【対談】黙劇 × もちだころ 「絵について。」（後編）(4)　これから何を描いていきたい？

［　黙劇　］　漫画「sister.」、詩集企画「sea.」など
［　もちだころ　］　地元漫画「まつかぜ」、同人誌表紙など

横浜のとあるアメリカンダイナーにて、ビールを飲みながら、、

＊前半はこちらから（黙劇さんブログ）から読めます。

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これから何を描いていきたい？

も: 私はなんか無職になるし(笑)ちょっと時間あるなと思って、今まで情景を描いてるみたいなのが多いので、なんかこうキャラが動いて物語になってくみたいな、漫画らしい漫画を描こうかなとおもったんだけど、あんまり上手く行かなくて。前はけっこう、もっとずっと昔はなんですけど、言いたいことを描いていこうみたいな感じだったんだけれど。なんか今はそういうモチベーションよりは、ずっと描くのが続けばいいな、みたいな感じだから、その時手が動くものを描いていけば続いていくだろうと思ってて。多摩川のことは漫画なり、もうちょっと別の形かもしれないですけど、何か作品を作れればいいなと思っているのと、何年か前に描けなくて没にしたネタで一個描きたいなと思っているのがあるので、それかなーと思ってますね。

黙劇さんは？

黙: さっきの、ウルトラマンセブンとセーラームーンを足して二で割ったような、ちょっとＳＦちっくな。

も: いいですね～。

黙: 『殺菌少女アルコ』っていうんですけど。

も: あ、それが、そうなの

黙: 今40ページくらい描けてるんですけど、なんか100ページ行くなーという感じなんで。

も: めっちゃ描いてる(笑)

黙: とりあえず40ページくらいまでいって、今車で拉致られたところまで行ったんで、これは全然、あと半分はいくなーって。ツイートは消しちゃったんですけど、アルコっていう子が、アルコールが定期的に散布される街でそのアルコールとウイルスに対抗するために作られた人造人間で、そのアルコが施設から逃げ出してきて、その施設の派遣として働く人が出会って、どしたの？みたいな。ところから始まる、、、まあどうなっちゃんだろうね。

も: ドタバタがあるんですね(笑)

黙: ドタバタ(笑)

も: 今のところセーラームーンとウルトラマンセブンの要素がどこに入ってるのかがわからなかったんですが。

黙: ＳＦのちょっとぶっ飛んだ設定のところはウルトラマンセブンの特撮でそういうのあるよねみたいな。てところと、セーラームーン的なかわいい戦士的な人が出てくるってところかな。

も: たのしみですね。そうか、すごい大作ですね。100ページ。

黙: それを今年の秋…。無理だなー、冬コミで出せたらいいなー。

も: しかもそれが終わっても、どんどんまだ描きたいものが、、

黙: 実はその次もありまして、、
この間ちょっと一枚絵でラクガキを出したんですけど。短いんですけど。食パンに出会うパン好きの外国の帰国子女の話。

も: それまたちょっと、毛色が違う感じですね(笑)

黙: 最初、「ジャパン ノ ショクパン オイシイヨー」みたいな感じで始まるんですけど(笑)でもちょっとね、震災の話を絡めようと、、

も: すみません、話戻しちゃいますけど、『アルコ』は別にコロナに触発されたってわけではないんですか？

黙: まあ、アルコールを使うっていうか、みんなアルコールシュパシュパやってるじゃないですか。あれどこに行ってるんだろう、っていう。で着想を得て、アルコールの人造人間が居たら面白いかなー、でもそれなんかウルトラセブンに出てきそうっていう話。

も: いいなー、なんていうか、そういう描きたい何かがいっぱい出てくるのが羨ましい。

黙: いやもう、なんでも物語になると思いますよ。
あとはもうどれだけ広げるかっていうか。どれだけどんな要素を引っ付けていくかみたいな感じかな。あとは順番とか、次に何をくっつけていくかとか、物語の枝葉みたいなのは、大枠は決めますけど、実際描いてるときは、もう、かっこいい言い方をすると、もう勝手に動くっていうか、動くのをどう表現としてまとめていくかみたいな感じ。こういうシーンこういう時にお姉さんはどういう表情するだろうかとか、妹さんはどういう表情になるんだろうかとか、っていうのを組み込んでいく感じ。

も: ふーん。やっぱり人駆動なところも。人、だよな。

黙: まあ、私はそう。

も: そこが悩みどころなんですよね。

黙: もしその、漫画で描きたい主人公がモヤモヤっとこういう感じだと思ったら、その人が次にどんな行動をとるのかっていうのを妄想すれば描ける。動いていくんでそいつ。頭んなかでそいつが。

も: 設定をね、ある程度考えて。

黙: 自分が想像してたよりも、あ、そっちに行っちゃう、みたいな時もあるかもしれないし、それはそれで面白いと思う。

も: そうかー。いつかなんか人間劇も描いてみたい(笑)
よく見ると人間劇は全然描いてないんですよ。
学生のときとかもうちょっとストーリー的なやつを描いてたんですけど。まあちょっとそこからだいぶ外れてきたので。またもうちょっと漫画っぽいものも描いてみたいなというのはあるんですけどね。

黙: 良いと思います。
＜『生垣にパスタ』の『土器のように』をみながら＞
いやーこの土器くんもちょっとまた描いて欲しいですけどね(笑)

も: いやいやいや(笑)
確かにでも戦いそうですよね(笑)アルコと戦ってもいいですか(笑)

黙: いや、アルコ、、アルコは生意気な女子高校生っていう設定なので、、めちゃくちゃ生意気だと思う、、

も: パンチで割ってきますかね(笑)

黙: まあまあまあまあ。土器くんなのか土器ちゃんなのかわかりませんけど。

も: 確かにキャラにはなってる。そこから何かしてもいいわけですもんね。彷徨いつつ何かしてもいいかもしれない。