"ロジハラ" って造語を流行らすのやめないか?

"ロジハラ" が流行ってるらしいっす

つい先日、ワイドナショーで取り上げられた事から、"ロジハラ" なる新たなハラスメントが注目を浴びている。

ワイドナショーで紹介された解釈では、「正論ばかりを突きつけて相手を追い詰めるハラスメント」といった意味だそうで、Twitterなどでよく見かける他人に絡んでクドクドやかましい "あの手の輩" を考えておけばよさそうだ。 

実はこの "ロジハラ=ロジカルハラスメント" は、何年か前から一部で使われていた単語で、セクハラやパワハラに続く第三第四のハラスメントとして、スメハラ(スメルハラスメント)などと共に挙げられる事があった。

何でもかんでも自分の気に入らない物にハラスメントを付ければいいや的な、あの "何でもハラスメントブーム" の中で生み出された造語だ。

それが今回TVで取り上げられた事により掘り起こされ、悪目立ちしてしまったと思われる。

それはそうと、このロジハラという造語は多くのリスクをはらんでおり、迂闊に流行らせると社会が大混乱しかねない危険性まである。

今回はそれについて述べたい。

"ロジハラ" に潜むリスク

そもそも、ワイドナショーで紹介された「正論ばかりを突きつけて相手を追い詰めるハラスメント」という解釈には疑問が残る。例として、部下のミスをしつこく問い詰める行為などがロジハラだと説明されていたのだが、それってロジハラ以前に "パワハラ" ではなかろうか。

わざわざ意味の分からない造語を取り出さなくても、他に適切な単語がすでに存在しているのだから、普通にパワハラとして問題にすればいいだけだろうに。

それに「正論ばかりを突きつける」という言い草が気に入らない。ロジハラ以前に "正論" の意味を理解出来ているのかと疑ってしまう。

正論とは道理に叶った議論や意見を指す単語なのだから、そもそもが「正論を吐かれるような事をしたヤツに落ち度がある」のではないだろうか。

例えば上の例にある「上司が部下を~」にしても、部下がミスをしたら上司が叱るのは当たり前である。あまりに度を越していればロジハラ以前にパワハラで問題に出来るだろうが、そこまでのレベルではないのであれば、ミスして怒られる部下の方が悪いのではないのか。

こんな「どこからどこまでがハラスメントか」が全く分からない状況で、ロジハラなんていう意味不明な造語が独り歩きしてしまっては、ごく普通のツッコミや批判がハラスメント扱いされる事態になってしまう。

そうなると怒られて当たり前のヤツや批判されなければおかしいヤツが、「ロジハラはやめてください」の一言でのうのうと逃げ延びられるようになるが、それが果たして世のため人のためなのだろうか。

「批判者に正論という武器を与える方が悪い」

この単純明快な "そもそも" の部分を無視すべきではない。

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