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ミュージカル「ベートーベン先生の曖昧日記」 vol.2 なぜベートーベン?

新作「ベートーベン先生の曖昧日記」

なぜ、今、ベートーベンなのか。

もともと、去年がベートーベン生誕250周年の年だったんですね。
多くの催しがされて、しかしながら、世界的パンデミックの影響でお蔵入りの作品も多かったと聞きます。
「曖昧日記」(以下このように表記します笑)も、そのひとつ?
というわけではなく、もともと教育目的で音大での公演を考えていたんです。
ですが、諸事情から教育機関の手を離れ、実際に新作ミュージカルとして、世に出ていくことになりました。

ベートーベンと言えば「第九」。音大では必須学習内容ですよね。日本の音楽教育で、ベートーベンというものは切っても切れない存在です。
それ故に、天才音楽家としてのベートーベン像を壊したい!!というのが正直な動機です。

今回は、児島秀樹さんの台本をもとに、
丸山さんと小生のアイデアで「みっともなくも愛らしい天才のおじさん」を「愛すべき周囲のキャラクターたち」によって描き出そうと製作いたしました。

ベートーベンの周りには、本当にたくさんの「愛すべきキャラクター」がいます。
愛弟子として死ぬまで先生のことを思い、「曖昧日記」を書き上げたフェルディナント・リースや、
師匠の才能をいち早く吸収して、その明るさと活力で周囲を驚かせた幼いカール・ツェルニー。
自由恋愛に憧れ、だらしない男に惚れこんでは、その歳の差や愛の形に苦悩したジュリエッタ・グイチャルディ、
若い頃から見守ってくれていた親友や家族、親戚。
彼は「愛されていたんだ」と最後に気づくまで、己の不器用さに足掻き続けました。

そしてやはり、フランス革命戦争による、
時代の変わり目。暮らしの変化。
今、自分たちの生きるパンデミック社会に、何か繋がるものがあるのではないか。
こんな「ご時世」に、苦しみながらも、前を向いて、がむしゃらに生きていく。そんな姿を映し出せるのではないか。
そう思い、膨大な作品を仕上げてしまいました(おかげさまで非常に長くなってしまいました)。

また、この辺りのことは、作品として解説していければと思います。

今回はこのくらいで。

寒くなってまいりました。
ご自愛くださいませ。

いさおうぎ

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