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いなり的パウパー青緑感染録

初めましての方もそうで無い方もこんにちんちむ。
吉田おいなりと申します。

私にはMTG意外にも趣味がいくつかあり、その一つが車である。

愛車はスズキジムニーJB23四型である。

わたしです

現在のものは二台目であり、一台目はフレームがもげて死亡した。
ちなみに二台目もエンジンが焼き付いたため載せ替えた。

このジムニーで荒地を走るのが好きなのだ。
ちなみに私の車遊びのユニフォームはオーバーオールである。

山奥の林道や川沿いの湿地帯などをドロドロになりながら走るのは、正しく冒険といった感覚を気軽に得られ、空き地の草むらを走り回った幼少期に戻ったような気持ちになる。
キャンプ(野宿)が好きなのも同じような理由だ。

だが、このお手軽冒険ドライビングに一つ問題点がある。

私は車遊びをする際の行き先は当然荒野、当然トイレなどは用意されていない。

ここまで書けば勘の良い諸君はもう気付いているだろう。

人間も所詮は動物。

便意には勝てないのである。

楽しいアドベンチャーがほんの一筋の便意によってサバイバルとなる。

野か!?
車にスコップは積んである!!

いや、私は文明人だ。
動物の本能に打ち勝って見せる。

刻一刻と迫るタイムリミット。
行手を阻む切り立った岩や崩れた路面。
揺れる車体が腸を刺激する。

もってくれよ、俺の体。

ついに荒野を抜けた。

コンビニ等公共のトイレスペースを探す。

あった!

急いで車を止めトイレへ駆け込む。

すると新たな問題が。

私は車遊びをする際、オーバーオールを着ているのだ。

ましてこの時期、上着を羽織っている。

扉を開け上着を脱ぐ。
オーバーオールも脱ぐ。
パンツを下ろす。
これらの動作を速やかに行わなければならない。

果たして間に合うのか…!!


続く






嘘だ。続かない。

普通に間に合った。
本当だ。
決して嘘では無い。

とりあえずみんなアウトドアレジャーをする時はマジで便意に気をつけろよ!
念の為スコップとティッシュは用意だぞ!


という訳で、今回は私が如何にしてTC東京パウパー界隈にて感染のおいなりと認識されるようになり、現在に至るかを書いて行こうと思う。

特に学ぶべき事は書けないが、暇つぶしの為の読み物くらいの気持ちで読んで頂ければ幸いである。


出会い
〜シャブストーリーは突然に

まずは私のパウパー歴の話から始めたい。

タルキール龍紀伝からMTGを始めた私は一度離れるまではスタンダードをやっていた。

イコリアがスタン落ちしたあたりで、生活環境の変化により統率者デッキを一つだけ残しMTGから離れる。

わたしです

一昨年の秋ごろ、生活が少し落ち着いたため、何となくの統率者のイベントに出た事からMTG復帰を考え始めた。

やるならば何のフォーマットか。

30代も半ばになってくると趣味を中断しなければならない事情など少なくは無いだろう。
またMTGから離れる状況がある事を考えると、ローテーションのあるスタンダードや、ホライゾンの環境破壊があるモダンは厳しい。

わたしです

ならばレガシーか。
資産面ですぐに始めるのは難しいな。


パウパーはどうなんだろうか。
プレイ人口はどうなのか。
イベントのスパンは。

調べた所、TC東京ならば自宅から1時間と少し、週に一度はイベント出られそうだ。

と言う訳で詳しい事は全くわからないがデッキを組んでみよう。
環境もプレイアブルなカードもわからないまま、強くて面白そうなデッキを探し、《ファラジの考古学者》が参入したばかりの青黒テラーを組んだ。

わたしです

気が向いたら今日にでも75枚揃えられて、明日にでも大会出られるのはパウパーならではの魅力だよね。

デッキがあるなら後は回すのみ。
とTC東京のFNMパウパーへ向かった。

ちなみに現在私と関わりのあるTCパウパー民の一人、にしむー氏はこの時が初対面だ。
思えばもう一年以上の付き合いになるのか。

あの時はまだ猫をかぶっていたような気がする。
お互いに。

板前氏、乃むら氏、ツナ氏あたりもこのくらいの時期に知り合ったかな。

私は基本的にパウパーで遊べるならばそれで満足なので、みんな仲良くワイワイ〜みたいな事はあまり考えていないのだが、それでもTCに行けば誰かしら知っている人がいて何となく下らない話をしながら遊べるのは有難い限りだ。

