見出し画像

木には何か宿る

今日は板に穴を開けていました。

テーブルの天板を持っていたので、それに足を付けるためです。

2メートルばかりある板で、チークというチョコレート色をしている木です。

そんなに大きいチークは輸入禁止になっていて、今は新しいものは手に入らないそうです。

その板は、とある木材収集家の植木屋さんから譲ってもらいました。

中国の家具に使われていたもので、その家具は200年前のものだったそうです。

そしてそのチークが切られた当時の樹齢は200年を超えているのが分かるので、芽生えてから最低400年は経っていることになります。

今日僕はそれにドリルで16個の穴を開けていました。

ひとつ、すごく固いところがあったのかなかなか開きませんでした。

それは必死で抵抗しているように思えたのですが、新居にテーブルが必要だったので「ゴメン!」と思いながら穴を開けました。

T時の足を2つ付けてからひっくり返して設置してみると、なかなか立派な出来上がりでした。

末長く使おうと思います。


この板を譲ってくれた植木屋さんはNさんとしましょう。

Nさんは普段は庭や街路樹の植木やその手入れを生業としています。

また、海外で木材を見つけて持って帰ってくるのを個人的な興味でやっています。

木を見つけて切ったり掘り起こしたりすると、度々何かが聴こえたり、見えたりする…。

遊びに行くとNさんは木にまつわる面白い話を聞かせてくれます。

数百年も生きている木を切ると、何かを語りかけてくるものもあれば、切らせるかわりに交渉を持ちかけてくるものもある。

夜に光って何かを知らせようとしてくるものもあるそうです。

ある夜、原野で松を切っていると、馬の駆ける音がする…

近付いてくるので隠れると、とてつもなく大きな馬に乗った武者が通り過ぎて行ったという。

次の日には木と一緒にお祓いを受けたそうです。普段はそういった類の事はまったく意に介さない方ではあるとのことですが…。

先代のお父さんから仕事を継ぐときに、木を切るとそれなりの代償があるから覚悟するように、と言われたというお話を、穴を開けた時の抵抗を感じながら思い出しました。

家具になって木は2度目のLIFEを送る…400年生きている木を、そうは簡単に捨てられないですよね。

どうです?生きているとすれば?

木でできた家具を眺め直してみるのもいいかもしれませんね。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?