アケコン改造のすゝめ:ファイティングエッジ刃のレバー・ボタンを三和電子製に交換した話
Introduction ※レバー・ボタン交換の参考にしたくてこの記事を開いた人は飛ばしていいです
どうも、格ゲーマーの大萩おはぎです。
格ゲー歴はだいたい15年くらいになりますか、『アルカナハート3』からゲーセンデビューしてそれからは中野TRFで『カオスブレイカー』をやりこみ……おっと、自分語りを始めてしまうところでした。それは本題じゃなくて。
ゲーセンで育ったぼくにとって格ゲーはレバーとボタンでプレイするもの。家庭用は練習用であり、本番はゲーセンでの大会という認識になります。
故に、家庭用でもアーケードコントローラー(以下、アケコン)を使用し続けています。
そして近年、『ストリートファイター6』(以下、スト6)が発売され、ゲーセンおじさんだったぼくも本格的に家庭用格ゲーデビューすることになりました。
スト6発売以降、圧倒的に出番が増えたアケコンの消耗も早まり、現在ではレバーの反応が鈍くて困っています。
そういうわけで今回はアケコンのレバーとボタンを交換してみた、というnoteになります。
ではさっそく今回の主役にしてぼくの愛機、HORI”ファイティングエッジ刃”の姿をお見せしましょう。
製品ページ: https://hori.jp/products/p4/fe4/
”ファイティングエッジ刃”は一昔前の検証では遅延が最も小さく最速の市販アケコンと言われていました。
今はPS5対応の新型アケコンなどが多数登場してどうなっているかはわかりませんが、PS4時代では最強のアケコンであったことは間違いありません。
とはいえ問題は性能ではありません。
見てくださいよ、この面構え。
そう、直線を多用したシンプルなデザインとフラットなアルミ天板。黒とシルバーで統一された色使い。
図体のデカさと重さは持ち運ぶ際にはデメリットになりますが、裏面の大きな滑り止めとあいまって膝置き・机置き共に抜群の安定感を生み出しています。
一言で言うとカッコイイんですよこの子は(親バカ)!!!!!
格ゲーマーにとっては、異性の手を握っている時間よりもレバーを握っている時間のほうが長いんです。
発達心理学において、身体的接触が対象との愛着を育むという話がありますが、そういう意味ではぼくにとってアケコンは家族みたいなモノです。
そもそも女の子と手を繋いだこととかないんですけどね……ヘヘ……。
そういうわけで、愛着が多分に湧いている相棒(レバーだけに相”棒”ってね)を末永く使いたい。
そのために、アケコンの自分でメンテナンスできるようになっておきたかったわけです。
本編:いざ、アケコン改造!
1.まずはパーツの選定から
「レバーとボタンを交換するって言っても何を買えばいいの? どこで買えるの?」
そんな疑問を抱いている方もいるかもしれないので、基本情報から入りましょう。
https://attasa.shop/html/page11.html
詳しくは上記のリンクを見てほしいのですが、アーケードゲーム用のレバー・ボタンを作っているのはだいたい
三和電子
セイミツ工業
です。ゲーセンのレバーは概ねこの二社から供給されているんじゃないでしょうか。そういう意味では標準と言っていいでしょう。
その他、アケコンメーカー独自のレバー・ボタンが存在します。
HORI:HAYABUSAユニット(レバー・ボタン)
Razer:メカニカルスイッチ採用のボタン
Qanba:Qanba Gravity(レバー・ボタン)
Victrix ※三和電子のレバー・ボタンを採用
などが有名なアケコンメーカーですが、これらは製品によって三和電子製パーツを採用したり独自開発パーツを採用したりしています。
格ゲーおじさんは気難しいので三和電子以外の独自パーツを採用した製品には厳しく言うという謎の風習がありますが、HORI独自の”HAYABUSAユニット”というレバーとボタン(『ファイティングエッジ刃』のデフォルトがこれです)を使っていた身としては、メーカーが独自研究の末に生み出したパーツというだけあって全然悪くなかったです。
ただ、問題はアケコンメーカー独自のレバー・ボタンは単体販売されていないものもある、という点なんです。
上記に挙げたメーカーで独自のレバー・ボタンを単体販売しているのはQanbaのGravityくらいです。
HORIやRazerの独自パーツは単体販売していないので、故障しても取り替えることができません。
ここが最大の問題で、仮に独自パーツの性能が良くても長期間使っていくうちに消耗は避けられず、同じ操作感を保つのが難しいのです。
そういうわけで、今回は初のレバー・ボタン交換ということもあり、交換用のパーツは三和電子製のものにしようと決めました。
理由は最も標準的で広く出回っているアケコンパーツであり、入手性が高く今後も同じ品が手に入る可能性が高いこと。
そして標準的であるが故に、今後別のパーツと換装した際に比較対象となり得るからです。
ゲーセンと操作感をあわせられるというのも個人的には高得点ですね。
2.メーカーが違うのにちゃんと交換できるの?