それはさておきこのフォーマット楽しいな。
ずっと続けられそうだ。

と言う事で後日秋葉原のアメニティードリームにてコモンストレージを漁っていた。

そこにヤツはいた。

当然《ぎらつかせのエルフ》だ。

わたしです


これが最初の濃厚接触である。

あの1マナ1/1フレンチバニラがあまりにもギラついていた為その場でパウパー感染のレシピを調べ、当日中に75枚を揃えた。

ちなみに緑単ではなく青緑にした理由は、なんとなくその方がカッコいい気がしたからだ。

吉田おいなりと言う男は30代後半になっても少年なのだ。

わたしです

はじめての感染

そんなこんなで青緑感染を組んだ。
組んだならば回すのみ。

「うわっ、感染かぁ〜…」
対戦相手がそう言うたびに一種の快感を覚える。
今でもそうだ。

使い始めて2〜3週くらいの3Rイベントでうっかり3-0を果たした。

た確かこれがテンプレ的なレシピだったと思うが、今見ると隙だらけな様に思う。

とは言えテンプレートにはテンプレートたる所以があると思うので、このインスタント連打による奇襲性の高さと、結界式の固さを上手く調和させられないかとは今も考えている。

話が少し逸れたが、比較的スローゲームの多いパウパーにて例外的なリーサル速度を叩き出す感染は、特異かつ魅力的な存在だと私には思えた。

元来一つのデッキを磨き上げるのが好きな性分であるため、パウパー参入から2ヶ月も経たない内に「感染の者、吉田おいなり」と言った具合の立ち位置に収まっていた様に思う。

感染調整記

感染なんてそうそうマッチングするデッキでは無いため、最初の内はイージーウィンを取りやすかったが、手の内が割れてくるとそう簡単な話では無くなってくる。

そのため色々と追加出来るギミックを考えた。

これは角とうふ氏が見出したステッカーギミックと完全なる統一にて大量に追加された増殖ギミックを積んだ型である。

何故かアーキタイプが増殖コントロールになっているが感染である。

《Finishing move》の攻めの力は素晴らしかった。

わたしです

ステッカー採択をパワー一辺倒にすることにより、殆どの場合5/1ステッカーが貼れる。
2T目《Embiggen》により5点、3T目《Finishing move》により除去をしつつ5点。
文字通り必殺技だった。

稀にパワー4のステッカーしか貼れない場合もあるが、そこは《実験的占い》による増殖にてゲームエンドに持ち込める。
そうでなくても手札を整えられる。

これは好感触だと思った。

この辺りで青緑感染の大きな矛盾点に一つ気付く。

《水蓮の花びら》は必要なのか?

わたしです

このカードの役割は以下の2点である。

①2マナクリーチャーの早期展開
②早期ワンショットの為のマナ捻出

常に構え続ける立ち回りを意識し始めた時期だった為、①による1T目展開は基本的にNGプレイだと言う考えと、使い捨てのマナ源に手札を消耗するため、相手目線で考えた際に除去を躱されるリスクが少ない事から有用性が低い様に感じ始めた。

