連れ帰ってきても良いか」と尋ねてみましょう。

チェックポイント2:エレベーターを確認

集合住宅の2階以上に住んでいる人は、エレベーターが棺を運べる仕様になっているかを管理人に確認しましょう。エレベーターは、狭く見えても、奥の一部が開いてストレッチャーが詰めるようになっているケースがあります。救急搬送などのためです。

チェックポイント3:棺の動線を確認

棺は、長さ180~200センチ、幅60センチほどの長い箱です。狭い階段などは回り込めません。玄関から安置する部屋まで、棺の動線を確保できることが必須の条件となります。

もっとも、棺をタテにすれば廊下の角も回り込めますが、故人を納めた棺を出棺するときには、かなりの労力が必要になります。「奥の部屋には進めない」と感じる場合は、玄関のすぐそばにある広いLDKなどに棺を置くことも選択肢に入れましょう。

チェックポイント4:お見送りをする人数を確認

6畳ほどの部屋であっても、祭壇を設けず、かつ部屋がスッキリ片付いていれば、5~10名が集まることが可能です。部屋の広さによって収容可能な人数は変動しますが、どんなに大きな家であっても、20人以下に抑えておいた方がいいかもしれません。

人数が増えるほど、玄関先が靴で混雑します。トイレの順番を待つ場面も見られるようになります。車社会であれば、駐車場の手配も必要でしょう。

たくさんの人に見送ってもらいたいという場合には、火葬前のお見送りに参加する人数は最小限に抑え、弔問いただきたい方には日時の予約を取ってもらうといった工夫をするのがおすすめです。後日、改めてお別れ会を開くことも考えてみましょう。

チェックポイント5:引き受けてくれる葬儀社を確認

実は、全ての葬儀社が自宅でのお別れを引き受けてくれるわけではありません。自社でセレモニーホールを持っているところはとくに、ホール葬ありきで人員配置をしている場合が多いためです。

いざというとき慌てないためには、事前に葬儀社へ詳しく葬送プランを話し、引き受けてくれる葬儀社をみつくろっておくのがおすすめです。

安置施設からのお見送りという選択肢もある

チェックポイントを満たさないと感じたら、セレモニーホールではなく、安置施設でのお見送りについて考えてみましょう。

安置施設とは、故人を安置できる施設のこと。多くの場合、セレモニーホールで行われるお通夜までの使用が想定されていますが、葬儀をせずに火葬だけを行う「直葬(ちょくそう)」を選ぶ人向けに、出棺前まで安置空間を貸してくれる葬儀社があります。

直葬では寂しい、形式的な「葬儀」はしないけれど、しっかりお別れしたいという方へ。
自分らしいお別れをサポートするオーマイソーでも、安置施設をご用意しています。

オーマイソーの安置施設

オーマイソーの棺を使って、ミニマルで豊かなお別れ

自宅や安置施設でお別れをするとき、「棺だけでは寂しい。でも、立派な祭壇を置くのも、何か違う」と感じることがあります。

オーマイソーが標準で使用する「エコフィン」は、祭壇と一体化した棺です。ふたの部分が立ち上がり、遺影や思い出の品を飾れるようになっています。

祭壇と一体化した棺

モダンなインテリアにフィットする落ち着いた佇まいは、家族だけのプライベートフューネラルに最適です。


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