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ジャーナリスト・山口敬之氏と大石あきこ衆院議員の名誉毀損裁判において、今回、両方が控訴した件について思ったこと

今回の山口敬之氏による大石あきこ議員相手の名誉毀損裁判に関して、思ったことをツラツラ書いてみる。

山口氏と伊藤詩織氏の事件における自分の見解は、以前、noteに書いたとおり。本稿ではあらためてウダウダ書くことはしない。

東京地裁の判決は、大石議員の事実上の敗訴。ただし、賠償金額は請求のわずか2.5%の22万円で、問題の名誉毀損を訴えたツイート文も「クソ野郎」の文言のみが該当したとされ、大半の(いわく95%)言い分が認められたと大石議員が息巻くことに相成っている。

判決を不服とし、当然のように山口氏は控訴。一方、その「クソ野郎 」という記述は論評であって名誉毀損には当たらず、ツイート削除には応じられないとする大石議員も控訴を表明。裁判は第2ラウンドに入っていく見通しだ。

率直に考えて、「クソ野郎」というのは、裁判的に(公的に)確実に引っ掛かるワードだろう。口論や理不尽な事象などで頭にきた際、感情に任せて言ったり書いたりすることは自分でもあるはずだが、(後々冷静になって)客観的に考えた場合、汚い言葉であるのは間違いない。その意味で、彼女の主張にはまったく乗れない(彼女は大阪出身。橋下徹氏の言動なども鑑みて、大阪特有の悪口の日常性、ありふれた認識? みたいなものを感じ、考えたりも。そう断じると「一緒にすな!」と反論してくる大阪人は多いか)。

そういうわけなのだが、今回、哲学系YouTuber(最近はそういう呼称じゃない?)こと、じゅんちゃんの人気レギュラー動画における「いびつな判決結果はなぜ出たのか?」の回を見て、その見解にすこぶる興味深いものを感じた。

ちなみに彼の動画は、昨年末からの暇空茜氏/Colabo問題に関する解釈の違和感から、自分的にしばらく(半年以上)遠ざかっていたのだが、最近また少しずつ見始めていて、大阪維新の会に関する忌憚のない考察など、共鳴できる内容が多い。今回のこの動画での考察もかなりの部分首肯できた。

彼同様、自分も今回の判決で気になったのが、大石議員の「山口氏は計画的に強姦をおこなった」というツイートを不問にしたこと。これまで、伊藤氏との裁判でもこんな事実認定や文言は見たことがなく(これが事実認定なら完全に刑法抵触の逮捕案件。結果的にそうはなっていない)、自分的には完全アウトな記述に思える。

哲学系YouTuberの彼はこう言う。「山口氏は刑事的責任を問われてる人ではないんですよ。それを残念と思う人も多いかもしれませんけど。(中略)そして、(自分は)刑事的責任が本来ならば問われるべきだと思ってますが、それを不問として社会が回ってる以上、法手続に辻褄を合わせようとすると、むしろ山口さんという人は刑法犯罪を犯していないのに刑法犯罪者だと言った大石あきこが名誉毀損だと言ってもおかしくないわけなんです、その辻褄を合わせようとしたら」

発言をよく読めばわかるように、彼は一貫して、かの事件では伊藤詩織派だ。その点でも自分とは考えが異なるが、それはともかく、その彼をもってしても、今回の判決、および控訴したうえでの結果には、いろいろ複雑な一筋縄ではいかないナニカが感じられる様子。さらなる興味深い展開が生じるのではないか?  といった旨(詳細は動画を視聴)を吐露する。

つまりは、くだんの「計画的強姦」の記述が、次の高裁では思いきり抵触する可能性があるのではないかという予測(賠償金増額の可能性も)。その点、自分もまったく同感だ。

さすがに、彼女の控訴(山口氏の控訴は、まあ、想定していたはず)や「いったん勝利宣言」を見越しての裁判所側の出来レースなんてことはないわけだが、この先、なにかどんでん返しのような事態が待ち受けているような感が拭えない。一つのレールのごとき流れがクッキリ見えるように感じるのは自分だけか。彼女が勢いづき、威勢がよくなればよくなるほど……???

「クソ野郎」のワードは公的に完全アウトだし、現状、山口氏に対して計画的強姦などという物言いは断じてあってはならない。そう考える自分にとっては、彼女の今後の言動含め、裁判の動向からは俄然目が離せないといえる。



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