マルハニチロの決算内容を3分で解説!
今回はマルハニチロの決算内容について見ていきましょう。
きっと皆さんも一度はお世話になっているはずのこの会社、どのような内容でしょうか?
1.PLの状況
まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+7.1%の8,667億円となりました。
営業利益は前年比+47.3の238億円、最終の当期純利益は前年比+193.7%の169億円の大幅増益となりました。
ではセグメント別に見てみましょう。
セグメントとしては3つ、水産資源・加工・物流があります。
その中で一番の規模であり一番の稼ぎ頭なのは「水産資源」です。
売上高は全体の62%、営業利益は全体の57%を占めています。
その水産資源セグメントの中でもいくつかのユニットに分かれていて、その中でも今回は「海外ユニット」が一番利益をあげていました。水産資源全体の営業利益が138億円でそのうち海外ユニットの営業利益は87億円だったので、全体の63%を占める結果となりました。
前年比でも+54億円と大幅な増益となりましたが、ではなぜそんなに利益が増えたのか?
要因としては「不採算事業からの撤退」「追加出資に伴う連結対象会社の増加」が挙げられます。
北米のサケ加工事業は不採算事業だったため撤退をしました。
一方スケソウダラ操業のために北米にある企業から資産の譲受(漁船9隻)を受けました。つまり北米事業の事業内容の一部がサケ→スケソウダラに入れ替わったということになります。
また欧州の販売会社への追加出資により、持分法適用会社から連結子会社へ変更になりました。このような会社組織に関する変更が「売上高増加・利益増加」に影響したものと考えられます。
営業利益以降の項目についても少し見ていきましょう。
特別損失の項目で22億円が計上されていますが、このうち半分の11億円は減損損失によるものです。
内容としては、「固定資産の減損」と「棚卸資産の評価減」によるものです。
固定資産の減損で7億円、棚卸資産評価減で4億円が計上されています。
ただ前年はもっと大きな損失が計上されているので、この点に関してはある程度定常的に発生するのかもしれません。
2.BSの状況
では次にBSの状況について見ていきましょう。
大きな動きとしては二つで「売上債権と棚卸資産」「長期借入金」です。
売上債権と棚卸資産に関しては、前年より売上高が増加しておりますので、その動きに紐ついて同様に増加したものと考えられます。
長期借入金に関しては、残高としては118億円減少しました。
これは返済期限が到来したものを一旦完済し、再度借入を実施した結果です。
また借入金の中でも担保の設定がされているものもあります。
以下の情報から「877億円の借入に対して151億円の担保を供している」ことが見てとれます。
3.CFの状況
最後にCFの状況について見ていきましょう。
キャッシュの残高としては前年末から67億円減少しました。
営業CFは+192億円でしたが、投資CFは△103億円、財務CFは△172億円と二つの項目はマイナスだったため、全体の残高としては減少しました。
営業CFと投資CFの合計であるフリーCFは+89億円とプラスをキープしているので、CFの状況としては大きな問題はないかと思います。
ただ少し気になるのは、営業CFの中の「売上債権の増減」と「棚卸資産の増減」の項目です。
今回は連結対象子会社の変更などもあり売上高は増加しました。それを加味しても売上債権と棚卸資産の残高が少し大きいのではないかと考えられます。
一時的な債権回収のタイミングや商品の出荷のタイミングの問題であれば直ぐに解消することなので問題はありませんが、これが次年度も続くようであれば債権回収の遅延や商品の過剰在庫の懸念が出てきます。
この点、注意が必要ではないかと考えます。
今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?
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