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お医者さんによって全然違う喘息治療

長女が小児喘息と診断されたのが2才になってすぐでした。
それから3年治療を続けてきて症状が出なくなり、全ての治療を卒業して1年が経ちました。
この1年、何も症状は出ませんでした。よかった。

長女の喘息は程度としては軽度だったようですが、最初に通っていた小児科ではずっと気管支炎と診断され薬を処方されていましたが、ヒューヒュー喘鳴が聞こえるようになって、これって本当に気管支炎なの?と毎日が不安でした。
薬を飲んでいてもよくならないし、でも小児科の先生は気管支炎だと言うし。

ちょっと別の小児科に行ってみようかなと思い、その時住んでいた地域でママさんたちの間でかなり厳しいと評判だった先生の小児科に行ってみました。

今思うと、なんでわざわざ厳しくてママに当たりがきついと言われていた先生のところに行ったのか謎なんだけど、その時は、子供の症状をしっかり見極めてもらえそうと思ったんですね。

行ってみたら本当に上から目線のめちゃくちゃ圧かけてくる男の先生だった。笑
でも、すごくしっかり子供の様子は見てくれて薬に対する考え方も慎重だったから、お任せしてみたい・・と思ったのです。

それであっさり、「小児喘息だね」と診断されて。

「気管支炎と言われて3ヶ月も同じ薬飲んでたの?おかしいと思わなかった?この薬飲んでても治んないよ」
からはじまり、

「咳でるって1時間でどのくらい?」
「1回につき何回コンコンてする?」
「コンコンて2回?それともコンコン、コンコンコンて5回?」
「どのくらいで治まる?」
「咳がでる時間帯は?」
「何してるときに咳出やすい?」
「寝てるときは?どのくらい咳出る?」
「ヒューヒュー聞こえる?」
「夜は寝れてる?」

などなど矢継ぎ早にいろんな質問が飛んできて、テキパキしっかり答えないと嫌な顔をされて。笑

え~と…などと言い淀みようものなら

「わかってる?子供のこと!」
「子供は小さくてまだ自分で言えないんだから!お母さんがちゃんと見てないとだめだよ!」

…こえーよ。
評判通りの厳しさだわな…と。

「ぜんそく日記」という細かく症状を記入するノートをもらい、帰ってきました。
けど、もらった薬はキプレス(発作予防薬)と咳止め(風邪用の)だったんですよね。
吸入もなかったのです。

当時は喘息に関して全然知識がなかったから、この処方の仕方になんの疑問も抱かなかったのですが、それから小児喘息に関して勉強して喘息に関する本を読んだりすると、あの時軽かったとしてもあきらかにヒューヒューいう発作が出ていたのに、なんで発作止めの薬は出なかったんだろ?と思います。

2週間、毎晩キプレス飲んで朝昼晩と咳止めを飲ませていても、ヒューヒューは治らないし咳をよくしたまま。

これでよくなるのか??
コロコロお医者さんを変えるのもどうかと思うし、もう少し様子を見てみよう…と思いました。

小児喘息のほとんどは、思春期を迎える頃までには自然によくなるとされています。
かといって放っておいていいわけではなく、その間に適切な治療をうけて、子供のうちに薬なしでも発作がでないという状態にすることが大事です。

まずは3才までに薬をやめても大丈夫な状態にできるか、そこが無理だったら就学前までにその状態にできるか。
そのような説明を受けました。

予防薬のキプレスは今出ている発作には効かないというのは調べてわかったのですが、でも先生は
「胸の音はきれいだから。また同じ薬を続けていこう」と言う。

確かに診察時はあんまりヒューヒューしてない。
でも寝るときや寝入りばなは咳がひどいし、ヒューヒュー聞こえてくるのです。

2週間ごとに小児科に通っていましたが、毎回診察は緊張し、質問に答えられるかドキドキし、こちらから聞きたいことがあっても何も言わせない空気でした。

通いだして3ヶ月くらい経ち、毎回毎回緊張しながら通うのもーやだわ、小児科でこんなに高圧的ってどーなの?そもそも長女の症状が全然改善されてないし。と思うようになってきました。

そこで、素人考えで大変申し訳ないとは思いましたが、思いきってあの威圧的な先生に意見してみることにしました。

いつも通り早口で咳の頻度に関する質問を受け、全部答えると
「じゃあまたキプレスと咳止め出すからしっかり飲ませるように」
と、毎度おなじみのセリフを言われたので、今日こそは言うぞ…!と勇気をふりしぼり、

