年齢だけが人生経験だとは思わない。
昔、年齢の高さでマウントを取られたことがある。
歳上のお姉さんに。
「28年も生きていますからね。人生経験も色々と豊富なのよ。」
フフン。と聞こえてきそうなドヤ顔で発されたその言葉は他の人に向けられた会話の一部だったけれど、言葉と目線は、明らかにその場に一緒にいた私に向いていた。
大学を軸に過ごしていた私にとって日常生活で28歳の年齢の方と関わることもほとんどなかったので、いわゆる普通の28歳がどれくらいの人生の深みを持っているかよく分かりはしない。
けれど当時20歳の小娘だった私にとってその言葉は衝撃だったし、事実とも取れたのだ。
本当に会話の中の一瞬の出来事だったのに、今でもふとした時に歳を重ねた分人生経験も豊富なのよ、と名前も忘れてしまった彼女が頭の中で囁く。
自分の無力感や人生の薄さを感じた時なんか、特に。
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あの一言に衝撃を受けて、4年。
現在24歳。
言葉を放った彼女の年齢までも4年と、折り返し地点まで来てしまった。
最近では歳上の素敵なお姉様方と仲良くなり遊んだりすることも多くなったけれど、その時にもふと、私も数年後この方のように人生経験も豊富になっているのだろうか。今の薄っぺらい自分のまま歳だけ食ってたらどうしよう。なんて、たまに思うこともある。
◆
そんなことを考えているうちに、人生経験って何だ...?とよく分からなくなってきた。
ただ物事を経験するだけでは「経験」の一言で終わってしまう。
あくまでも「人生」経験なのだから、人生にも関係していなければならないのか。
学校を卒業、社会人になる、結婚、出産、老後...
それらは人生も経験も関係しているけれど、私が考える意味での人生経験とは違う気がする。なんていうか、ライフステージ??
と、ここまでぐだぐだ書いている時にふと頭に浮かんだことがある。
人生経験ってパレットの上の色みたいだな、と。
何かを選び、経験して、どんどん自分の考えと混ぜていく。自分の世界の色を濃くしていく。
それはパレットの上で色を選んで混ぜて、色を作っていくことと似ている。
うまくは言えないけど、ただ経験するだけじゃなくて自分の考えや思想にも影響して、どんどん変わっていくことが人生経験の一つの捉え方なのかもしれない。
だから、年齢だけが人生経験ではない。
私より歳下でも人生経験が豊富で尊敬できる人はたくさんいる。
というか、年齢って生きてきた年数のことだよな。
それをドヤ顔で人生経験っていうような28歳には私はなりたくないな、なんて今の私なら思える。
あと4年、「この行動は自分の人生にどのような影響を与えるのか」を頭の片隅にでも置いて、生きてみよう。
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当時の私は彼女に何も言い返せなかったけど今ならできる、反論。
まだまだ小娘なんですけれどもね。
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