②に関しても、そもそもマナを出す為に手札と枠を消耗しているのだから、ワンショット成功の可能性を自ら狭めている様に感じた。

このカードはワンショット、継続ビート、どちらの面からも感染と相性が悪いのでは無いか。

そう考えて抜いてみる事にした。

特に問題はなかった様だ。

しかしまたしても増殖コントロール扱いされている。
コントロールの定義とは一体。

そう言った具合に感染の構築的矛盾を解決する様意識ていった。

そう言った具合に調整を続けていった。

そしてパウパー界の一大イベントを迎える。

Pauper Summit Cup3と挫折

7R1-6。

惨敗である。

落ち込んだ。

デッキパワー的に無理があったか。
そう思った。

この時点でパウパー参入から7〜8ヶ月程度、思えば感染以外に手垢に塗れる程に使い込んだデッキが無い。

ならばデッキの選択肢として十分に成立させるべくtier上位を使い込むべきかと思った。

と言う訳で青黒テラーを握り直した。

わたしです

しかし思う様に扱えない。
感染しか握ってなかったため当然である。

デッキパワーとは相反して成績は振るわず。

今思えば意識はしていなかったがしんどかったのだろう。

そんな時にのびた氏から、やっぱポイズンだろと言った旨のリプライが来た。

まだお前は感染をやり切って無いぞ。

そう言ったメッセージが込められている様に感じた。
実際にそんな感じの事を言っていた様な気もする。

のびた氏は歯に衣着せぬ言葉の豪速球をぶん投げて来る様な所があるのだが、彼の言葉には嘘がない様に感じる。

良いも悪いも思った事をそのままぶつけてくれる様な所は彼の魅力だと思う。

感染

そう言う訳で感染を握りFNMへ。

わたしです

キツい。

除去を躱し切れない。

アタックが通らない。

苦しい。

楽しい。

やはり私のデッキは感染だ。

もっとやれる。

今より強い構築をしたい。

このデッキをもっと強く使いたい。

そう思った。

きっとこの時私は既に“感染”していたのだろう。

遅効性の毒

私は青緑感染の全てを掘り尽くすまで擦ってやろうと決めた。
75枚全てに明確な役割を探し、弱い枠は差し替えるカードを探した。

しかし有用性の高い物は見つからない。

青緑感染のテンプレリストは既に最適化していたのだろう。

ワンショット特化という形では。

わたしです

そこに気づいた私はこれまでの勝ったゲーム、負けたゲームを振り返る。

ワンショットで勝ったゲームよりも継続ビートで勝ったゲームの方が多い。

また、ワンショットを狙い、失敗の末負けるゲームも多かった。

これが俺の感染の軸だ。

相手はワンショットのタイミングを狙い、手札を吐き尽くした時に除去を当てて来る。

ならば話は簡単だ。
ワンショットは狙わず、手札を温存しながら攻め続けたら良い。

いなり式感染術誕生の瞬間だ。

そうこうしている内に晴れる屋千葉店がオープンした。

私は千葉県民であるため遠くもないし行ってみよう。

なんかサラッと3-0した。

晴れる屋千葉店で最初にパウパー3-0したのは私だ。

「俺の知ってる感染の動きじゃない。」そう言われ気分は最高だった。

《遺物の咆哮》

そうこうしている間に失われし洞窟が発売。
青緑感染に革命が起きたかに思われた。

わたしです

《遺物の咆哮》《Embiggen》とのコンボにより2枚ルートのワンショットが生まれた。

無論4枚積んで試してみる。
《稲妻》を耐えられない事には目を瞑った。

可もなく不可もなくだった。
ワンショットを狙わない都合上、《稲妻》に耐えられない札は極力入れたくない。
最初から見えていた印象と大差無かった。

これは少しずつ採用枚数が減っていき、最終的にはデッキから消えていくような気がする。

結局、革新的なカードは見つからず、ひたすらプレイの精度向上に勤しんだ。

そうこうしている内に年も明ける。
今年はもっと規模の大きい大会に積極的に出ようと決めた。

結界式感染の誕生

早速1/14開催のいしかじ杯パウパーに申し込んだ。

この時期おせんたくやさんの仕事が忙しく、なかなかプレイする機会が無くもどかしかった。

プレイの機会が少ないのならば構築を詰めようとまだ試していないカードをひたすら探した。

あった。

わたしです

《茨の盾》
緑単感染において良く見られるカードである。
再録も無く安価なカードである為、流動性が低くなかなか手に入らなかったが、重い腰を上げ何とか3枚確保した。

いしかじ杯前々日、私は休みだったが平日であった為なかなか練習相手が見つからなかったが何とかマン氏を拉致する事に成功。

5時間程通しで互いの手札を見せ合いながら討論しつつ調整した。

出来た。

ワンショット失敗だけでは終わらない、じわじわと相手を蝕む毒の感染。

オーラによる継戦能力に特化した結界式感染誕生の瞬間である。

調整後、17時、20時と続けて3Rイベントに参加し、最終テストとサイドボードの調整をする。

行ける。

パウパーにて最強の感染が生まれた。

そう言った手応えがあった。

いしかじ杯が楽しみでならない。

いしかじ杯

遂に当日。
高まるテンションをそのままに会場へと車を走らせる

わたしです

コインパーキングに車を停め、会場へと歩いている最中、道端に黒い塊があるのに気づいた。

カラスだ。

死んでいるのかと思い注意深く観察したが、どうやら生きているようだ。

つついたりしてみたが何故か動かない。
怪我をしている様でもないのだが。

このままだと車に轢かれそうなので歩道に移動してあげた。

可愛いので連れて帰りたかった。

そんなこんなでいしかじ杯開戦。

・1R カルドーサレッド
LL 敗北

