今年も亀戸天神で宮司vs鬼の伝統の一戦『節分血戦』が行われた
墨田区にある亀戸天神では、毎年節分の日に『節分追儺祭 (せつぶんついなさい)』が行われる。
節分の豆まきは皆さんもやると思うが、亀戸天神ではこの「邪気を払って福を招き入れる」「福豆を貰う(食べる)」という一連のイベントを、大掛かりにやってくれるのだ。
ライトアップされて幻想的な亀戸天神さん。ここは定期的にプロレス興行をやったりもしていて、歴史がある割に非常に寛容で面白い。
私が到着した時にはすでに人だかりが出来ていて、本殿の前だけぽっかり空間が空いているという、いかにも「今からここで何かしますよ~」という状況だった。
大昔、DDTの路上プロレスを観に行った時の事が思い出される。
まずは宮司さんや氏子の代表者らが本殿内でお祓い。観客達はそれが終わるのをただただ待つ。ぶっちゃけ寒かった。
長いお祓いタイムが終わると、皆さん手に豆を持って集合。このスタンバイが終わると遂に試合開始である。
宮司さん達の準備が終わった頃を見計らって、スピーカーから「お~~おおぉぉ~~」と鬼の雄叫びが聞こえて来る。
すると太鼓橋から赤と緑の鬼さんが登場。
写真をよく見て欲しいのだが、「鬼」と書かれた提灯を持ったスタッフに先導されて入って来るので、完全にやってる事はヒールレスラーの入場シーンである。
しかもこの鬼、観客にシャッターチャンスを作るために、定期的にピタっと動きを止めてくれるのである。なんてイイヤツなんだ。
ただし周囲のチビッコ達は半狂乱でギャン泣きだった。
観客達に充分に撮影タイムを提供したところで、鬼さんチームが宮司の前へ。ここからは毎年お約束の口上をぶつけあう、いわばMCバトルが始まる。
最初に鬼が「おいこら疫病ばらまいてやんぞボケ」的な事を言って脅かすと、宮司が「おめえらこのカミの国でなに勝手ぬかしてんだクソが」的な事を言い返し、最終的に鬼がビビってたじろいでほうほうの体で逃げ出すという試合展開。
それに向かって亀戸天神サイドの皆さんが徒党を組んで「鬼は外!」と豆を投げつけるという数の暴力。勧善懲悪のプロレスだとはいえ、鬼に肩入れしたくなる私がいる。
たまには亀戸天神関係者の裏話を調べ上げてアドリブでビーフかますなんて展開があってもいいのではないだろうか(出禁)。
この試合後には、集まった観客達の群れに向かって福豆が投げ込まれ、「豆が取れない」「豆が顔に当たった」と子供達が泣きわめく阿鼻叫喚の地獄絵図となる。
毎年思うんだけど、ひとりで何袋も取ろうとするひと(子供だけじゃなく大人も)がいるので、運良くキャッチ出来たらサっと後ろに引くというルールを最初に伝えた方がいいかもしれん。
やっぱ「貰えなかった」と泣いてる子供がいると可愛そうでならない。
という訳で、今年も無事にお豆貰えた。
これでバトマスサデコが作り放題だ!
なお、亀戸天神ではこんな具合に季節ごとに色々な行事を本気でやっているので、タイミングがあえば何か観に来るといいんじゃないかと。6月にやる茅の輪くぐりとかオススメ。
※ 本文ここまで
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