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sansanの決算内容を3分で解説!

最近CMでよく目にするsansan、今回はその決算内容に関して見ていきましょう。
CMの効果は如何に?

1.PLの状況

まずはPLの状況です。
売上高は前年比+26.2%増収の204億円となりました。
一方営業利益は前年比△14.2%減益の6億円となりましたが、当期純利益では前年比+369.7%の大幅増益で8億円となりました。
売上高の増加率と売上総利益の増加が同率なので、売上原価に関するコストコントロールは上手くいっているのではないかと推測できます。

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出所:決算説明資料

売上総利益の結果とは対照的に営業利益は減益となりましたが、これは販売管理費が前年より38億円増加していることが影響しています。
その中でも「人件費」の増加は20億円と大部分を占めています。

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出所:決算説明資料

この点に関しては会社としても今後の事業規模拡大をにらんでの戦略的な人材採用なので仕方ない部分はあるかと思います。
以下参考までに人員の推移です。

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出所:決算説明資料

営業利益までの内容をもう少し詳しくセグメント別に見てみましょう。
セグメントは二つ、「Sansan/Bill One事業」と「Eight事業」があります。
売上規模で見ると9:1くらいの割合なので、圧倒的に前者が大きいです。

出所:決算短信

営業利益で見ても「Sansan/Bill One事業」は黒字、一方「Eight事業」は赤字となり対照的な結果となっています。
また「Sansan/Bill One事業」の中でも今後大きな成長の可能性を秘めているのが「Bill One事業」です。
まだまだ売上規模は8億円程度と大きくはありませんが、前年比で10倍となっておりここ一年で大きな飛躍を遂げました。

出所:決算説明資料

またこの分野は来年10月に施行される「インボイス制度」と既に施行されている「電帳簿保存法」によって更に需要が増えることが期待されます。

出所:決算説明資料

あと営業利益から経常利益にかけては、営業外収益で9億円の投資有価証券売却益が計上されていました。その結果、営業利益から経常利益にかけて3億円増加しています。

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出所:決算短信

2.BSの状況

では次にBSの状況について見ていきましょう。
資産の部での大きな動きは二つあります。それは現預金と投資有価証券です。

出所:決算短信

現預金は前年から30億円増加しています。
この点は後のCFの状況で見ていきたいと思います。
投資有価証券に関しては20億円減少しています。
これはPLの状況でも出てきましたが、投資有価証券の売却による減少です。

では負債の方も見ていきましょう。
こちらは借入金の項目で動きがありました。

出所:決算短信

短期・長期併せて借入金全体としては8億円増加しました。
これは返済期限が到来したので一旦長期借入金を返済したけど、結局は長期借入金が必要なので再度借りれをした、ということです。
まだまだ事業規模を拡大している途中であり当然資金は必要となりますので、借入金があること自体は悪いことではないと思います。
ちなみに昨年まではコミットメントラインで17億円の契約があったのですが、今年の2月末までに契約は終了しており現時点では新たな契約はないようです。

出所:四半期報告書

3.C Fの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては、前年より30億円増加となりました。
内訳としては営業CFで+31億円、投資CFで△10億円、財務CFで+9億円となります。フリーCF(営業+投資)でも+21億円なので、CF自体は悪くないかと思います。

出所:決算短信

ただ先程のBSの状況でも触れましたが、コミットメントラインの契約が現時点はない状況なので、この点は今後のキャッシュの状況次第では契約が必要になってくるのではないかと考えます。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?





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