初戦を落とすのはかなり痛い。
もう負けられない。

・2R ジャンド続唱
WW 勝利

なんとか繋いだ。
相手の方は対感染は不慣れだったのか、私の調整とプレイがキレていたのか驚くほど早くゲームが終わった。

・3R 白青ゲート
WW 勝利

うっすらと感じていた有利マッチなのでは、と言う思いがここで確信に変わる。
相手の方には何度も「俺の知ってる感染と違う!」と褒めて頂いて最高に気持ちよかった。

・4R バントゲート
LWW 勝利

1G目でほぼ青白ゲートと同じ構築だと感じた為、早いターンからガツガツと展開し、攻めさせる隙を断つ事により勝利した。

・5R ステッカーカルドーサ
ID

2R目以降を全て取っておいて良かった。
ここでID取れなきゃキツいマッチアップだった。

ちなみに初のIDである。

と言う事でスイスラウンド8位でSE進出。

スイス抜けも初である。

嬉しかった。

誰もが地雷デッキとして扱い、真剣に調整されて来なかった感染でもスイスラウンドを抜けられる。

これまでの積み上げてきたものが報われたと思った。

コモンカードのみという都合上、一枚で劣勢を全て覆すカードが存在しないため、これまでやって来た事が結果に繋がりやすいのもパウパーフォーマットの魅力だと思う。

さぁ、決勝ラウンドはこれからだ。
気を引き締めてプレイしよう。

・決勝1R 青白親和

マッチアップ不明だったが、あちら先手1T目《剃刀潮の橋》タップイン《はばたき飛行機械》からきらきら親和と判明。

スピード勝負か、速効性をギリギリまで削った結界式には厳しい対面だ。

《Embiggen》により5点を取るも《きらきらするすべて》の付いたフライヤーを止められず一本目を落とす。

二本目は10点を削られるも《荒廃の工作員》の二度の攻撃により勝利。

三本目ゲームも中盤、こちらには《荒廃の工作員》、手札には《定業》《Embiggen》。
こちらのライフは残り12。

あちらには《金属カエル》《マイアの処罰者》

ここで決めなければ勝ちの目は無いだろう。

《Embiggen》が通れば勝ち。
通らなければ負けだ。

あちらは構造上、多くの除去は取れないはずだ。
ごちゃごちゃ考えずに殴れ。

攻撃宣言、《Embiggen》キャスト。

通った。

しかし《邪悪を打ち砕く》。

わたしです

堕ちる《荒廃の工作員》

第二メイン、力無く《定業》を唱える。

あった。

《蛇皮のヴェール》だ。

自分は何と怠慢さと傲慢さに満ちたプレイをしていたのだろうと思った。

やむ無く2枚を下に送る。

ドロー、《乾き根》。

もう一枚《渇き根》を引き込めば行ける。

ターンを渡し吹けば消える様な勝機を待った。

6点受け残ライフ6。

なんとか生き延びた。

ターンをもらいドロー。

《定業》。

即キャスト。

あった。《渇き根》

ここで2枚通れば勝ちだ。

《呪文貫き》

負けました。

その五文字を何とか発し、倒れる様に卓に伏す。

悔しかった。
本当に悔しかった。

負けるのはある程度仕方のない事だ。

自分が勝つ為に構築やプレイの精度を磨いて来た様に、相手もまた切磋琢磨して来ているのだ。

勝って当然なんて事はある訳が無い。

しかし私は私自身の傲慢と怠慢に負けた。

この悔しさは一生忘れないかも知れない。

私のいしかじ杯は幕を閉じた。

それからとこれから

自らのミスにより負けたとは言え、パウパー界では有名なタイトル戦でトップ8だ。
地雷デッキとしてしか見られていなかった感染で。

多少は誇っても叱られはしないだろう。

これがきっかけで以前から少し考えていた解説記事を書いた。

たくさんの影響力のある方々にリポストしてもらい、たくさんの方に読んで頂いた。

TCでプレイしていると「もしかして感染の記事書いてましたか?」「記事拝見しました。」「面白そうなので組んでみたいと思います。」と言われる事もしばしば。

有難い限りだ。
こんな意固地になって同じデッキを擦り続けている中年男に。

その後は何故かLet’s5パウパーで全ストレート5-0したり、ツナ氏のパウパーマニアに出たりしたがその辺りは以前書いたので、興味があればそちらをご覧頂きたい。

さて、来週には日本一のパウパータイトル戦、神挑戦者決定戦がある。

正直な話、情けないのだが現在負け続きで自信は全く無いが、上述の私の記事の反響について書いたら少しだけ元気が出て来た。

素晴らしい自家発電である。

もちろん今も私が一番感染を強く組め、私が感染を一番強く使えると信じているのでやれる事はしっかりやりきろうと思う。

終わったら参戦記事を書くので、期待しないで待っていて欲しい。

私はこんな偉そうな文体で書いてるくせにプレッシャーに弱いからね。

文体くらいは堂々としてなければ、読者の方も半信半疑で読まなければならないからね。

あとがき

正直な話をすると、この記事テーマは所詮ただの自分語りであり、誰の学びにもならない為、モチベーションが全く上がらなかったのだが記事を書く事は続けたい為、変な話ではあるが渋々書いていた節がある。

しかしここまで書いてやっぱりこのテーマにして良かったなと思っている。

過去の自分から勇気を貰えている。

ここまで続けて来た。
だからきっとこれからも続けていける。と。

重ね重ねではあるが素晴らしい自家発電だ。

まぁとりあえず神決終わったら新型感染を開発しようと思っているので気長に待ってて下さいな。

わたしです

それはさておきこのラーメン、美味かった事だけは覚えてるんだけど、どこの店だか忘れちゃった。

誰かわかる人おる?

吉田おいなり

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