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「アラビアンナイト 三千年の願い」3つだけかぁ、いや、3つあればなんとかなるか。

昨日のお休み最後の夜、何を見ようかなあとカチカチしていると「アラビアンナイト 三千年の願い」という映画を見つけて、あーこれ見てなかったと思い見ることにした。

神話とかファンタジー系が好きなものだから、ついついこういうのを選んでしまう。
監督も「マッドマックス 怒りのデスロード」のジョージ・ミラーみたいだし、なんかそういう世界を描かせたら面白そうと思って。

ティルダ・スウィントン、相変わらず人間役のはずなのに人間離れしてる感じがこの人ならではだなあって。
でも今回は初めて共演のイドリス・エルバ(なぜかこの人の名前って覚えにくい)のせいか、普通サイズに見える。

先走ったね。
思いついたことから書いちゃうから。

お話は、3つの願いを叶えると自由になれるっていうのに、すでに3回失敗して、ちっちゃな瓶に閉じ込められて、海とか石のタイルの下とかで悶々としながら瓶から出るチャンス狙って3000年近く過ごしている、イドリス・エルバ演じるジンっていう魔法使いと、神話やそういったお話を研究している女性で、仕事も毎日も自分なりにすごく充実してて、なんの不満もなく楽しいと言ってる、ティルダ・スウィントン演じるアリシア。

イスタンブールのバザールでそんな2人は出会う。
といっても、その時点ではお店の中で無造作に置かれたカゴの中から、アリシアがガラスの小瓶を選んで買ってホテルの部屋に持ち帰るっていうだけ。

瓶の蓋が閉まってたら開けたいのが人間の性で、アリシアも当然開けようと試みる。開け方が蓋と瓶の境目部分に電動ブラシを当てて、ウィンウィンやって開けようとするのがなんだかキュート。立ってるものは親でも使え。ちょっと違う?

で、ご想像通り黙々と煙が出てきてジン登場。
最初はホテルの部屋いっぱいのデカさ。そこからホテルの部屋でジンが今まで過ごしてきた顛末をアリシアに話して聞かせるっていうシーンが続く。

2人ともバスローブ姿で(いつの間にかジンは適度な大きさに変身してる)演技を続けるんだけど、なぜだか退屈しない。ジンがくれるお菓子が美味しそう。
ジンの昔話の回想映像はジョージ・ミラーの本領発揮で引き込まれるし、そのシーンが挟まれつつだからかもしれないけれど、ただ、2人がホテルの部屋でお話ししてるっていうだけのシーンも、シンプルなのに2人の存在感があっていい。

結局、人間の欲望から生まれるお願い事がハッピーエンドにならないとアリシアは強く思っているし、ジンが「3つの願い」をさっさと叶えて自由になりたいばっかりに「お願いを言って」って言うんだと思ってるから「願いはない」と頑なに拒否。

でも、ジンの3000年に及ぶ長い時間のほとんどを、瓶の中で過ごす羽目になった失敗談を聞くうちに、やっとお願いを口にする。

「あなたに愛して、愛されたい」
唐突かもしれないけれど、私は大丈夫で充実してるのって言ってたアリシアの、嫌いではなかったはずの孤独と、ジンの人間の欲望から生まれた願いによって彷徨い続けた長い長い孤独の波長が重なって「あなたに愛して、愛されたい」というアリシアの願いは受け入れられる。

そして2人はアリシアのお家で一緒に過ごすことになる。

ジンは持ち前の能力ですぐに色々なことを吸収する。好奇心を発揮して現代の色々な世界を覗きにいく(このシーンは大好きな映画「スプラッシュ」で人魚だったマディソンが色々なことに興味を持って学習していくシーンを思い出させた)でも、ジンにとって、本当はその現代世界の都会は、騒音とか電磁波?とか、耐え難いくらいの音やなんかで満たされていて、アリシアに大丈夫だよって言ってはいたけれどそのうち疲弊して、ある日アリシアがお家に戻ると地下室でボロ人形のように崩れかけてる。

そこでアリシアが3つ目のお願いを口にする事になる。

ボロ人形みたいになったジンを抱きしめながら「愛とは奪うものではなくて、与えるものなの」と言い泣き崩れるアリシア。ティルダ・スウィントンのこういう演技ってなんか初めて見た気がした。
可愛くて切なくて。そして最後のお願いを口にする。愛は与えるもの。

子供っぽい夢物語かもしれないけれど、私は好き。子供っぽかろうが夢物語だろうが「愛するってそういう事なんだって事でいいだろ」って、恥ずかしげもなく声を大にして言いたい。

昨日、お父さんが「ケンタッキーフライドチキンを食べたい、CMを見てるとなぜか食べたくなる」というので、持っていった。ら「前より衣が厚くなってる気がする」と変な難癖をつけてきた。
だそうですよ、ケンタッキーさん。
しょっちゅう食べない分当たってるのかもしれないと思いつつも、自分が「今日、ケンタッキーにしなぁーい」に釣られて所望したんだから、素直に食べてくださいなと。

という感じで三連休は終了。

今日からまたお仕事の皆様、楽しい春はもうすぐそこです。
鼻歌混じりで春を迎えに行きましょう!

アラビアンナイトとは関係ないんだけれど、このドレスでマーゴット・ロビーの賞のプレゼンテーターとして登場してきての第一声「Middle-aged Barbie」で、会場を笑いの渦に巻きこむケイト・ブランシェット。そのユーモアセンスが好き。

「Middle-aged Barbie」


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