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儚い景色と私の10代
先日草津温泉へ行ってきた。
3月26日から3泊した帰りの事。
何気なく窓の外をみて「あれ、この道通ったっけ?」
行きの時には咲いていなかった桜が満開で、全面ピンク。
あまりの美しい光景に、違う場所に来たのかと思ってしまった。
桜。
一週間だけの命。
ピンク色に彩って初めて存在に気付くけど、いつもこんなにも身近に桜の木ってあるんだな〜って驚いた。
一週間後にはこの景色は見れないなー。
桜の木があることにも気づかなく通ってしまうんだな。
でも、また夏になったら、秋になったら、冬になったら、違う綺麗な景色が見えるのかな。
こんな事思ったことがなかった。
5月に20歳になる私。
ちょっと大人になった?
いや、数年ぶりの桜に興奮しただけか。笑
10代最後の桜を見て思った事。
さらば私の華の10代。
青春という青春も謳歌せず、
恋愛も、ろくにしなかった。
幼い時にアメリカから日本に引っ越してきて、なかなか馴染めず自分を見失った学生時代。毎日使っていた英語がどんどん分からなくなり、大好きな人たちともうまく会話ができなくなった。
高校から単身アメリカに行ってホームシックになり、祖父母から追い出され、転々と住まいを移り、酷い扱いを受け、初めて私の中から笑顔が消えた。
「華の」というほど綺麗なことばかりじゃなかったけど、楽しいこともいっぱいあって、あっという間に過ぎてしまった時間を振り返ると、儚く美しいものだったのかなと思う。
小さく不恰好だけど、綺麗な桜の木。
そんな10代、楽しくって好きだった。
もう少しで20代。
あっという間に過ぎてしまうだろう。
周りを見てると華やかで楽しそう、人生を謳歌している様に見える。
でも、きっとそんな綺麗な事にはならないだろう。
今までも、いつまでも、あたしは不器用で不恰好なままだと思う。
でも、一生懸命育ち、咲き乱れれば、きっと美しいものになるだろう。
20代も頑張ろう。
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