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伊藤和子弁護士、AVメーカーに訴えられて賠償命令を受ける

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AV業界人に反撃された和子ちゃん

晴れてnoteの定期購読マガジンの審査に通り、その一発目の記事だというのにこんなネタである。

だが、今後もこの手の話題は扱い続けるだろうし、私が警告しておきたい重要な点が隠れているため、申し訳ないがいつも通り好き勝手に書かせていただく。

という訳で、「秋葉原は児ポと児童買春の街」こと伊藤和子弁護士が、AV制作会社の社長から訴えられ、敗訴し、賠償命令を受けた。伊藤弁護士は控訴する方針とのこと。

[引用]
女性を勧誘してアダルトビデオ(AV)への出演を強要した疑いで逮捕され、不起訴になったAV制作会社社長の男性が、ツイッターで「鬼畜」と投稿されて名誉を傷つけられたとして、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの事務局長を務める伊藤和子弁護士に500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、5万円の支払いを命じた(続きはソース元で)

いったい何が起きたのかというと、和子ちゃんがいつものノリでAV強要問題に絡んで逮捕されたAV制作会社の社長に対して罵詈雑言をぶつけたところ、後に不起訴になってしまい、逆襲を受けたというお話。

ソース元をよく読んで欲しいのだが、伊藤弁護士は何故か「到底納得できない判断」としているが、AV強要問題の第一人者たる自分の立場で、無実になった人間に対する侮辱をそのままにしていたら、そりゃこういうヤラれ方をされても仕方ないと思うのだが。

だって、AV会社の人間からすれば、無実を証明したのに伊藤和子に延々と罵られ続けているも同然なのだから。

せめて、このAV会社の社長が不起訴になったと知った時点で、形だけでもお詫びをして、発言を撤回しておくべきだった。それがあればおそらく今回の裁判でも伊藤弁護士が負けるという事はなかったはずだ。

AV業界を憎む余り目が曇ったとしか言いようがないが、しかし伊藤弁護士の言動にはそれ以外にも 「そもそも」 という問題点がある。

推定無罪の原則を大切にする和子ちゃん……

これはPC遠隔操作事件、いわゆる片山ゆうちゃん事件の際の伊藤和子の記事である。この段階では、まだ片山ゆうちゃんが犯人かどうか分かっていなかったため、彼女は 「推定無罪の原則に則って」 庇い、またメディアや警察のやり様を強く批判している。

そんな和子ちゃんが今回やらかした事というのは、逮捕されてまだ白とも黒とも判断が付いていないAV業界人に対して犯罪者扱いをし、鬼畜だの何だの侮辱したのであり、絵に描いたような美しいダブルスタンダードである。

仮にも法の専門家である弁護士様が、一体どうしてこんな事になってしまったのだろうか。それについて考察するための資料として、もうひとつ記事を読んでいただきたい。

溺れるAV業界人を棒で叩いて沈める和子ちゃん

彼女は以前、池田信夫氏を訴えた際にこのような記事を書いている。まずは斜め読みでいいので何が書かれているか確認して欲しい。

あらかた読み終わったところで、この記事の中の「女性」を、例えば「AV業界人」や「セックスワーカー」に変換してみよう。
すると、被害者であり裁判を起こして勝訴した伊藤和子という立場が、そっくりそのまま加害者であり敗訴した池田信夫の側に回る。

彼女がやった事というのは、今や社会から石を投げられて追われる立場となったAV業界人という「人権があるのかどうかもあやふやな弱者」に対する迫害である。

「AV業界人が弱者」と言われてもピンと来ない人も多いだろうから、まずはこれについて少々解説しておく。

私の記事を読んで下さっている方なら重々承知の事と思うが、今やAV業界人は誰がいつどんな難癖で逮捕されるか分からない。昔は裏ビデオさえ撮らなければ合法と考える人間が多く、実際に摘発される例など無かったが、実はそうではない。モザイク入りのいわゆる表AVだろうと、警察がその気になればいつでも逮捕できるグレーゾーンにあるのだ。

私はそれこそAV強要問題が取り沙汰される何年も前からこの点を指摘していたが、AV業界の現役世代には全く話が通じなかった。それが「どっちの言い分が正しかったか」がバカでも分かる世の中になったのである。

それに金銭面でも昔ほど儲からず、また商売として浮上する目もなく、「食えない上に先がない職業」となってしまっている。今や逮捕リスクから逃れるために「本番行為の全面禁止」を考えねばならないくらいに追い詰められている(多分近く本当にそうなると思う)ので、浮上どころかさらに売り上げが落ちる未来しか残されていない。

さらに言うと、昔から抱えていた「どれだけ金があっても不動産が借りられない」「親族から縁を切られる」など社会の中に極端に居場所が少ないといったリスクは据え置きだ。

このように、ボロ儲けだった昔の栄華はどこへやら、今や「金にもならないアウトロー」とでも言うべき何もメリットがない立場に落ちたAV人に対して、さらに石を投げ付けようというのが伊藤和子らのやっている事である。

