見出し画像

[過去記事掘り起こしシリーズ] 「歌舞伎町の風俗店を張り込め!」とある筋の方に頼まれた探偵のアルバイト

たまには違う話を!

ここしばらく、フェミだとか立憲民主党だとか、ツッコミを入れたくなるヤラかしをしてくれる相手が固定されていたため、「主に特定の相手をクソ叩きにするnote、たまに飯の話」という、とてもお恥ずかしい方向性になってしまっていた。

という訳で、たまには毛色の違う話をしておこう!という事で、久々に過去記事の掘り起こしをしてみようと思う。

今回掘り当てたのは、今から8年ほど前にWEB媒体に寄稿した記事で、元サイトは電脳空間の藻屑になってしまっている。

知っているひとは知っていると思うが、私はかれこれ20年近く前に探偵ファイルという当時モンスターサイトと呼ばれていた情報サイトのプロデューサーをしていた。

探偵ファイルというのは、自称日本一の探偵、実態は何から何までインチキという、前科のいっぱいある興信所上がりのオッサンが作った探偵会社がバックボーンになっていた。

そのため、探偵としての仕事を記者が勝手に受けるという、探偵の闇営業が横行していたのだが、私も何度かそうしたバイトに駆り出され、お小遣いを稼がせていただいた事があった。

この記事に書いたのは、そんな闇バイトに精を出していた頃の、心温まる思い出話である。

「歌舞伎町の風俗店を張り込め!」とある筋の方に頼まれた探偵のアルバイト

今でこそすっかり静かになってしまったが、一昔前の新宿歌舞伎町は世間一般の常識とは違う理(ことわり) で動いている街だった。 言ってみれば足の置き場を間違うと即座に爆発の起きる地雷原のようなものである。

今から10年近く前、友人から妙な依頼が回ってきた。 「歌舞伎町の風俗店が火薬庫みたいになってんだよ。 ちょっと調べるの手伝ってくれない?」 だそうだ。 歌舞伎町自体が火薬庫みたいなものなのに、その中でも特に危険な状況とはいったい……。

当時の私はとある探偵会社が運営している情報サイトのプロデューサーという立場にあった。 私自身は探偵としての訓練を受けたことなどないのだが、それでも変に目立つ肩書きがあると ”この手の調べ事” が回ってきてしまう。

この時の依頼主も、探偵事務所に正規の依頼を出したところ、とんでもない高値を吹っ掛けられたそうで、「じゃあ個人で請けてくれるヤツを探そう」 と、巡り巡って私にまで落ちてきたのである。

「歌舞伎町の風俗店で切った張ったの一大事!」 という、実に興味深い内容だったため、好奇心が抑えられずに依頼主に会ってみると、やって来たのは地味なスーツを来た小柄な男性(以下A氏)。 だが眼光だけは妙に鋭く、待ち合わせ場所の風林会館パリジェンヌ(ベタ!) にぴったりなオーラをまとっていた。 挨拶もほどほどに、A氏はこう切り出した。

「つい先日、この辺りの風俗店に一斉にガサが入ったんです。 それでワシらが面倒みとる店が何軒もヤラれまして。 それについて少々調べていただきたいことがあるんです」

ここから先は

1,992字
[料金] 500円(月) [更新頻度] 2018年11月の開設以来、毎月約20本の記事を掲載しています マガジン購入者限定のネット配信番組なども思案中ですので、ぜひ応援よろしくお願いいたします。

月刊汁マガジン

¥500 / 月 初月無料

元芸能記者、元AV監督などなど流浪の人生を送るフリーライター荒井禎雄が、時事ネタ・地域批評・グルメなど様々なジャンルの記事を書いています。…

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。