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大好きなザ・ビートルズのアルバム『リボルバー』収録、ジョンの「ドクター・ロバート」。同曲におけるジョージのバッキング・ヴォーカルについての雑感

自分にとって、ザ・ビートルズの7枚目のアルバム『リボルバー』は、とりわけ思い入れの強いアルバムだ。あくまで個人的嗜好だが、あのロックのごった煮感が大好き。ジョージの作品が3曲入ってる(しかも、うち一曲はA面トップ)バランスもよい。かつて、20年近く前にライターをやっていたパンク雑誌『DOLL』の中の企画コーナーで、「織田祐二が一番好きなアルバム」として挙げたこともある。あとで周りから「パンク雑誌なんだから、フツーにパンクのアルバムを挙げればよかったんじゃねえの」とも言われたが、好きなんだから仕方ない(まあ、いまとなっては、若気のナンタラで融通が利かなかっただけという自覚はある)。

アルバムの中で特に好きな曲がB面4曲目の「ドクター・ロバート」。ジョンらしいシンプルな曲調、構成(中間部はポールが作曲か)、それでいて、アルバムの世界観にしっかりハマった「1966年の空気感を踏まえたサウンド」が絶妙にすばらしく、倦むことがない。ポールのくっきり明瞭なハモリコーラスもかっこよく気持ちいい。

最近、同曲のYouTubeのコメント欄を見ていたら、こんなやりとりが目についた。共に書き手は外国の方(以下は翻訳したもの)。

くだんの中間部の終わり部分だ。自分の中では昔からジョージの歌声が耳にインプットされている。とりあえず、wikiを見てみると……。

ん?   ジョージは演奏のみ?   そんなはずはない。ほかのサイトを見てみると、こうある。

これが正解。確証バイアスではない。自分はあの力作にして名著『ビートルズ・レコーディング・セッション』の「ドクター・ロバート」のくだりで確認したし、西荻のロック・バー『ビッチ』の店主にして大のビートルズ・マニアのN氏とそのあたり(『リボルバー』のすばらしさ。特に本作におけるジョージの成長、仕事ぶりについて)、聴きながら細かく語り合ったこともあった。いや、実際聴けばわかる。

その名著。部屋を探したが出てこない(苦笑)。自分が買ったのは1991年(初期版)。当時住んでいた静岡県藤枝市の本屋で購入


話を戻すと、くだんの「ファイン」の部分。あらためてYouTubeの一曲を注意深く聴いてみると(大好きと言いながら、現在『リボルバー』は我が手元にない。35年くらい聴いておおまかには頭に入っている)、最初の箇所はジョージ、次のそれはジョンの声が際立った印象。うーん、そうだったか。そうだったっけ。自分の中では(学生時代から部屋で聴くときはヘッドフォン、イヤホン派)ずっと両方ジョージの印象が強かった。

もう一曲、別のヴァージョンを聴いたら、ジョンとジョージの印象は逆だった(本稿では、それぞれYouTubeの音は上げず。各自で確認を)。

結論としては、前述の外国人は両方正しいという。周知のように、ビートルズは盤(イギリス盤、アメリカ盤、その他外国盤、及びMIX違い)によって微妙に音が異なるので、容易に答えは出せない。いろんな正解があるのだろう。

ただし、自分の中での正解は80年代半ば、10代のときに北海道苫小牧市のレコード屋(確か、長崎屋内のショップ)で買った日本盤LP『リボルバー』の「ドクター・ロバート」だ。

いや、あらためて10代に記憶を呼びおこすと、厳密な意味で一番聴いたのは、苫小牧高専の学生寮にいた時分、ビートルズ好きの友人が買ったモノラル版CDをダビングしたカセットテープだったかもしれない。

あの盤とあのテープで、再度聴いてみたい。

『リボルバー』の裏ジャケ。全員サングラス。そのサングラス姿がかっちょよく印象的な『レイン』のPVは大好きな映像
80年代半ばにアメリカで売れていたブロウ・モンキーズ。ヴォーカル(写真)の名前がドクター・ロバートだった

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