また、普段は女性の人権だの差別がどうのだのと言っているのに、AV業界人の人権だけは頑なに認めないというのは、実はこれこそ典型的な ”差別思想” である。

「Aの権利は認めるがBはダメだ」 
「Aの権利を認める理由はこれだけある」
「Bの存在を認めない理由はこれだけある」

このようにして差別構造というのは強固になって行き、気付けばそれが社会のシステムの中に組み込まれてしまう。

伊藤和子が犯している一番の過ちはこれであり、彼女は単に世の中に強固な被差別階級を生み出そうとしているに過ぎないのだ。

イデオロギー・願望がいかに人間を愚かにするか

そろそろまとめに入ろう。上で述べたように、普段の伊藤和子弁護士は「推定無罪の原則を忘れるな!」「誹謗中傷を受けたら堂々と裁判を起こして名誉を回復しましょう!」的な言動をしている。

その当人が疑惑の段階でAVメーカーを絶対悪・真犯人として扱い、今回のような不始末を起こすとは、いったいどういう事なのだろうか。あまりに稚拙過ぎるダブスタではないか。

これは実に簡単な話で、伊藤弁護士に限らず、そしてフェミに限らず、何事か強烈なイデオロギーの元に活動する人間のお約束で、「願望最優先で自分にだけ異常に甘い」のである。

仮にこれがしばき隊のような反差別を謳うテロリスト共ならば「反差別だから無罪」を声高に主張するだろうし、在特会のような脳味噌がスポンジとしか思えないネトウヨなどは「愛国だから無罪」と言うだろう。

結局のところ、伊藤弁護士も弁護士としての矜持や専門知識といったものよりも、己のイデオロギーや感情を優先してしまい、それ故に専門家としてあるまじき失敗をしたという事なのだ。

このように、イデオロギーを抱く事自体が悪いとは言えないものの、そればかりに固執するとカルト宗教の狂信者のようになってしまい、弁護士資格を持った専門家でもここまで言動が危うくなり、社会的な制裁を受けるレベルの失敗をしてしまう。

ちなみに、私は伊藤和子を 「女性を救いたい」 という気持ちにウソはない人物であると評価している。伊藤弁護士は他のセックスワーカーへの嫌悪感や差別心を一切隠さないタイプのクソフェミとは違い、相手がセックスワーカーであろうと困っている女性に頼まれれば全力で仕事をしてくれる。

私が知る裸のお仕事をしている女性で、伊藤弁護士に助けられた人物が何人かいるので、その点に関しては伊藤和子という人間を信用してはいる。

問題なのは、そんな伊藤和子弁護士であっても、イデオロギーを優先すればここまで人として劣化するという点なのだ。

”真ん中” を見定めるセンスのないヤツは社会運動禁止

社会運動めいた事をやる場合に大切なのは、常に ”世間様の真ん中へん” がどこにあるかを意識しながら、そこに届くような理論・理屈を構築する事である。これは結成当初のしばき隊にも、全盛期に入ろうとしていたネトウヨ団体(+本職右翼)の幹部達にも言い続けた事なのだが、その度に無視されてグチャグチャに揉めるキッカケになった。

そのようにして揉めに揉めた極論に偏り過ぎた連中というのは、世の真ん中を冷静に計測する能力がなさ過ぎて、世間の人々が思う当たり前から剥離した極論・暴論を当然の事と思い込み、運動そのものの瓦解が始まるような大暴走をするようになってしまった。

世間の平均値をうっすら考えるという作業は、自分に命綱を付ける事を意味する。言ってみれば極論家達は命綱も付けずにバンジージャンプをしているようなもので、これでは「仲間達が法すら踏み越えて暴走しようとしている!」といった有事の際に安全圏に戻って来られず、そのまま釣られてテロリストとして徒党を組んで暴れ回るといった選択肢しか残らなくなってしまう。ネトウヨもしばき一味も、私が当時リアルタイムで指摘したように、みんなそうなったでしょう。

今回の伊藤弁護士の敗訴というのは、イデオロギーや感情だけに身を委ねる事の恐ろしさを教えてくれる。我々はこれを現代の寓話だと思って、己を律するための参考とすべきだろう。

世の中の真ん中を見るセンスのない人間は社会運動などやってはならないし、そんな人間に扇動されてその気になるなんて、まるで自分の人生をどぶに捨てる(Ⓒ上野千鶴子)ようなものである。


追記 裁判の結果について

伊藤弁護士が上告すると言っていたこの裁判だが、まず高裁で5万円の賠償金が20万円に増額された。その後最高裁へ控訴するも、上告を棄却。同時に上告審の不受理が決定。

これにより伊藤弁護士の完全敗訴が確定した。


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