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ラブレター


そのままの意。
チバが亡くなった頃、やりきれない思いはラブレターにしちゃいなと友人に言われ、自分には無い視点だと目を丸くした。なるほどラブレターか。

ラブレターというのもののイメージとして「好きです」を伝えるものだとふんわりあるが、ここでは多少の自己解釈を足し好きな人やら物やらに愛を出し切ることとしよう。

○紙の本
転勤族故引越しが多く荷物は少ないに超したことはないが、手放せず増えていく一方なのが君たちです。
昔ほどお迎えする頻度は減ったけど、デジタルデバイスで活字を追えるいまでも、私は紙で作られた君たちが好きです。
今までもこれからも沢山の読書体験と共に生きていきたい。
本を読んでいて、鳥肌が立つ瞬間、頁を捲った時に息をのむ瞬間、読了後のなんとも言えない満足感、この上ない贅沢な時間の使い方だと思うし、幸せの味わい方だと思う。

○友人O
ラブレターの案をくれた人。
大学生活彼女無しでは生きていけなかったといっても過言ではない。
私は私のペースで生きていられるし彼女は彼女のペースで生きていて、そこが不思議と重なる時、それはとても愛しい時間だった。
恋人よりも恋人に近しいのではと思うし、家族というか、たまに会って「ああここが居場所か」となるような。うん、家族、とくに姉妹に近いものを感じるね。

今は北陸の方にお住いなので、物理的な距離はかなりあるけど、また年一の旅行計画立てようね。

○友人S
高校時代からの腐れ縁だともう思う。
だっておかしい。
暗黒を煮詰めきったような高校時代にバンドメンバーだったくせに、いまでも連絡取り合ってるし、ご飯行くし、死にかけてた時はとても励ましてくれた。
高校時代から縁が続いて時たま会うのはもう君だけだ。

人に対して「好き」を伝えることがどうしてこんなにもハードルが高いのか。
異性であれば尚更。

友人に好きと伝えることも難しいほどにロマンスを周りは求めすぎている。ただ私は君のことを純粋に好きだしだらりだらりと話していたいし、薬が増えそうな時は全力で相談させてもらう。君の専門分野なのだから。

○チバさん
好きです、一目でいいから生で見たかった。
まだ全然立ち直れてないし、いない現実を直視しないように心を守っている。

チバさんの字がものっすごい可愛いというか、優しいというか、あれフォントになんないのかなってレベルで好きで、実はひっそり真似て練習している。あの字を自分で生み出せたら日々の日記も楽しくなりそう。

書かれる詞のなんと美しいことか。同じ景色を見ても見えることがないものを見て、感じて、というその感性であったり引き出しであったりを構成するものの膨大さを著書を読んで納得した。すごい人はインプットも凄い、これはもちろん当たり前。まだまだ生きて楽しまないとなあと思った。
今も昔も、ずっと救ってくれているのは彼の音楽。

○靴
(今のところほぼ)ドクターマーチンしか履かない誓いを立てているので、革靴なのに酷使している。ごめん。本当は休ませるべきなのも知ってる。ごめん。

いつも何処へ行くにももうマーチン無しじゃ楽しくないのだ。
ラバーソールが道を鳴らす音も、少し重さのある足元も、ギュッと締まってほんの少し痛い気もする足首も、ピカピカしてるところともう磨いてもどうにもならない傷と、それらと色んな所へ行くのが楽しい。
飛行機って、ブーツとかは1度脱がないといけないのだけど、それでもプライベートで飛行機に乗る時は必ず10ホールのマーチンで行った。
金毘羅さんをマーチンで行こうとしてるのだけどさすがにきついかなと悩んでいる。
でも稲荷山はマーチンで何回も登った。

これからもたくさん旅をしよう。いい靴は素敵なところへ連れて行ってくれるというが、正しくそうだと思う。

○後輩くん
イニシャルは無くてももういいだろう。
君の作品を見てつくづくカメラ欲しい欲が刺激されて参っている。人に撮られることが久しぶりで私は私でデレデレしていた。いよいよ数多の罪悪感で潰されそうになるが。というか既に押しつぶされた上で図太くやっているのだが。
実際在学中被った期間はたった1年とはいえ出会えたことを嬉しく思うし、どうかこれからもよろしく頼むとここを介して伝える。

全ての人に共通するが、先述したようにもっと気楽に好きと言える世界であればよかったと激しく思うね。
そしたらもっとあけすけに愛を伝えていけるのに。
難しいものだ。恐らくそういう変な意識をしている自分も難しくしているひとりなのだろう。

オチがない。好きだ好きだと少しでも言葉にすることを今年の目標にでもしてやろうかな

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