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学園案内のはじまり

学園案内の製作がはじまり、少しずつ進んでいく中で、担任教師である健吾先生がたくさんの素敵な絵とことばを、わたしたちにもたらしてくれました。
紙面のスペースの都合上、載せられなかった「ことばたち」を二回に分けてご紹介します。

鳥うたう森で
春には明るい風がふき、草花たちがひらく。夏にはみどりが茂り、お庭には焚火が燃える。秋にはどんぐりが落ちて、落ち葉のじゅうたんになる。冬には雪がふって、白い森は息をひそめる。四季のめぐりを感じながら、こどもたちは自然のなかで育まれていく。鳥うたう森で、世界のリズムといっしょになって。

「鳥うたう森に こどもたちの歌声が 響いている」


手をとりあって
ひとつのものに心をこめて、自分たちの手でつくろう。風にゆれる教室のカーテンも、こどもたちが見つめる黒板も、私たちの手によってつくられた。手づくりのものから生まれる温もりが、ここにはたしかに息づいている。好きなこと・得意なことを生かして、できることをつみ重ね、私たちの場所をつくっていこう。これからも、ここに集うひとたちの思いがひと雫となり、行いをとおして学園に注がれていきますように。

「大人たちが 手と手を合わせて
力を生かして 共に つくり続ける場所 」

授業と心をひとつにして
育つみどりのようなカリキュラムは色にあふれ、音が聞こえて、生命に満たされている。食べてみたら、きっと美味しいのだろう。こどもたちはまるで栄養を受けとるように、授業中もすくすくと成長していく。
カリキュラムはいつも育ちゆくこどものそばにあり、世界をひとつひとつ照らしてくれる。そうして人と出会うように、学ぶものと出会っていく。いちど出会ったら友人になって、こどもたちは世界と親しく関わろうとする。大切なひとのことを分かっていくように、世界を深く知っていくことができたら、それはどんなに平和ですばらしいことだろう。
こどもの成長に寄りそって、励まし、勇気をくれるカリキュラムは、こどもたちが夢見るときには、“むかしむかし、あるところに………”から始まるフェアリーテールを語ってくれる。この地上へ踏み出だそうとするときには、ときめきを忘れないで、おどろくような世界の秘密をときあかそう。ものごとをしっかりと考えたいときには、堅いクルミのような思考があたえられ、こどもたちは学ぶことへの希求を高めていく。
むくむくと、湧きあがるおもしろさと共に、こどもたちは授業と心をひとつにして、喜びをもって新しい学びへ向かう。種から芽を出したみどりがお日さまに向かうように、しっとりと、はずみながら。葉っぱを広げて、やがて果実をつけていく生命のように、純真に、生き生きと。

「色が語りかけてくる 世界の気持ち 色が育む 生き生きとした気持ち」
「むかしあるところに . . . から始まる授業 こどもたちは 耳を澄ませていく」


絵とことば(引用・括弧書き部分):片平 健吾
おひさまの丘 宮城シュタイナー学園 担任教師



掲載担当:専科 藤原


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