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馬の好ましくない行動を予防する

この記事は PAULICK REPORT に許可を得てPreventing Unwanted Equine Behaviorsの記事を翻訳して掲載しています。

馬の好ましくない行動とは、しばしば悪癖と呼ばれ、馬の時間の大部分を占める反復的で目的のない行動のことです。よくある例としては、さく癖(ある物を視点に空気の飲み込む癖)、咬癖、熊癖(ゆらゆら左右に揺れる癖)などがあります。悪癖は、馬の自然な摂食行動や社会的行動を制限しているような環境から生じることがあります。

馬には、採食、移動、社交に強い本能があります。馬は一日中、少量ずつ、頻繁に、飼料をベースにした食事をするように進化してきました。放牧されている場合、馬は牧草地内を移動しながら1日に14、5時間以上餌を食べます。また、群れで生活する動物であるため、社会的な交流は馬の幸せにとって重要なことです。しかし、このような理想的な環境を馬に提供することは現実的でない場合も多くあります。

現在、厩舎やドライロット(屋外の囲い込み飼育で運動できる広さはあるが放牧は行わない)で長い時間を過ごし、1日2回の大きな食事を与えられ、採食する機会も限られている馬も多くいます。高度に管理された環境にうまく適応できる馬がいる一方で、ストレスを感じ、望ましくない行動によって救いを求める馬もいます。馬は一度、望ましくない行動を起こすと、一生やめられないかもしれません。馬の望ましくない行動を管理したり、予防したりするためにできることがいくつかあります。

馬が室内で過ごす時間を短くする
馬に運動させることで、馬の本能である「動きたい」という気持ちを満たすことができます。パドックと小屋のどちらかを選べる場合、馬は天候が悪いときでもパドックを選ぶことが多いようです。また、定期的な運動は退屈を防ぎ、他の馬と交流する機会にもなります。

馬を長時間、厩舎に入れなければならない場合(ストールレストの為など)、馬を楽しませる工夫をしましょう。

  • アリーナでハンドウォークをしたり、厩舎の通路でグルーミングをするなど、厩舎の外で馬と一緒に時間を過ごします。

  • 馬が食事に費やす時間を長くするために、スローフィード干し草ネットに入れた干し草を与えます。よく育った乾草(中性デタージェント繊維/NDFを多く含む)を与えることで、馬が食事の合間に忙しく過ごすことができます。

  • 厩舎内で馬が一人ぼっちにならないようにします。馬の目の届くところに他の馬がいることで、馬のストレスを軽減することができます。

  • 馬房の中で馬が遊んだり噛んだりできるようなおもちゃを用意します。馬がおもちゃを動かしたり噛んだりしないと、おやつがもらえません。おやつを与えるのは適度でなければならないことを忘れないでください。おもちゃは常に、馬に使用することが承認されているものや安全なものを選びましょう。

馬を群れで飼いましょう
馬は社会的な相互作用を強く求めており、それは群れで飼うことによりその欲求を満たすことができます。群れの中では、触覚、嗅覚、姿勢や表情の変化でコミュニケーションを取ります。種馬を除いて、同性の4頭から10頭程度の群れが最適です。群れの中での変化はなるべくないように気をつけましょう。ストレスの原因になります。

馬を群れで飼えない場合は、ヤギ、ロバ、ヒツジなど、他の動物を一緒に飼うようにしましょう。これらの種と一緒に飼う場合、馬のワクチン接種や健康計画を調整する必要があるかどうか、獣医師に確認してください。

飼葉を中心とした食生活を提供すること
馬には干し草を多く含む食事を与え、必要な栄養を満たすようにします。馬の年齢、体重、生理学的状態、活動レベルに基づいて飼料を与える必要があります。茎の長い飼葉を制限されると、馬はさく癖や咬癖などの代替的に咀嚼習慣を身につけるようになることがあります。与える干し草が少なかったり、穀物を大量に食べたりすると、疝痛のリスクも高まります。

馬が干し草を食べる時間を長くすることで、より自然な摂食行動に近づけることができます。放牧ができない場合、以下、いくつかの管理方法を試すことができます。食事を1日に3~4回に分け、少量にし与えることを検討してみてください。または、スローフィード式干し草ネットなど、制限のある干し草給餌器を使用することもできます。馬に乾草を 1回与えた場合(体重の1パーセントの量の乾草)、床で食べた場合は3.2時間かかりますが、スローフィード干し草ネットで与えた場合は乾草を食べるのに6.5時間もかかりました。

ポジティブなトレーニング方法を用いること
馬を調教するときは、虐待や強制を避け、正の強化を用いた調教方法を選びましょう。馬の調教方法はたくさんあります。あなたとあなたの馬のためになる方法を選択するのはあなたの責任です。負の強化を用いる調教法は、レアリングなどの悪い行動につながる可能性があります。


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