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バスの降車ボタンからのモヤモヤ話

非常にどうでも良い話です。ごめんなさい。
ただ今モヤモヤしていることを書きたいと思います。

* * *

職場まで車通勤だったわたし。
朝の連続テレビ小説を観終わると自宅から出発、が日課でした。
今日のおかえりモネよかったな〜。なんて余韻に浸りながらの30分間のドライブでした。

今は引っ越しをし、車も手放したので自ずと公共機関を使っての通勤になりました。
電車で4駅。そこからはバスに乗り換えます。
運良く座れる時もあれば、立つこともあります。
それでも決してぎゅうぎゅうというわけでもない車内は、まわりの人の顔をちゃんと見渡せるくらいの余裕があります。
降りるバス停は3つ先。
次の所ではあまり乗り降りされません。
その次は降りる人が5〜6人。ここはいつも多いのです。
わたしが降りるバス停では2〜3人と、毎日乗っているとなんとなく顔ぶれも見慣れてきます。
降りるバス停もだいたいわかってきます。
そしてわたしは毎日悩むのです。

降車ボタンを誰がいつ押すのか。

いや、もちろんわたしも降りる時に押します。
次は〇〇〜というアナウンスに被せるようにピンポン!と押す人がいますね。
1番乗りしたいのでしょう。
先を越されたという思いでボタンに近づけた指を引っ込めてしまいます。

〇〇〜とアナウンスが流れてから2秒くらいが絶妙な丁度いい押し時間でしょう。押しても聞いても気持ちがいい間(ま)です。

だが問題はいつまでたってもピンポンが聞こえない時です。
次はいつも降りる人が多いバス停。
まるでアナウンスなどなかったかのように静かな車内にはバスのエンジン音が響き、振動に吊革が揺られています。
スマホから顔を上げずに一心不乱にゲームに興じている人。うつらうつらとものすごい前傾姿勢で居眠りしている人。
真剣な顔でまっすぐ前を向いて微動だにしない人。さっきから荷物を何度もガサガサと取り出してはカバンの中にしまっている人。

この中の誰がいったい降車ボタンを押すのか。

ここから駆け引きが始まります。
お互いの方を見ないように下を向いて、存在を消し、そ知らぬふりです。
え、わたし?降りませんよアピール合戦です。
交差点で停まっていたバスがゆっくり走り出します。この交差点を渡った先にバス停がありますがピンポンは鳴りません。
珍しく今日は誰も降りないのか、と考えていると観念したように誰かが降車ボタンを押しました。

舌打ちが聞こえてくるようなピンポンの音です。

なぜ他の人の為に押さなくちゃならないの?
降りる人なら他にもいるでしょう!
声にならない声が聞こえてくるようです。

バスが停まるとあたりまえのように立ち上がる人達。
ゲームに夢中になって顔もあげなかったサラリーマンが堂々と先頭に立って降りていきます。
なんなら、ピンポンを押したであろう人よりも先にいくぜ!感が満載のドヤ顔です。
さっきまで転げるかと思うほど前のめりで寝ていたあの人も停まる直前にはしっかり目が開いていました。

よっしゃー!今日も誰かにボタン押させて楽々降りてやったぜ!
めんどくさいことは誰かにやってもらうのにかぎるよねー

そんな声にならない声が聞こえてくるようです。
たかが降車ボタン、されど降車ボタン。
こんなところにその人となりがみえてくるものです。

* * *

職場ではお客様と従業員が同じ手洗いを使います。いわゆる広い意味では公共のトイレです。
そこでも、え?わたしじゃないでしょアピール合戦が繰り広げられます。
それは何かというと。

この無くなりかけのトイレットペーパー、新しいのに替えるのは私じゃなくていいよね?

ほんの1回分だけ残されているトイレットペーパーをほど悲しいものはありません。なんならそれでは足りません。
さらに使い切って残されている芯だけがぶらついている姿には直前に使用した、メイク直しに余念のない方に軽く殺意すら覚えます。

唇よりもまつげよりも綺麗にすべき場所がある。顔ではなく心を磨くべし。


そして家人にもひとこと。
シャンプーないよーの声に、あっ、補充するの忘れてた!いっけない、テヘ、なんて思いながら慌てて浴室のドアを開け、詰め替え用のそれを差し出したわたしに、のんびり浸かった湯船から家人は言った。
あーいいよ、そこ→(浴室内の入口)に置いといて。
はい、置いておくね。あ、もうごはんできるよ。
うん、わかったー。

翌日、お風呂に入ろうとドアを開けました。
あれ?すぐに気がついた物体。
浴室入ったところに昨日わたしが置いたまんまの位置に詰め替え用のシャンプーが鎮座していました。
え?確かほとんど空だったはずだと思い、容器に手を伸ばしました。まさか。
空っぽでした。
詰め替えの蓋を捻りながら思わず唸ったのです。

誰が詰め替えるかが問題じゃない。
気がついたのならやれ。

そこではたと思った。

全員なんらかの確信犯じゃないか。
それな。


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