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食欲がない。って経験が生まれてから一度しかない。「食欲がなくて・・・」にちょっと憧れてる。

昨日美味しいもの食べに行きたいなんて言ってたけど、仕事のメールを見たら出かけられそうにもなかったし、なんだか体もいまいちなコンディションだったので、イタリアンでも全然アレなんだけど、ピザのデリバリーを頼むことにした。

ってか、日本のピザって高い気がする。一枚で4990円ってランチのコース食べれるよね。水曜日は半額ですチケットがなかったら躊躇するお値段だ。

これって「水曜日には」とか「持って帰る人」とかに半額にできるんなら、初めからそのくらいで売っちゃあどうなんだろう。
それだと利益が出ないのかな。粉物は儲かるって聞くけど、チーズが加わるとそうもいかないんだろうか。まあ、持ってきてくれるから文句は言うまい。

朝からすこーしだけ熱っぽかったんだけど、調子が悪くても食欲が落ちることがない私は、本当に気分悪かったのか?って自分でも思うほどモリモリピザを食べた。

生まれてきてから食欲がなかったのは、小学校一年生の時、盲腸がお腹の中で破裂して腹膜炎を起こして、もう少し遅かったら危なかったですよって言われた時くらいだ。

あの時はさすがにお母さんが心配するくらい食欲がなかった。
「なんだったら、食べれそう?」って聞かれて「ソフトクリーム」と言ったくらいだから。あっドーナツも付け加えた気がする。

「とてもお腹が痛いです」とさっさと言えば良かったのに、そういうのが苦手で、ずーっと我慢してた。しまいには海老みたいに体を曲げてないと生存できないくらいになって、ちっこい体でよくそこまで我慢したなと思う。

そこまできて近所の小児科に行ったら「夏風邪ですね」と言われて、ぶっとい注射でビタミン剤かなんかと、点滴を受けた。
まあ、いわゆる誤診ね。

病院の帰り道ホッとした表情のお母さんに、
「おうどん、食べて帰ろっか?」と言われて、心配させまいと「うん!」と元気に答えたものの、テーブルにおうどんが運ばれてきて、いつもだったらお出汁がいい香りーって思うのに、吐きそうになった。
「無理しないで、食べられるだけ食べたらいいから」と言われて、ずるずる2-3本食べたけど、なんの味もしなかった。

そりゃそうだよね、夏風邪なんかじゃなくて盲腸なんだもの。
おまけに破裂してるし。

その次の日、救急搬送された。
もう意志の力ではどうにもならないくらい痛くて、まじで死ぬかと思った。

大人の病院に行ったら、緊急手術とか言われてみんなオロオロ。お母さんは自分が気づかなかったって青くなってるし、心配かけないようにって勝手に思って黙ってた私の方が悪いのに、余計に面倒に巻き込んでしまったと思って反省。

手術は無事成功。
だからここにいる訳だけど、手術が終わって意識が戻ったら、お父さんが鬼の形相でベッドの横に座ってこっちを見てた。
「大丈夫?」と言いながら、裏腹にご立腹のご様子。

あーこれはお母さんに悲しい思いをさせたから怒ってんだな。と思ったから、なんか言われる前に
「今度から、きちんと言います。ごめんなさい」と詫びを入れた。
そうしたら
「わかってるならいい。ゆっくり休みなさい」と言われた。

やっぱそこか。良かった先回りできてと安心したことを覚えてる。

その後、お母さんの顔を見るのが申し訳なくてうじうじしてたら、たくさんの本を抱えた本屋さんと、たくさんのお花を抱えたお母さんが病室に入ってきて、病室が一気に優しい色と香りに包まれた。

お母さんはもういじけてなかった。自分ができる次の行動に出ることで、なんだか元気を取り戻してた。
ホッとした。

一緒に来てくれた行きつけの本屋さんも、慣れたもんでセレクトがバッチリ。
まあ、私はお腹も痛くなくなったし、また好きなだけ本が読めるしで終わりよければすべてよし。

とはいかなかった。
なんか詳しくは覚えていないけれど、腹膜炎を起こしてたから切ったお腹の傷口からお腹の中に管が突っ込まれてた。
気にもしてなかったんだけど、実はそれを抜くっていう作業が残ってたらしい。

その日がやってきた。
お医者さんが病室に入ってきて「朝、看護師さんから説明があった通り、今から管を取るからね」と言われて、はいはいどうぞと呑気に思っていた。
ここで2度目の死ぬかと思った事件発生。

冷静に考えればお腹の中に入ってる管を麻酔もなしに引っこ抜くんだから、そりゃ痛いよね。これがまた想像を絶する痛さ。

お腹に入ってる腸とかなんかの臓器が、管と一緒に全部出てくるんじゃないかと思われるほどの激痛。

子供気ない私が、思わず「グエーっ」とか「うぎゃあ」とか叫びそうになったけど、出てきたのはいつもより4オクターブくらい高い息を吐く音だけだった。あんまりにも痛くて、それしか出なかった。

この時はさすがに落ち込んだ。
大人ぶってるとこが信条だったガキは、この時初めて周りの大人に舐められてしまったと思ったもんだ。

「なんだかんだ小生意気でも、やっぱり子供ちゃんね」って。
そんな目で見るんじゃない。
でも、これって、大人でも我慢できない痛さなんじゃないの?

看護師さんにもお医者さんにも、それから2.3日はおとなしく接した。

その後は通常通りの自分を取り戻して、快適な入院生活を謳歌した。

調子が悪いなと思ったら早めにお医者さんに行ってください。
そうすればこんな目に合わなくてすみます。とさ。

もうDisney +で「哀れなるものたち」が配信されてる!
も一回見よう。





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