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「これが東松山流やきとりか!」と思い知らされた日(つるや/東松山/やきとん)

私は生まれも育ちも東京都板橋区ではあるのだが、実は血の4分の3が行田人であり、『跳んで埼玉』の世界観であれば東京人と認めて貰えないDNA構成となっている。母親が行田市土着の家柄であり、父方の祖母まで行田の人なのだから、ほぼ行田人だと言っても過言ではない。

そんな行田に住んだ事がない行田人である私は、墓参りの度に思う。
「行田遠くね?」と。

電車だと基本的に熊谷から戻る形になるし、自動車だと関越で東松山か、東北道で加須か羽生辺りから下道を行くしかない。ちなみにカーナビの言う通りにすると大宮で下ろされて延々と下道を走るハメにもなる。

いい具合に行田にポン!と辿り着く経路がないため、必然的に加須や東松山近辺で遊ぶ機会ばかりが増えて行くのである。お陰で飲食店にも公園などにも妙に詳しくなった。

とはいえ、やはり住んでいる訳ではないので、まだまだ知らないことも山ほどある。例えば「東松山のやきとりの本気」だとか。

以前の墓参りの際に東松山駅前の有名な店でやきとり(※やきとんのこと)を食べ、それなりに美味しかったので「なるほど、こんな感じなのか」と納得したのだが、後で調べてみたら評判がすこぶる悪い。中には「東松山のやきとりの面汚し」とまで言っている原理主義者のようなヤツまでいた。

「いや、そこまで悪しざまに言うほど悪くないと思うんだけど……」なんて反論しようものなら、さっくり刺されかねない勢いだ。

そんな事があったので「じゃあ次回はもっと評判の良い店を試してやろうじゃないか」と胸に秘めていたのである。

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と、相変わらず前置きが長くなってしまいましたが、そんな野心を抱いて訪れた久々の東松山。今回はある程度下調べをして来たのだが、残念ながら日曜日だったので休みの店が多く、またこういうご時世なので早じまいしてしまっている店もちらほら。

「ありゃ、これは大ハズレだわ」と諦めかけていたその時、よりによって評判は良いものの、最も子連れに向かないであろう人気店から「入れますよ」とのお誘いが。

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それじゃあと入れて貰ったものの、ここは都内でも貴重品扱いされるであろう、L字カウンターの素晴らしい酒場であり、子連れでお邪魔するのは気が引けてしまう。

が、店の人が良いと言ってくれたのだから良いのだろう。本音を言えば女房と2人で心行くまで楽しみたい雰囲気ではあるのだが、今日は堂々と3人でやきとりを喰らってやろうじゃないか。

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