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四国88札所巡り 7月19日(水) 満願への旅

 4月26日(水)の結願から3ケ月。できるだけ早く高野山に行きたいと思っていたが、なかなかチャンスがない。突然3月に打ち切られた管理人の仕事だったが、幸い6月の終わりから同じ管理人の新しい仕事を見つけ、ようやく慣れてきたので、大阪の新しい献血ルーム訪問とセットで、昨日仕事後、大阪行きの21:35の夜行バスに乗る。
 ウイラーのバスの一番前の通路側の席を希望したせいで、足を伸ばすスペースも十分、凄くよく眠れた。おまけにジジイなので、いつもサービスエリアに着くたびにトイレに行くのだが、すぐにバスから降りることができて快適。
 7:15には大阪のバスターミナルに到着。すぐに大阪環状線に乗り、新今宮駅に。ここからは南海電鉄。以前行った時は、すごくお金がかかった印象があったが、今回は世界遺産デジタル切符でケーブルカーやバスにも乗れ、紙の切符よりも500円くらい安い2,510円。すごく便利。ただ外国人観光客には知られていないのか、高野山のバスの中で一生懸命小銭を数えて料金箱に入れてる人がいて気の毒だった。
 黒部ダムに似たケーブルカーに乗って、10:00過ぎに高野山に到着。すぐにバスに乗る。ネットの情報通り、一の橋からは参道を歩きたかったので、奥の院口で降りる。10:30、出発。熊野古道や羽黒山参道と違って、平坦なのであっという間に中の橋を通過、そして10:50、御供所到着。満願の御朱印をいただく。せっかくだから大師様のカラーの御影も300円で購入する。書き手の方に時間があれば、納経帳の空いているところに金剛峯寺の御朱印を書いてもらうといいと言われる。

満願の印
南無大師遍照金剛


 ゆっくりと弘法大師御廟に進むと、白い装束を着たお遍路さんの方が数人。自分と違って四国お遍路結願後、すぐに高野山に来たんだと感心。他の人と同様、般若心経を唱え、廟の後ろに回り、蠟燭に火を灯し、線香を焚く。大師様に最も近い燈籠堂にも下りてみる。ここに来てようやく満願の意味がわかったような気がした。 
 帰りは、各企業の供養墓の道を通り、奥の院前のバス停に。そこから金剛峯寺はバスであっという間。11:20には真言宗総本山・金剛峯寺に到着し御朱印をいただく。書き手の若い男性に「満願おめでとうございます。」と言われて、初めて妻がなくなって5年今まで胸につかえていた悔恨の想いがすっとなくなったような気がした。
 それまでずっと抱いていた「もっと妻にできたことがあったのではないか」、「亡くなってから仏壇に線香をあげたり、毎日お墓に行っても無意味じゃないか」という気持ちが消えていった。

金剛峯寺
力強い御朱印


 少しほっとした気持ちで、再びバスに乗り、高野山を後にする。亡くなった人間は決して戻ってこないが、今まで以上に妻の事を想い、仏のように穏やかに毎日丁寧に生きていきたい。自分にできる事をひとつひとつゆっくりとやっていこう。
 安らかな気持ちで大阪に戻り、最新の曾根崎献血ルームRedOne CLUBに行き、215回目の献血をした。自分が社会に対してできる少ない事のひとつだと思うから。

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