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熟語の仕組みは「坊主めくり」で海外でもマスターできる!

坊主めくりってご存知ですか?
百人一首の絵札を裏向けて積み上げ、それを一枚づつ取っていきます。
 殿が出た場合は自分の手札に
 坊主が出た場合は、自分の手札全てを捨て山札の横に積んでいく
 姫が出た場合は、坊主を引いた人が捨てた札全てをもらう
そして、山札が全てなくなった時に一番たくさん札を持っていた人が勝ち

というとっても簡単なゲームです。

大晦日の夜、私が主催している漢字カフェ(海外で漢字を楽しく学習する場所)の仲間のお母さんがパーティーを企画してくださり、みんなで日本の大晦日をアメリカで堪能させていただきました!

凧揚げ年越しそば紅白と共に、漢字カフェのお母さんのたっての希望で開催されたのが「坊主めくり」大会!

日本語が読めなくても遊べるので海外でも大丈夫。
ただめくっていくとってもシンプルな遊びなのに、大人がお腹を抱えて笑い転げるくらい大盛り上がりしました。

そんな様子を見ていた子どもたちも、「やりたい!」と大盛り上がり。

これは、漢字カフェで使わないわけにはいかないです。
と思い、今日の漢字カフェでは、「坊主めくり」からインスパイアされたゲームを行なってみました!

名付けて、熟語「坊主めくり」!

1熟語の仕組み✖️坊主めくり

では、それはどのようなゲームなのかご説明します。

坊主めくりで印象的だったのが以下2つです。
① ルール、遊び方がすごくシンプル
②4種類あればできる

さて、漢字の学習で4つの種類で楽しめるものは何かと考えたところ、ふっと思いついたのが「熟語の仕組み」でした。

なぜ、熟語の仕組みが頭の片隅にあったかと言うと、以前マルチリンガル漢字指導法研究会でこのようなお話しを聞いたからです。

日本語で書かれた文章を読んでいて、たとえ読み方がわからない熟語に遭遇したとしても、熟語の仕組みがわかっていればなんとなく言葉の意味がわかり、日本語を読み進めるのに戸惑いが減っていく。そして、そうやって読んでいるうちに日本語の語彙力も上がり、漢字もますます頭に入る。

というような内容でした。

これはお得だ!と、ときめいたことを思い出します。
ただ、それをどのように楽しく学習に取り組むかについてはまだ答えが出ない状態でした。

小学校4年生の教科書には、熟語の仕組みを学ぶ単元があります。
そして、なんと!!!小学校では4つの分類があると学ぶのです。
そう「4」つ!坊主めくりと同じ!

ということで、それぞれのパータンを「姫」「坊主」「殿」「蝉丸」と定め、遊んでみることにしました。

少し難しいかな?と思いましたが、結果大盛り上がり。漢字をつなげてできる熟語にはいくつかのパターンがあるということはわかってもらえたと思います。

今日はそんな楽しみながら熟語の仕組みが体感できる「坊主めくり✖️熟語の仕組み」ゲームをご紹介したいと思います。

2遊び方

〈準備〉
授業の前に遊びの一環として、通常の坊主めくりで大盛り上がりしましょう!今週の漢字を使った熟語をカードに書いておきましょう!

①今週の進出漢字を漢字リズム音読で確認

漢字カフェでは、小野ふじこ先生の漢字リズム音読を参考に、子どもたちが好きそうな熟語を選びWordwallのフラッシュカードで作成します。絵を見て熟語のイメージをつけながら音読しています。

今週の漢字は「芽改共願失辺」

画面に映し出された絵と文字を見ながら大きな声で読み上げていきます。

例えば、
あらた あらた 改める 改札 改行 改善する
うしな うしな 失う 失礼 失恋 失敗する

② カードで読みを確認

坊主めくりようにIndexカードに、フラッシュカードで使った熟語を書いておきました。

今回カードに書いた熟語は以下です↓

新芽、胚芽米、改札、改行、改善、共通点、共学、共感、(合格)祈願、失礼、失恋、失敗、周辺、底辺、二等辺、勝敗

カードを見ながら読みと意味を確認します。

③熟語の仕組みの説明

4年生の教科書には「熟語の仕組み」のレッスンがあります。
そのページを参考に熟語には4つのパターンがあることを以下のスライドを使いながら説明しました。

Ayako作成

④今週の熟語を分類

熟語坊主めくりで遊ぶ前にまずは、②で確認したカード一枚一枚が上のどのグループに当てはまるかを確認していきます。

(字が汚くて恐縮ですが)このような紙を机の上に置き、分類していきました。

初めてなので嫌になってもいけないので、カードに分類のヒントとなる記号をみんなでこっそり書き込んでいきました。


そして、それぞれのパターンが「坊主めくり」の何に対応するのかを説明したのち、ゲームの開始です!今回は熟語の数が17個だったので、同じ熟語カード2枚づつ作りました。

⑤ カードを裏向けて積み上げ「坊主めくり」開始!

後は、通常の坊主めくりと同じように遊ぶだけです!
本物の坊主めくり同様、なぜかわからないのですが、「もう一回!」「もう一回!」と大盛り上がり。

取った札は読み上げること、
熟語の仕組みと照らし合わせながら熟語の意味を想像すること
など繰り返しできるのも印象的でした。

⑥ミチムラ式漢字e ブックで書きを確認しながら書きの練習

最後に、今週の補習校の漢字テストの問題で書きの練習をして終わりにしました。

授業はここで終わりですが、終わった後も補習校の宿題で残っているものをすごい集中力で仕上げていく様子も印象的です。

3感想


考えていた時は少し難しいかな?と思っていましたが、熟語を4つのパターンに分類することも「坊主めくり」のためだからなのかみんな真剣に取り組んでくれました。

これから、漢字リズム音読をするときには、今回の分類を使って、熟語の仕組みに楽しく眼を向けていけそうで楽しみです。

「蝉丸」(反対の意味を持つ漢字の組み合わせ)か
「坊主」(似た意味を持つ漢字の組み合わせ)か
「姫」(上の漢字が下の漢字を修飾する組み合わせ)か
「殿」(「〜を」「〜に」にあたる意味の漢字が下にくる組み合わせ)か

「坊主めくり」の力を借りてわくわくしながら次回の学習に繋げていこうと思います!

4今後の課題

漢字を学習するときには音読み、訓読みは意識して取り組んでいましたが、これからは、漢字の持ついくつかの「意味」にも意識を向け、その意味ごとに熟語を提示することをもう少し意識してみようと思いました。

熟語を通して一つ一つの漢字の意味が深まり、
漢字学習を通して熟語が増えていく。
そうすることで、ますます「使える」漢字学習に繋げていけるのではないかと思いました!

後は、テクニカルな課題ですが、Wordwallで使っているのと同じイメージを入れた札ができたらより理解が深まりそうな気がしました。

迎えにきてくださったお母さんの一言が印象的です
「いつも漢字カフェの後はニコニコ顔やわ」
って。漢字の学習がこんなにも楽しくできるなんて、私も道村静江先生の本に出会うまではつゆとも知りませんでした。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

家の近くの浜辺からみれた初日の出


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