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両国民にとって9月1日は慰霊堂にお参りに行く日……&屋台で食い倒れる日である


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両国の横網(よこあみ)公園内に、東京都慰霊堂という建物がある。ここには関東大震災や、東京大空襲で亡くなった方々が祀られており、毎年9月1日には慰霊祭が行われる。

両国一帯は被服を扱う工場や問屋などが多く集まっていた。そのせいで震災時に起きた火災が一気に燃え広がり、大勢の市民が避難していた空き地(現在の横網公園、当時は被服廠跡)に [火+突風] が揃ってしまい、大規模な火災旋風が起こって数万人の死者を出してしまった。

これについてはNHKが震災の日に合わせて放送したこの番組が詳しい。どうして現在の横網公園でそんな悲劇が起こってしまったかを科学的に解説してくれている。

そういう悲劇が巻き起こった場所かつ、両国は江戸時代の昔から何度も大火に見舞われて犠牲者を出し、東京の空襲の際にも大きな被害を受けた土地である事から、慰霊堂では空襲の犠牲者も併せて祀られているのだ。

こういう話だけ書くと重々しく感じてしまうかもしれないが、長く両国に住むひとにとって、9月1日は重い日でもあり、楽しみな日でもある。

というのも、横網公園の目の前の通りにずら~~っと大量の屋台が出て、大規模な買い食い祭りが開催されるのである。京葉道路から蔵前橋通りまで屋台で埋め尽くされるので、中々の規模である。


京葉道路側はまだ比較的密度が低くてマシなのだが、この先の総武線の高架をくぐった辺りから話がおかしくなる。


絶賛工事中の江戸博の前が特に鬼門。みっちりと屋台が並んでいる上に、極端に道が狭くなるため、混雑する時間に行くと文字通り身動きが取れなくなる。どれがたこ焼きの列でどれが歩行者なのか全く分からない。

さらにここには大江戸線の出入り口もあるため、とにかく人が固まりやすいのだ。


そんな場所に遠慮なく襲い来る屋台群。慰霊祭は1日しかないので、屋台のおっちゃん達も売上を確保するのに必死である。


ちなみにこの日はホテルのレストランが中華、ステーキ、生ビールなどの屋台を出しており、正直言うと味のクオリティはここのが一番高い。普通にレストランクオリティなので、屋台で食べ物を買うよりも安心できる。


そんなこんなで横網公園を通り過ぎ、蔵前橋通りに到達。ここで屋台が終わるので、人の波もなくなり動きやすくなる。今回はここから左に曲がって人の少ない入口から横網公園に入る事にした。


ところがなんという事でしょう、お参りする人は少なかったけれども、それにも増して警備のお巡りさんや護送車で混雑していたではありませんか。

そうなのよ、ここには火災や空襲の犠牲者だけじゃなくて、震災のどさくさで殺された朝鮮人らに関する記録や展示もあるので、政治的なアピールに使おうとするヤカラが集まってしまうのよ。したがって混乱を防ぐために、こうやって警察も大規模な動員をしなきゃいけなくなる。

だけどな、9月1日って両国の人々からするとご先祖様の供養をする日でもあり、悲しい気持ちを屋台群で紛らわす日でもあるのね。江戸時代からの両国民である女房の実家も、身近なご先祖様が何人か亡くなってるそうで、お墓参りに行く感覚で毎年お参りに行ってるの。

両国っ子に子供が出来たら、手を引いて慰霊堂に連れて行ってナムナムさせて、この土地で何があったのか分かるように説明して、だけどそれだけじゃチビッコにとってはショックだろうから、帰りに屋台ではしゃがせてあげると。9月1日ってそういう日なんだよ。

そういう年に一度の大事な日だから、妙な集会や目立ちたいだけの政治的パフォーマンスとか勘弁して欲しいんだよね。右も左も関係なく、騒ぎを起こされるのは迷惑以外の何物でもない。

てか、この日この場所に関係ないお前らがピーチク言ってんじゃねえよ。お参りに来てる地元民達の邪魔をすんな。特にこの日は両国の子供達にとってテンションの上がる楽しい空間でもあるんだから、それを壊すような真似はすんなよ。

大勢の子供達が屋台に喜んでキャーキャー言ってる声を届ける事が、無念の内に火に焼かれて亡くなったご先祖様達への弔いでもあるんだから。あなた方の子孫はちゃんとこの土地で生きてますよと。血が続いていますよと。それを伝える日でもあるんだよ。

部 外 者 が そ の 邪 魔 を す ん な



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