できます。
アケコン用のレバーとボタンは概ね共通規格で作られており、会社が違ってもほとんどの場合交換可能です(100%は保証できません)。
レバーは平鉄板とシャフトカバーのついたものを(レバーボールが付属していない場合はレバーボールを追加購入)、ボタンは30φというサイズの「はめ込み式」のものを8個程度購入すればだいたい大丈夫です。
「ねじ式」という装着方法のものもありますが、そちらはアケコンによってつかなかったりするので心配なら「はめ込み式」がいいと思います。
3.まず注文だ!
三和電子は楽天市場に公式ショップを出しています。
https://www.rakuten.co.jp/sanwadenshi/
楽天アカウントを持っていれば楽にパーツが手に入るのでオススメです。
ぼくが購入したのは、【JLX-TP-8YT-SK】。
最も標準的なレバーです。
ボタンは、OBSJ-30-
三和電子の標準的なボタンのメタリック塗装版です。このうちガンメタルを購入。
また、メタリックに統一するためにレバーボールも、
こちらのガンメタルを購入しました。
その他、静音レバーとか静音ボタンを購入したのですが今回は使用していないので詳細は省きます。
4.いざ換装だ!:裏蓋を外し内部へアクセス
パーツがとどいたため早速換装開始!
まずはアケコンの裏蓋を外します。ネジを外さなくても内部にアクセスすることが可能なものもありますが、”ファイティングエッジ刃”はネジを外す必要があります。
また、裏蓋を外す時に封印シールがついているものははがすと保証対象外になるため、気になる人は保証期間が終わるまではメーカー修理を頼ってもいいかもしれません。
ぼくのアケコンは保証期間とか多分すぎてると思うので遠慮なく開けます。
内部までイケメン……というわけではなくレバー・ボタンと基盤とケーブル……と、普通です。
イケメンとか美人だからって内臓まできれいなワケじゃないですもんね(謎の喩え)
さて開腹したら、構造的に内部にホコリは溜まりにくいですが、レバーの隙間から多少のホコリや塵が入り込んでいることがあるのでエアダスターやクリーニングクロスで清掃するのがオススメです。
ぼくのアケコンの場合、レバーの裏側に少し汚れが付着していました。
5.レバー交換
まずはレバー交換から。
HORIのHAYABUSAレバーを外しました。ねじを4つ外して、基盤につながっていた端子を外すだけで簡単です。平鉄板まで黒く、三和電子製よりも重厚感がありカッコイイです。
最近反応が鈍いのですが(よくそれでマスター行ったな)分解・清掃してグリスを塗り直せばまだ使えるかもしれないので残しておきます。以下、参考
レバーを外した跡はこんな感じです、
ここに……こうじゃ。
上下方向とかあんまりちゃんと確認しなかったのですが、端子の向きをあわせたら大丈夫でした。
みなさんはこんなテキトーな換装はせず、ちゃんと表示を確認しましょう。
で、裏側がこうなると表側はこうなります。
ここにガンメタリックのレバーボールをつけると……。
レバー交換完了です。
ガンメタリックのレバーボールがとってもカッコイイです。(反射でキモオタの姿が若干見えますが気にしないでください)
6.ボタン交換
次にボタンの交換です。
元々あったボタンに繋がった2つの端子を外し、爪を押しながら引き抜くだけです。こちらも工具不要で簡単です。
交換する際も、端子が2つ基盤につながっているとはいっても、左右の差などはなくどちらにつけても大丈夫です。
また、ボタンには上下左右もないので向きも気にしなくていいです。
交換自体は簡単ですが、あえて注意点とコツを挙げるとしたら、
ボタンは一つ一つ交換したほうが良い、ということです。
一気にボタンを外すとケーブルがごっちゃになってボタン配置もわからなくなってしまいます。
一つ外して、一つつける、という順序で作業しましょう。
簡単な作業だったのですが一つだけ問題が発生しました。
8個のうち1つだけ、はめ込んだ際に固定用の爪が折れました。Amazonだったかどこかのサイトで同じような報告をみたことがあるので、メタリック三和ボタンの弱点なのかもしれません。
よくみるとなぜか爪にも塗装がされており、本体とはそもそも一体成形ではないのかもしれませんね。
原因はなんにせよ、初期不良のようなものではあるのですが、爪が片方折れていても固定にはさして影響はないのでそのまま使うことにします。
ボタン一個不具合があったからって送り返すと送料のほうが高くつくなんてことになりかねませんし、実用上は問題ないですからね。
後にパーツを注文する際はついでに予備に2個くらい注文することにします。
さて、そうこうしているうちに作業完了です。
外したHAYABUSAボタンもまだ使えるので、今後分解清掃するかもしれません。表面が黒のシボ加工(って表現すればいいのかな?)で、リングがシルバーとデザイン性に優れていますね。
全てのボタンを換装し終えた図は以下、
※ここで注意:ファイティングエッジ刃のオプションボタンは24φという規格ですが、三和エラストマー静音ボタンに交換すると少し固定が緩くガタつきがありました。
オプションボタンなのでプレイには影響がないのですが、ここは完璧な互換性があるわけじゃないということは知っておいたほうがいいかもしれません。
7.完成!
