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もし君を一途に愛していたならば… Ⅻ 最終回

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いつかの同窓会。
私は大介と結婚した。親も大賛成し、幸せな家庭を築いていった。

春香や麻美と再会したときに、こんな話を耳にした。

麻美「本条勇也って覚えてる?」
私「うん、勿論」
春香「私、最近勇也君と仲良くなったんだけど、元カノに未練タラタラみたいよ」
私「…へえ」
春香「なんかね、食事誘ったら来てくれるんだけど、元カノの話しかしない。私もう飽きちゃった、勇也君とご飯に行くの。」
麻美「イケメンなのにもったいない」
春香「本当にそう。でもね、あいつには幸せになってほしいってよく言うの。」
私「そう…なんだ」
麻美「優しいねえ」
春香「そうなのそうなの。」

私はもっと話を聞きたかったけど、耐えられそうにないのでトイレに行くふりをしてその場を離れた。

どう流れで春香と勇也が仲良くなったのかは分からない。
それよりも、未練タラタラ…?
ってことは、私の後にまた彼女ができたってことなのかな。
そう思ったけど、なぜかそうは思えなかった。


お開きの時間、春香も麻美も二次会に行くといったけど、私は行かなかった。
「行ってもいいよ」と、大介は言ったけどなんとなく帰る気になったから。

私は、もう1度勇也に会えるなら一つ聞きたいことがある。

貴方が本当に想っていたのは誰なのか。

もしもあの時。ひどいことを言わなければ私の旦那さんは変わっていたのかな。
もし君を一途に愛していたならば、私は本当に好きな人と結ばれてたのかな。
そんな、一生答えの出ないような問を頭に浮かべ、掻き消した。

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