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かぶらずにはいられない

私は、お調子者である。


体力がないが故に叶わないが、

本当はゆるキャラのきぐるみのアルバイトをしたい。

すればええやんと思うかもしれないが、

イベントに登場する 

本気のキャラクターのかぶりものとは

文金高島田の白無垢の花嫁衣装の重量の上、

呼吸を塞がれ、視界が狭くなるので、

体力がいるのだ。


なぜ知ってるかというと、

一度だけ所属していた生活協同組合のイベントで

牛になったことがある。

勿論、はい!はい!はい!

私にかぶらせてください!と

意気揚々と張り切って

大きな牛になったのだが、

重いし、視界が狭すぎるし、

介添さんがいないと歩けない。

かつて大好きな和装で挙げた自分の結婚式を

リアルに思い出した。

でも、手を振るだけで子どもたちが喜ぶ。

人生で一番容姿を褒められたあの結婚式の瞬間が

デジャブする。

とても幸せだったが、

軟弱な私は1時間ほどでその暑さ、息苦しさに

音をあげた。

若い生協の男性職員さんがバトンタッチし、

ヤンチャな子どもたちと軽く組み合ったりしている。

あー、全然私の体力じゃ無理なんだ…

そんなわけで、

高知ではたまにゆるキャラバイトの告知が出るが、

身の程を知っているので諦めている。


しかし、

子どもの行事で仮装案件があるときは

もらさずかぶりものをしている。

顔が出る、ライトなかぶりものだが、

今年はとうとう、

全身ポケットモンスターのピカチュウになって

子どもの運動会に出た。

(本当はご当地ゆるキャラである

くろしおくんとか、

カツオ人間とか、

カツオニャンコになりたかったのだが、

そういうレンタルはないし、また、裁縫が死ぬほど下手くそなので、自作もできない。)

ピカチュウの黄色い布の間から丸く出た顔は

たまに見かけるメガネのおばさんでも、

全体的にどうやらピカチュウらしいというだけで、

純真な子どもたちが喜んでくれる。

本当にありがたい。


でもそんな純真さや

他の気合いの入った保護者の仮装を目の当たりにすると、

やっぱりインターネットの2日レンタルで

よく遊園地とかにいる

ほんまもんの可愛いウサギさんとかの

全身かぶりものを

借りれば良かったな、と、しつこく後悔している。

次回があれば、きっとレンタルに手を出すだろう。

なかなか、

かぶりたい人と

かぶるのをみて喜ばれる場所が一致する

というのは貴重なことなのだ。











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