
成年年齢の引き下げによって流布する「AV出演」に関するデマ
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成年年齢引き下げにかこつけて「若年者の契約問題=ブラック労働問題」を矮小化するひとびと

ずいぶん長いこと揉めていたイメージがあるけれども、今年の4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。
これについて様々なメディアが報じているのだが、その中に「AV出演問題」だけを切り取って伝えているものが見られた。
たとえばこれ。
"お約束の" 立憲・塩村議員が「とんでもないと思います」とコメントを寄せているが、何がどうとんでもないのか全く伝わって来ない。
というのも、この弁護士ドットコムの記事の中にこうある。
<成年年齢引き下げ後、特定の政策目的から、特定の取引類型について、当該取消権を行使することができる者を成年となった18歳、19歳の者にまで拡張することは困難であるが、いわゆるアダルトビデオ出演契約を締結したとしても、不当な手段によって締結された契約については、詐欺、強迫等を理由とする取消権を行使することが可能である>
小難しい書き方になっているので、もしかするとこれによって「日本語が読めないひと」が続出しているのかもしれない。
ここに書いてある内容を超ざっくりと翻訳するとこうなる。
「親(※法定代理人)の承諾を得なくても18歳以上なら自己責任でAVに出られます。未成年者契約の取消権は使えなくなりますが、詐欺や脅迫などを理由とする不当な契約は取消権を行使できます」
※民法5条 未成年者の法律行為
ようは、出演契約そのものは親など法定代理人の承諾を得なくても結べるようになるが、仮に不当な契約だった場合は、AV女優の方から契約を取り消せるようになっているのだ。
「じゃあ何が問題なんだよ」と思うのが普通の感覚ではあるまいか。これ以上、どこにどんな問題点があるというのだろう。
これについて、こちらのサイトにはもう少し詳しく書かれている。この中に塩村議員が提出した質問書の内容があるので、それをご確認いただきたい。
※長くなるので全文は↑こちらをご参照ください
塩村議員、私のツイートに反応

これについて、あまりと言えばあまりな内容だったので、Twitterでこのように批判的な引用RTをした。
なんでこの並びでAV出演強要なんて「半分がでっち上げ」みたいな胡散臭い話が真っ先に出て来るのか。
— 荒井禎雄(専業主夫を志望するフリーライター) (@oharan) March 7, 2022
とてもクリーンとは言えない業界ではあるけど、このラインナップで優先して取り組むような話か?
言ってみれば「他はAV問題以下」と言ってるも同然だぞ? https://t.co/o0jc96Fm3s
すると、ものの数分で塩村議員自身が反応。
AV被害を取り上げると必ず斜めからの批判が来ます。でっち上げもそのひとつ。私の知人にも被害者が複数います。本日は国際女性dayであり、女性活躍大臣がいる内閣委員会でまさに今日こそ取り上げるべき質疑。委員会は大臣と所管が決まっているんですよ。しかも、本日は所管大臣の所信に対する質疑です https://t.co/uXZUp4k0q5
— 塩村あやか💙💛🐾参議院議員(りっけん) (@shiomura) March 7, 2022
私の批判的な意見を「斜めからの批判」と言ってくださっているが、果たして私の指摘は「誰から見て斜め」なのだろうか。
ツリー化しているので、詳しくはツイートそのものを追って欲しいのだが、私が指摘している点を簡潔に並べるとこうなる。
・今なお問題視されるべきAV出演強要問題とは具体的に何か?
・数年前のAV出演強要問題でAV業界はだいぶガラス張りになり、契約内容も激変したが、それでもなお足りない部分とは何か?
・若年者の契約問題はAVに限らず、また性暴力に限らず、日本が長く患っているブラック労働問題そのものである。AV業界は一度ヤラれている事もあり芸能界やブラック企業に比べたら比較にならないほどホワイト化した。
・AVに話を矮小化すると、それ以外のブラック労働問題が忘れ去られる事になり、根本的な部分の解決が遠のく
塩村議員からはその後何の返事もないのだが、この指摘は本当に斜めからの批判なのだろうか。私にはこれを斜めという人間の感覚こそ、本気でよく分からない。
新成人が契約関係に無知な為に、ズルズルとと言うのでしたら契約関係の知識の啓蒙とか、そっちの領域です。仮に18歳はダメとしましょう。20歳なら被害にあう確率が減ると言うことはありえません。AV特有の事ではなく、新成人の契約関係全般事例の領域です。そこを見るべきでしょう。 https://t.co/9ukYdYygYa
— 鳳 明日香(氷結の棺を打ち砕きし、不死鳥(フェニックス)) (@phenixsaber) March 8, 2022
これについて、鳳氏も援護射撃をしてくれているが、やはり彼も「ブラック労働そのものをターゲットにしろ」といった意見なのだと思われる。「AVに限った話かのように矮小化するなよ」と。
今の適正AV業界のプロダクションと女優さんの契約書は、契約したとしても、いつでも女優さんから一方的に契約解除できるってことを、こういうニュースではぜひ書いて欲しいな。18歳、19歳にかかわらず、働く女性が非常に優位な契約書になってます!https://t.co/q6MRfhYOqt
— 中山美里@美熟女AV女優と中高年の恋活イベント開催する人 (@misatonakayama) March 8, 2022
また、AV業界の契約問題に関しては、中山千里氏がこのようにツッコミを入れてくれている。彼女はおそらく今最もAVプロダクション界の事情に詳しいライターなので、最新の情報を知りたいなら彼女に取材してみる事をオススメする。
さて、これらの情報を並べた上で再度お考えいただきたいのだが、私のこれらの指摘の何がどう「斜めからの批判」なんだろうか。
自分に都合の悪い意見をすべて「斜めからの批判」すなわち「本筋と無関係な取り上げる価値もない批判」としてしまっては、言いたい事だけ垂れ流し反対意見に一切耳を傾けない、単なるカルトではないのか。
まあそれでも立民らしいと言えばこれ以上ないほど立民的なのだけれども。
政党として「そんなだから」ここまで状況が悪くなったんじゃないかね。
立民は、もし政党として生き残りたいならば、まずはカルト化を改めるべきだろう。
塩村議員の質問書に直接ツッコミ入れてみる

それでは最後に、これらを踏まえた上で、塩村議員の質問書の内容について直接ツッコミを入れて行く。
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