旅だより〜1日目〜
2人して3連休が取れた。
旅に行こう。
そう思い立って相方に相談した。
新潟に行きたいという。生まれてこのかた、新潟は行ったことがない。燕三条、米どころ、スキー場。
そんなふわあっとしたことしか思い浮かばない。
相方は無言でスマホと向かい合い情報収集。
わたしは無計画でもなんとかなるさと呑気に構えるが、相方は行きたい場所をきちんとリサーチ、ルートをきっちり考える。
どこに行き、何をするか。まわる順番もちゃんと決めたいの、オレは。
そうだね、運転手は君だ。
君に任せた。
わたしは当日の朝にむっくり起きてささっと荷造りをして助手席に乗り込むだけだ。
しかし、出発だ!と玄関を出てすぐにエアコンの消し忘れに気づき引き返す。
車に乗り込み、走り出してすぐにアイスコーヒーを入れたボトルを忘れたと引き返す。
何かあるのか。
出かけにこんなにバタバタすることは滅多にない。
神棚に手を合わせ旅の安全を祈ったので、これは調整だと思うことにした。
きっと神様がなにがしかのタイミングを図っているのだ。そう思うことにした。
決して準備不足とか物忘れが加速しているとかそんなネガティブなことではないのだ。
高速はわりと空いていた。
見上げる空はどこまでも青い。雲は天使のように白く美しくたなびいて、旅を祝福しているようだ。
目指すは日本三大渓谷のひとつ。
新潟県十日町市にある清津峡だ。
食いしん坊の相方は昼食はここで食べるという店までちゃんと調べていた。
それを楽しみに雨が落ちてきた高速をひた走らせている。雨足は急に強くなり、やがて矢のように叩き落ちてきた。フロントガラスの前の道路は白く煙り、ワイパーは最速でわずかな視界を作る。
その間に幾つものトンネルをくぐり抜ける。
トンネルを抜けると土砂降りだった。
そのセリフを何度言っただろうか。
高速を降り、まだ降り止まぬ雨の中、目指す店まで走らせる。いい具合にお腹も空いてきた。
しかし店は定休日だった。(調べたのに)
次に検索して向かった店も営業中とあったのに、なぜかクローズしていた。
あれ?神様の調整が入ったはず…ではなかったか。
相方は肩を落としている。
縁がなかったんだよ。
慰めにならぬ慰めの言葉をかける。
もっと良いことが待ってるってことだよ。
相方の顔がほんの少しだけ元気を取り戻した。
相変わらず雨の降りは強い。空は落ちてきそうなグレーだ。
しょんぼりしている相方の心のようだ。
昼食を諦め、その足で清津峡へ向かうことにした。ここでようやく調べてみると、入場料、いや、入抗料がかかるとある。(そりゃそうだ)
事前にオンライン決済ができるようだ。
すぐさま試してみた。
2回試してみたものの、販売中止と出る。
それを伝えると相方の悲鳴ともつかぬ声が上がった。
こうなったら直接電話をかけて問い合わせるしかない。単にオンライン事前予約の日程が違っていただけだった(らしい)
普通に入抗できますよ、お待ちしていますといわれ、ひさしぶりにわたしたちは笑顔になった。
あとはこの雨だ。
晴れ女の名にかけて晴らすしかない。
晴れた。
到着!!
そして、こんなふうにいくつかの見晴所がある。そこがいわば映えスポットである。
正解は
トイレでした!!
中から外の絶景を見れるらしいです。(相方談)
もちろん外から中は見えません!
そこから外を見ると。
地球の営み、自然の営みを感じます!!!
昼食はここでざるそばを頂きました!
お腹が空いていたのでより一層美味しく感じられたのは言うまでもない。
では一路お宿へ。
南魚沼市へ。
さすが米どころ。
金色に実った豊かな稲穂が美しい。
コシヒカリ。
やはりトップオブトップのお米だ。