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ソニーが金融事業を完全子会社化することは当たりか?

先日このような記事を目にしました。

ソニーはソニーファイナンシャルホールディングスを完全子会社化すると発表

結論から言うと、これは当たりです。

ではなぜ当たりなのか、それをこれからみていきます。

ソニーファイナンシャルホールディングスって?

まずはそもそものソニーファイナンシャルホールディングスの概要です。
*ソニーファイナンシャルホールディングスを以下「SFH」とします

柱としての事業は「生命保険、損害保険、銀行」の3本の事業です。

FY2019決算の状況は、経常収益1兆7,814億円、経常利益1,118億円となっておりかなりの優良企業です。

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また創業に至る背景としては、ソニー創業者の盛田昭夫氏がシカゴを訪れた際に見た生命保険会社の巨大なビルに衝撃を受けて「ソニーグループに金融を持ちたい。そしていつか、立派な自社ビルを建てたい」という夢が出発点となっています。

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完全子会社化のメリットは何?

次に完全子会社化することのメリットは何?という点についてみていきます。

一般的に言われる完全子会社のメリットとしては「経営の安定化、グループ内のシナジー効果、親会社の企業価値の向上」等が挙げられます。

ではソニーの場合はどうでしょうか。

状況的に考えると「経営の安定化」が一番しっくりくるのかなと思います。

ソニーのFY2019の営業利益は8,455億円、そのうち金融事業は1,296億円あるので約15%を占めています。
ソニーのセグメントの中で金融事業が重要な位置にいることが伺えます。

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ただソニーのSFH株の保有比率は65%なので残り35%分の利益は少数株主へと渡っています。
実質的な経営とリスクを負っているのはソニー本体ですが、利益の一部は少数株主に渡っている。
ソニーとしてはこの35%の利益を本体に取り込むことでソニーグループ全体の経営の安定化を図ろうとしているのではないかと思います。

この完全子会社化で連結ベースの純利益が400〜500億円増加する見込みです。

今後のソニーは?

最後に今後のソニーについてみていきます。

今回のSFHの完全子会社化を含めてソニーは大きな組織変更を発表しています。

1.社名変更
  2021年4月1日からソニーグループ(株)に社名変更

2.エレキ事業の分離
  ソニーの称号は祖業のエレキ事業が継承

3.金融事業の完全子会社化

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これはなかなかインパクトのある発表ではないかと思います。
ソニーといえばやはりエレキ事業、という認識が多い中この組織変更の意味することは何か?

それは金融事業の完全子会社化とつながっているのではないかと思います。

ただそれは「ソニーは今後金融中心の会社になる」ということではなく「エレキ頼みではなく金融や他の分野も伸ばしていく」という決意の現れだと思います。

今後の成長を見据えての大きな組織変更、ソニーグループの今後が楽しみです。



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