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スギHD好調の裏側にあるもの

スギHDの1Qの結果が発表されました。
売上高は対前期比16.3%と好調で通期の売上高は過去最高の6000億円になる見通しを発表しました。

なぜ好調なのか?その裏側に迫ってみます。

概要

まずは概要を見ていきます。

売上高は1499億円で対前年度比+210億円(+16.3%)、営業利益は89億円で対前年度比+15億円(+15.1%)という結果となりました。
売上・利益ともに15%以上の増加であり且つ利益率もしっかりキープしてきます。
販管費は15%増加していますが、店舗数増加に伴う賃料増加が主な要因となっています。

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売上のトレンド

次は売上のトレンドについて見ていきます。

下の図はスギ薬局の売上トレンドです。
見てお分かりのように客単価は減少しましたが客数が増加した結果売上高としては増加となりました。
このポイントは他のドラッグストアでも同様の傾向を見せています。
これは新型コロナウイルスの影響で消毒液・マスク等の医療衛生品や食品類の需要が高まった結果客数が増加したものと思われます。
ドラッグストアに行けば生活用品から食品類まで何でも揃っていますからね。
その便利さが故に自然と客足が増えたのではないかと思います。

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商品別のトレンドについてもう少し詳しく見ていきます。

調剤売上は+7.4%の増加を見せています。
ただ全体売上のトレンドとは少し内容は異なり、新型コロナウイルスの影響で医療機関への受診者数は減少しているので調剤目的での来店者数は減少しています。
スギ薬局のみのデータを見ると処方箋枚数は△2.5%となっています。
一方処方箋単価は+15.3%となったため、調剤売上としては増加となりました。
全体売上と結果は同じ増加でも結果に至るプロセスは逆のトレンドを示していたということになります。

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財務状況

次に財務状況について見ていきましょう。

安全性の観点で見ると非常に健全な財務状況ではないかと思います。
手許資金は月商の約2ヶ月分あり流動比率も160%程度あります。
有利子負債もなく無借金経営なので、資金ショートの可能性は限りなく低いかと思います。

ただ資金効率性の観点で見ると少し改善の余地が必要な点があります。
棚卸回転期間が1ヶ月オーバーしているので、資金効率は少しよくないのかなと思います。
ここが1ヶ月を切るとさらに手許資金が増えてくるのでよりベターです。
<参考>棚卸回転期間:ざっくり言えば商品が実際に売れるまでの期間

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好調の背景と今後の業績

スギHDの今の好調の背景はやはり新型コロナウイルスの影響が大きいです。
しかしこれはきっかけであって全ての要因ではありません。
スギHDでは在宅医療に力を入れており、2014年からの推移を見ると今回の1Qで約2倍まで増加しています。
このような地道な企業努力があった上での新型コロナウイルスがきっかけとなり好調な結果へとつながったと思います。

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このような状況を踏まえてスギHDは2021年2月期の業績見通しを上方修正しました。その結果売上高は6000億円として過去最高を目指すとのことです。

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あとこれはあくまで個人的な見解ですが、スギHDの出店地域を見ると九州エリアへの出店がありません。
今期はこの未開のエリアへの出店計画はありませんが、この好調が続けば次の年はもしかすると・・・という期待感があります。

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大台の6000億円に売上が乗ったその先には何を見据えているのでしょうか?

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