そういうわけで完成です。
今回はレバーとボタンの仕様をあえて標準的なモノにしたので、あえて色で遊んでみました。
黒とシルバーが基調の”ファイティングエッジ刃”だったので、金属感とシンプル感を併せ持つガンメタルにしたのですが……うーん、カッコイイ。
統一感を出すためにシルバーなんかも良かったかもしれませんが、とりあえずは大満足です!
映り込んでるキモオタの姿なんて気にならないくらいカッコイイアケコンに仕上がってくれましたね!
Conclusion:愛機と末永く付き合うために
配線ミスがないか、反応しない初期不良品がないかどうか。実際にテストプレイを行いました。
めっちゃ反応いい……。
前ステ2回も電刃練気もちゃんと出ます。
最近Twitter(意地でもXなどとは呼ばんぞ)で、「前ステ2回で腕が疲れる」みたいな話をしていたのですがやっぱりレバーの消耗によるものだったみたいです。
新品のレバーであれば動きは軽く、戻りは早い。そのためステップや下下入力も少し簡単になりました。
レバーとボタンを交換したんだから慣れるまで時間がかかるかもしれないと思っていたのですが、そもそもゲーセン勢なので特に慣れる必要はなく最初から普通に操作できました。
結論としては全く問題ないしやっぱ新品はいいものです。
やっぱり三和電子が”正義”なのか?
そんなことはなく、今回快適に感じたのはもともと使っていたHAYABUSAレバーが消耗していたからです。
どちらも新品の状態で比較したわけではないので、三和のレバーが最高かどうかはなんとも言えません。
ただ、「入手性の良さ」はやはり高評価と言わざるを得ません。HAYABUSAレバーが仮に三和レバーより良いものでも、単体で手に入らないことは長く使う上でネックになってきます。
三和レバーとボタンなら数年後も買える可能性が高いので安心ですね。
今後やってみたいこと
Qanba Gravityを試してみたい
二台目のアケコンが欲しい(候補:Qanba Obsidian 2、Victrix)
レバーレスにも手を出してみたい(候補:Razer Kitsune、JumpHack Air、Punk Workshop)
近年はレバーレスという「レバーが存在せず全てボタンで操作する」新しいアケコンが登場しています。また、スト6だとパッドに最適化されたモダン操作の存在によって、パッドも格ゲーデバイスとして盛り上がっているようです。
ぼくはアケコン派なのであまりパッドを使おうとは思わないのですが、レバーレスには興味があります。
図体がデカくなるアケコンと違ってレバーレスは小型薄型のものが多く、持ち運びに便利です。
また、増設ボタンが最初からついているモノもあるので、アケコンでは押すのが難しいアシストボタンも増設ボタンでなんとかなるんじゃないか? なんて考えたりしています。
とはいえ、最近の格ゲーデバイスはどれも高いので今のところはこの相棒”ファイティングエッジ刃”で戦っていこうと思っています。
自分が手入れした入力デバイスを使って対戦すれば、いっそうモチベが上がること間違いなしですね!
(なにこの通販番組みたいなシメ〆方は)
BGM:スリーズブーケ『Reflection in the mirror』
今回の記事が参考になった、面白かったという方はいいね♡やフォロー、Twitter(絶対にXなんて呼んでやらない)でシェア・拡散などにご協力よろしくお願いします。
ではまた~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?