「先生、ずっと同じ薬をいただいて飲ませていますけど、咳がよくなっているとは思えなくて…。ヒューヒューをちゃんと止めてあげたいんですけど」

すると先生が「…は??」というような表情を見せ、

「ヒューヒューなんかしてないじゃん、胸の音はきれいだと毎回言ってるよね、今だって全然咳してないじゃん」

「でも寝るときはすごい咳するし、寝ている間も出るんですよ」

「一晩中?寝てられないくらい出るわけ?」

「一晩中ってわけではないですけ…」

「ほら!横になっていられないほどじゃないんでしょ」

「でも、このまま咳とかヒューヒューがちゃんと治まらないのであれば、吸入などで発作を押さえる必要はないのかな?と思ったのですが」

「あのね!この子喘息なんでしょ!?喘息の子は咳するの当たり前だよ!!喘息の子は気管が弱いんだからちょっとの刺激で咳が出るんだよ!!吸入なんてのは一晩中ゼーゼーヒューヒュー咳も止まらなくて入院するような子が使うものなんだよ!こんな軽症患者に使うもんじゃないんだよ!!!わかった!?!?」


ええええ…。
クリニックに響き渡るような大きな声でお怒りでした。

私は、この子が薬を服用していなくても喘息の症状が出ないようにしてあげたくて病院通いを続けていたのに、肝心のお医者さんがそこを目指していないのかとがっかりしたし、素人考えを述べられて頭にきたのかもしれないけど、小児科という小さな子供の病気に関して不安でいっぱいな母親が通う場所なのでもう少し親に寄り添う姿勢を見せてほしかったと感じました。

もーいーや、ここはだめだ。

ふと気づけば、予約制でもないのにいつ来ても他に患者がいなくて待たなくていいのは楽だったけど、それだけ人気のないクリニックだったんじゃないの?とか意地の悪いこと考えながら怒り心頭で会計を待ちました。

そしてまた同じ薬の処方箋が出ましたが、薬はもらわずに帰ってきました。

家についてから他にクリニックを探しまくり、家からバスに乗っていく距離だったけど、小児喘息の専門医が開業している小児科を見つけて、とにかくまずはこれまでの治療を伝えて話を聞いてみたいと思い、喘息外来という時間帯に予約を入れました。

くまさんみたいなすごく温厚な男の先生でした。
私の話に口を挟まないで最後まで聞いてくれ、
「まぁ、、治療の仕方としては大きく間違ってるわけではないんだけど、この子にこの薬をずっと処方していても喘息は治まらないね」
と言いました。

「軽症ではないですね、、むしろ重症とは言わなくても、けっこうひどい状態ですよ」と。

まずは今起きている発作を止める治療をする、そして発作がでないように毎日予防薬を服用するという話を聞きました。

この日から朝晩毎日発作予防の吸入がはじまりました。
それと合せて発作止めの吸入。

発作止めの吸入をしたらすぐにヒューヒューという喘鳴がなくなり、それから咳をすることはあっても喘鳴はしなくなりました。
発作止めの吸入は1週間ほどで中止し、寝る前の予防薬の粉薬と、朝晩の予防薬の吸入のみ毎日行いました。

2年半この治療を続け、花粉、台風、インフルシーズンと発作なしで過ごしてきて、吸入を一度やめて、寝る前の粉薬のみになりました。
そこからまた半年たって何も症状が出なかったので粉薬もやめることになり、喘息治療を完全に卒業しました。

そこからさらに1年経った今、風邪を引いて咳をすることはありますが、喘息の症状は出ていませんが、風邪を引いたらひどくならないうちにすぐにクリニックに行くようにはしています。

一番最初のクリニックで気管支炎と診断されていた時はすでに喘息だったのでしょう。
次のクリニックの先生は薬の過剰使用はしないという方針で、それは悪いことではないと思うけど、喘息の治療に関しては私の思いと合いませんでした。

最終的にお世話になった先生は、喘息は早期発見早期治療、そして就学前には完全に発作なしというのを目標にされていたので、私は納得できました。
そのために毎日ステロイド吸入というかなりしっかりした治療をしてきたわけですけど、そのおかげか薬なしでも(今のところ)大丈夫に過ごせています。
小さいのに毎日じっと吸入をしてきた娘も本当にがんばりました。

喘息が出なくなったのは子供が成長して体が丈夫になったというのもあるでしょうけど、もしあのまま厳しい先生の元に通っていたらどうなっていたのかな?と怖くなります。

この先生のクリニックに他のママさんも行ったらしいけど、「なんでこんなひどくなるまでほっといたんだ!!なにしてたんだ!!」と説教されたらしい。
子供が鼻水が出るようになって数日たち咳が出るようになったから診せた方がいいかな?くらいのそんなに深刻には考えてなかったらしいのに、いきなり怒鳴られてびっくりしたと話していました。
子供を思っての発言なんだろうけど、言われたお母さんは凹んじゃうから、もうちょっと言い方とか、気をつけてもらえたらいいのに。

まぁ小児科がたくさんある地域だから、いやだったら行かなきゃいいだけなんですけど。

色んなお話を伺ったうえで、自分たちにとって一番の選択をする必要がありますね。
小児科の先生によって、様々な考え方があるんだなとよく勉強になりました。

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