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仁義なき戦い(という壮大な愚痴)

パートナーとの喧嘩。
考え方のすれ違い。
ささいな言葉から発展する溝。
いろいろあってわたしは今、座頭市のそれだ。


昨夜、たまたまLINEを見ると、パートナーがいつものごとく電車が駅に着く情報を送ってきていた。
そしてその後にしんど…と描かれたスタンプもポンとついている。
これは迎えに来てくれという意味だと察した。
着く時間は後1分後。
慌てて車を出して駅に向かう。


わたしは目が悪い。
もちろんメガネをかけてはいるが、暗い駅のロータリーをぐるりと見てもそれらしい人はいないので、やや離れた場所に停めてLINEを送る。 
どこ?
するとあー、あんなに離れた場所に…と返事が返ってきた。
いたんだ、どこかに。見落としていた。
そっちに行こうかと送ろうとした時に、向かっているとまた送られてきた。


ドアを開けるや否や、ぶつぶつ文句がはじまる。
ごめんね、見たんだけどTシャツの人しか見えなかったと言うと、いやいやいやベンチに座ってたよ。いたでしょ。
すーっと目の前を通り過ぎていったよね。
でもさ、居たのがわかっていたら通り過ぎたりしないから。そんな罰ゲームみたいなことするわけない。
と、言いたいところだが我慢する。


ごめん、何も買ってないの。
するとまた少し不機嫌そうな声になる。
何がないの?
えーと、アイスコーヒーも食パンもない。
今日のごはんは? 
昨日のカレーの残りだよ。
カレーだけ?
そう。
それは嫌だな。
とりあえず車をスーパーに向かわせる。
ごめん、急いで出てきたからマスク忘れちゃったの。と言うとまた大袈裟にえーっと言われる。
ごめん、買ってきてもらって良い?
また不服気に店に向かっていくパートナー。
その背中を見ながら、ムクムクと黒い思いが湧き上がってくる。
そりゃたまたまLINEを見るのが遅かったから、それもわたしの落ち度になるのかもしれないけど。
そんなに怒ること?


家に着き、買ってきたものを出しているところにパートナーが近寄ってきて言った。
あのさ、弁当にカレーだけっていうのは無いと思うよ。(福神漬けも入れたけど)
温めると匂うから事務所では迷惑になる。今日は温めなかったからいいけど。
誰の迷惑になるんじゃい。
冷たいカレーライスほど美味しくないものはなくない?とツッコミそうになるがやめておく。
お小言はさらに続く。

あのさ、最近弁当がちょっとって自分でも感じることない?


は? 


手抜きになってるってこと?
それは間違いないけど。


わたしも毎日仕事して疲れて帰ってきて、それから晩御飯作ってお弁当も作ってるんだよ。
そんな毎日、お店みたいに小洒落たお弁当なんて作れないから。


するとパートナーが小声でボソッと言う。

俺は別に苦じゃないけどな。


それを聞いてわたしの中に眠っていた任侠スイッチが入った。

じゃあ、今度からお弁当作らないから、毎日どこかで食べてきて!!!
明日はお弁当作らないから!!!!!


パートナーはそんなこと言ってないとかモゴモゴ言っていたがもう聞く耳はわたしにはない。
お弁当は作って欲しいとかなんとか。
お経のようにぶつぶつと聞こえてくる。
そして晩御飯は完全に冷戦状態に突入。
食べるや否や眠いなぁとボソボソ言ってさっさと布団の中に潜り込んでしまった。
キッチンの流しにはそのまま置かれている食器。
それを見て喚きたくなる。
全部床に叩きつけたくなる。

ちっくしょーーーーー!!!
自分が使った食器くらい己で食洗機に入れとけやーーーーーー!!!!


ざーっと乱暴に水を出しわざと音を出して汚れを落とす。
ガチャガチャと食洗機に突っ込み、バンと閉じるとゴーっと作動する音が響く。
その音と重なるようにいびきが聞こえる。


…殺意を覚える。
目を閉じてゆっくり刀の鞘に手を置く。
わずかな寝息に合わせてあいやーーーー!!!!!!と刀を振り下ろす。


わたしの中では倒れ込んでいるパートナー。
今夜はまた夏の陣。
勝敗は如何に。



こうやって書いたら、少し腹の虫が治まってきました。
書くって偉大な手当です。

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