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性格の悪いヒロインが書きたい


『サヨナラ坂の美容院』のヒロインの葵は、ちゃっかりしたいい性格の女子高生のつもりで書いたら、担当さんから「純粋な子ですね!」と言われてひっくり返った記憶があります。性格の悪い子が、性格の悪い子なりに一生懸命生きる話が好きなんですが。

乙女ゲームのシナリオ書いていたとき、担当さんに口酸っぱく言われたのは「ヒロインもっと可愛く」「これはヒロイン可愛くない、もっと可愛く」でした。
一社だけでなく、何社からも言われ続けました(ちなみに唯一言われたことのない会社では、男装ヒロイン政治系だったために、ヒロインをむしろもっと頭よくと言われ続けたのでした)。
自分女子書くの下手なのかなあとかなり悩みました。そのあと普通に性格の悪い子を小説で書いていたら「この子一生懸命で可愛い」「この子好き」という言葉を何件もいただき、ますますわからなくなりました。

乙女ゲームのときは、ヒロインがユーザーの代理な訳だからニュートラルな立ち位置で書かないと駄目だったわけですが、小説の場合は一生懸命生きてる描写を書けば受け入れてもらえるんじゃないか?
そうは思っているものの、性格の悪いヒロインって、何故か小説だと少数派です。

『アクタージュ』の景とか


『響』の響みたいに


性格がきつくっても人を惹きつけてやまない子が書きたいのですが、マンガと小説だと見せ方がどうしても違うせいか、性格の悪いヒロインがなかなか魅力的に映りません。したたかだったりちゃっかりしてたり計算高かったり。そんな子が好きなんですが。

別に悪役でなくっていいんです(というより、悪役は主役の対義なんでむしろ魅力がなかったらただの小悪党になってしまいますし主役の前座は駄目です)。性格の悪いヒロインが書きたいです。


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