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「梅毒の拡散が風俗業界のせいに?」 "臭い物に蓋政策" は無知と死を招く愚策

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梅毒の蔓延は風俗のせい?

先月末に、「いまどき梅毒が大流行してしまっている」という導入から、その要因を紐解く解説記事をアップした。

すでに(私としては)丁寧に書いた話なのでここでは雑に語らせて貰うが、早い話が以下の2点が致命的だったのだ。

・一定のルールを守って活動しているプロを締め上げた結果、危険な素人商売が幅を利かせるようになった。
・この国ではセックスワークや性行為に関連する職業が賤なるものとして蔑視されており、そのせいでその分野の専門知識が世間の人々に共有されなくなった。

細かく見て行くと齟齬が出るかもしれないが、私はこの2点さえ頭に入れておけば、こうした性に関する問題の殆どをかなり正確に説明できると考えている。

性に関する問題やセックスワークを下に見て、社会の隅に追いやったせいで、こうした人命に関する情報すら社会の隅に固まってしまい、一部の人間しか知らないレアな情報になってしまったのだ。

まずその状況があり、AV新法や、オリンピックへ向けた浄化作戦での風俗店イジメ等によってプロの世界が食えなくなり、セックスワーカーや金が欲しい素人女性がどんどんアマチュア商売に参入(?)して行き「このザマ」と。

さて、つい先日の事になるが、デイリー新潮にこのような記事が掲載された。取材に協力しているのは酒井あゆみさんという作家さんで、彼女は実際に梅毒に感染してしまった風俗嬢にインタビュー取材を行っている。

この記事の中では、私が前回の記事で述べたような話が、より生々しく語られていた。私が書いた記事の根拠は主に統計データで、それと自分自身のセックスワーク業界内部の人間(風俗嬢・経営者ら)から得た話とを照らし合わせて、憶測まじりに語っているに過ぎない。

憶測といってもかなり正確だとは思うが。

しかし、酒井さんの取材では実際に今も現場にいる人間の証言がある訳で、話の重さとしてはそちらの方がだいぶ上だ。
そんな彼女の取材結果であっても、結論は私と殆ど同じで、素人商売の危うさが根底にあるという論調になっている。


「風俗業界は真犯人にあらず」むしろそう見るとさらなる被害が広がるおそれも

風俗街・風俗店に梅毒が入り込んでしまったのは事実だろう。性器・粘膜接触が感染の直接の要因となりやすいため、風俗店が感染場所となる可能性は極めて高い。

しかし「どうしてこうまで蔓延したか」を考えると、真犯人は別にいると考えねばならない。

何故ならば、風俗店であればそこで働くセックスワーカーの体調管理や検査を徹底しているため、「そこでだけ起きている話ならば」社会問題となるような蔓延の仕方はしないと断言できる。

中には意識の低い風俗店や経営者もいるだろうが、今の御時世では昔と違って(※)風俗嬢同士がSNSを通じて横繋がりで情報を共有している時代だ。
であるから、梅毒のような命にかかわる情報は何より優先して回っていると考えるべきであろう。

※一昔前の風俗やAVなどの "女衒商売" では、働く女性に情報を与えず、孤立させ、愚民化した上で従順にさせるという手法が当たり前のように採られていた。20年くらい前に風俗・AVを経験している方なら「"嬢" 同士で連絡を取り合うな」と言われた経験があるはず。

では、どうして梅毒がこうまで広まってしまったのか。

答えは先日の記事にも書いたように、風俗店・セックスワーク業界というプロが活躍・管理する現場ではなく、万事においていい加減で無責任な素人が関わって来るからに他ならない。

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