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天の川の向こうでは

今日は七夕です。織姫と彦星は、心待ちにしていた逢瀬を果たすはずでした。それなのにあいにくの雨が降り始め、天の川が氾濫し、織姫と彦星は思いがけず会えなくなってしまったのです。心を痛める二人の様子を見て、周囲(まわり)の人たちもたいそう気の毒がっていました。

織姫は、天の川の向こう側にいる彦星を待ち続け、一刻も早く雨が降り止みますようにと祈りながら、過ごしていました。ですが、とうとう雨はやまず、朝日が昇る頃には、織姫は自分の家に戻るしかなすすべがありませんでした。彼女は深い悲しみに暮れていました。

彦星もまた、気が気ではありませんでした。彼は、雨の中を織姫のいる場所に向かっていましたが、川が氾濫してしまったため、途中から、進むことができなくなってしまったのです。彦星は、深い悲しみと無念さに包まれながら、織姫と会えなかったことを、心から嘆き悲しんでいました。

しかし、織姫と彦星の愛は、永遠に変わることはありません。天帝から許された、一年に一度きりの逢瀬。この美しい愛の物語は、世代から世代へと語り継がれ、相思相愛の恋人たちとして、最も有名なカップルとなりました。

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