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コーヒーカップとティースプーンの謎。

初めて気づいたのは学生の頃、ロイヤルホストで食後のコーヒーを飲もうとした時の事。当時はブラックコーヒーが飲めなくて、ミルクだけ入れて飲んでいた。
砂糖も試してみたが、これはちょっとお口に合わないわあって。

その衝撃はその時突然襲ってきた。何気にミルクを入れたコーヒーをかき混ぜようとティースプーンを入れた瞬間、
「!」
「嘘っ、ティースプーンがここまでしか入らない!」

説明しよう。
ここにコーヒーカップとティースプーンがあるとしよう。

ありふれたコーヒーカップとスプーン。コーヒーが入ってると想像してもらいたい。

次に目測で、ティースプーンをコーヒーの入ったコーヒーカップに入れると、スプーンのどの辺にコーヒーの上限がくるか想像してみよう。(この時、上限と思われる場所を指で抑えるとスリルが増す。上級者編)
そしてその目測のもとに、スプーンをコーヒーに突っ込んでみる。(指で抑えてる上級者編のときはジョーズのテーマ曲を頭の中で流しながら、スローめに入れるとワクワク、ドキドキが楽しめる。まだ飲んでないのに、指突っ込んじゃうかもっていう危険とか、アチッ!っていう単純な衝撃とか)

「嘘っ、ここまでしか入らない?」の瞬間。

コーヒーの上限は、突っ込む前に想像したより低いことが多い。これはやり始めた頃の方が差が大きくて、「このカップの大きさからして、そんなはずないだろ」とカップの底を確認するくらいの勢い。経験上(残念ではあるが)やり続けると知恵がついてくるので、自分の目測より低めにしてしまうため、面白さが半減してくるのは否めない。が、それでも案外とピタリ賞が出にくいのは確かだ。
これは自分のお家で使ってるいつものカップより、カフェやレストランで初めて出会ったカップの方が挑戦のしがいがある。

大抵の場合(同席した人にもやってもらったりしてる)こういう結果になる。

わかってる。多分、コーヒーカップの大きさは、外から見た大きさであって、カップには厚みもあるし、中にはコーヒーが入っているから、底までの距離なんてわざわざ覗き込んで確かめたりしないし、ティースプーンはなんとなくちっこいものだという思い込みがあるから、深々と沈んでしまうと勝手に判断してしまっているからなのだろう。
多分、その差がこの差を生み出してるんだと。ある種の錯覚だと。

でも、楽しいからやってみて欲しい。初めてで当てられた人は思い込みに左右されない相当の空間認識能力をお持ちだ。(あーでもこれ読んでからやちゃうと低めに想定しちゃうかもね。読んだことは忘れて、ほんとに素直にやってみてくれると嬉しいな)

足の真ん中あたりの指は、目を瞑って触ると、お母さん指なのかお兄さん指なのか、果たしてどの指なのか分かりにくい。とか、熱いお湯のお風呂に入るのは限界があるけど、お風呂では入れない温度のお湯でも口からは飲める。とか、その程度の謎なんだけど、毎回、挑戦することに意義がある。

くだらない。ほんと、書いててくだらないなあと思う。けど、コーヒーカップとティースプーンの謎は、案外私のライフワークだったりする。と言い続けていたりする。ずっと解かないでおこうと思う。

最近ではもひとつ謎への挑戦が増えた。
Amazonで頼んだ商品と配送の段ボールの大きさの謎だ。
オーダーする時から配送の段ボールの大きさを想像して、賭けに出る。
今の所100パーセント負け越している。コーヒーカップとティースプーンの謎より、的中させる日は限りなく遠い日に思える。

わかってるよ。足の指の謎も、そこに走ってる神経系のなせる技だってことも、口の中と皮膚の温度に対するスキルの違いがきちんと説明されることも、Amazonが商品に合わせてその都度梱包してたら、1日に何個梱包してどれだけのサイズの段ボールを用意しろってんだよ。明日届かなくってもいいのか?っていう感じなんだろうなあってことも。

しかし私は、日常の謎を探し求め挑み続ける。たとえそれが、自分の小さな楽しみを見つけるためにだけ存在する偽りの謎だとしても。
そう、それが、それこそが私だからだ。
(ここの部分、頭の中で「情熱大陸」のテーマ曲か「プロフェッショナルの流儀」のテーマ曲を流してても怒らないでください。)

いやでも、本当にカップとティースプーンの謎はなかなかピタッとは解けないよ。
(まだ言ってる。)

あっ、もう一つ流れから言っちゃうと、ロイヤルホストといえば「ホットファッジサンデー」と「ヨーグルトジャーマニー」のガラスの器も、なかなかの強者だと食べる度に思っている。美味しいからいいけど。

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