キングダムカム・デリバランスという、名作ではない良ゲー
Kingdom Come: Deliveranc、それは人生。
おはようございます。
三度の飯よりお使いゲーが好き、Oha Ryukiです。
今回語るのは私が大好きな「気軽さが無さすぎて友人には勧められないけれど、声を大にしてオススメしたい」ゲームです。
けして名作でも傑作でもない、良作オープンワールドRPG「キングダムカム・デリバランス」を語らせてほしいと思います。
このゲームの悪いところも語っておりますので、購入をためらわれる方の一助になればな〜、と。例によってパッション執筆です。
舞台は1403年、神聖ローマ帝国の領邦ボヘミア王国(日本だと室町時代くらい。領邦はざっくり言うと幕府に対する守護大名みたいな感じかしら?)。
主人公はボヘミアの片田舎で外の世界を夢見る鍛冶屋の息子「ヘンリー」君。
彼がグダグダ言いながら父親にお使いへと駆り出されるところから物語は始まります。
このヘンリー君、悪友とつるんでは人んちにウンコを投げるイタズラをしたり、代金を払わないアル中親父をボコボコにしたり、歯の浮くようなセリフで彼女を口説いたり…と、どこにでもいるような悪ガキ。
そんな平凡な青年の生活は、ボヘミアの王位継承に伴う侵略戦争のはじまりによって破壊されてしまう……
そんな感じのイントロダクション。
上記にある通り、ヘンリー君は中世に暮らす平々凡々平民育ちのただの青年。文字も読めないし剣も苦手だしお腹もすくし睡眠はいっぱい取らなきゃ死んでしまう村人Aにすぎません。
このゲーム、剣はあっても魔法はない。野生の獣や敵兵士はいてもモンスターはいない。
リアルな中世の風俗に即した、平民の青年の成り上がり物語です。
まぁ〜不便!初期ステータスではその辺のおっさん盗賊にも太刀打ちできないし、オートセーブも(ほぼ)なく、セーブするにはちょっぴり割高アイテムを使うか、安全なベッドで睡眠を取らねばなりません。
食事を取らねば死んでしまうし、食べすぎても具合が悪くなる。弓にレティクルはないし、ファストトラベルだってリスク満載で、まぁ〜不便!
でもそれが面白い!
このゲームは不便を楽しむゲームだと考えてください。時間とプレイヤースキルで何とかするゲームなんです。
剣と魔法の世界で、アシストがついていて、オートセーブがある。便利でストレスのないゲームがしたいなら名作と名高いオープンワールドを楽しめばいいのです。
これは不自由を楽しむ選択肢のひとつ。それさえ飲み込められればこれほど自由なゲーム体験はありません。
必要なのはひたすらに「慣れ」です。
私はまんまとその面白さにハマり、全難易度プレイでトロコンまでクリアしました。
その上で不満を上げるとすれば
ロードが長い
進行不可能となる理不尽なバグが存在する
続編製作予定なため、ストーリーが微妙なところで終わる
あたりかしら。2とか洒落にならんやん!と思うでしょうが、一応対策はあります。
まず1から。
これはハードの差でなんとかなりそうです。私は旧型のPS4でのプレイでしたので長く感じましたが、PCあるいは別のハイスペックなモデルのハードならばさほど長くない…はずです。
個人的には内容がおもしろいし気になりません。そう言えば長いな、くらい。
2に関しては、残念ながらこまめにセーブしてロードできるポイントを増やすしかありません。セーブスロットもそれなりに多いため、進行が1〜2時間ほど巻き戻る覚悟さえあればなんとか「は」なります。
クリア後2周目に1周目アイテムがインベントリに残ってしまう、進行不可(になりうる)バグもありますが、1周目データを消去することで解消できました。つらすぎるトロフィーデータは保持されるので、思い入れ以外ダメージはないかしら。致命傷です。
3は
どうしようもないですね!
予算と納期と容量の都合でしょうか。
たくさん貢いで続編を待ちます。
バグに関しては、洋ゲー慣れしているゲーマー諸氏はおわかりでしょう。こんなもんですね。
ソシャゲの超速更新〜修正サイクルのあおりをうけてか、国内産ゲームは割とすぐ修正パッチを当ててくれる印象ですが、海外ゲームは大手であっても即対応してくれることは少ないように思います。対応しきれなくて燃えてたよね。
ましてやキングダムカム・デリバランスは2018年リリースのゲーム。2022年現在ちょっと対応してもらうのは難しいかな~、てなもんで。
しかしながら、このゲームはコアなファンが多い作品です。熱量の高いゲーマーが少数で考察しあっているため、有志の攻略wikiが充実しています。詰まってしまっても安心、先人の叡智が助けてくれます。悪いと感じる所は以上でしょうか。
さて。
私がこのゲームを良い!と感じる所、
≒システムについても語らせてください。
主人公ヘンリー君、弱い!
本当に弱い。強い装備を手に入れても、最初はそれを振るう腕力も敏捷性もない。人を丸め込もうと交渉を試みても、自信も後ろ盾もない小僧の言葉なんてだ〜れも信じない。
最初は本当に弱い。だがそれがいい!
ヘンリー君は磨けば光る、才能を秘めた奇跡の子。地道な訓練で最強の存在になれるんです。
無双系のように一対多数を相手取ることは難しく、爽快感はないです。それは別ゲーに譲りましょう。
地道に兵士としての訓練を積み、トーナメントで力を示す。力こそパワーの脳筋ヘンリー君になるもよし。
夜な夜な徘徊し隠密性を上げて暗殺者ヘンリー君や、こそ泥ヘンリー君になるもよし。
野蛮なことはNPCに任せてしまい、貴族の装束に身を包み、弁舌を磨いて詐欺師交渉人ヘンリー君になるもまたよし。
権力にへつらい綺麗事をならべ、裏で手を汚す偽善者プレイや、全ての罪をお構いなしに犯す大悪党プレイもできます。ついでに彼女もできるしお風呂屋さんにもいけるし不倫もできます。努力でなんとでもなるところがとっても◎
終盤ステータスを上げて適切なスキルパークを振ってしまえば、食事も睡眠もほぼ不要の薬とアルコールで動くばけものヘンリー君ができます。
私は最初のトレーニングポイントで筋力と敏捷性を鍛えまくり、深夜村々の扉をピッキングして回ることで隠密を上げた暗殺者プレイが好きでした。
敵拠点にて遠距離から狙撃、ひとり、またひとりと兵士が倒れ、あたりを警戒しに出たはぐれ兵士を暗殺……もはやそういう妖怪プレイ……たまらんのやこれが。
このゲーム、魔法はないと言いましたね。
魔法みたいなブツ、錬金術
ならあります。
錬金術といっても塩や水で人体錬成するたぐいの物ではなく、ポーション。飲み薬の製作ですね。
薬草やキノコ、諸々の材料を鍋に入れて煮ればあら不思議、なぜか隠密性があがったり、自信に満ち溢れてきたり、腕力をドーピングできたり、なんか口がうまくなったり、夜目が利くようになる薬ができます。これ飲んでいい薬?
私はこのシステムが好きでした。難所をカバーしたり、ストーリー上ステータス不足で失敗するはずのイベントをドーピングですっとばせたり、楽できちゃう。
そしてちまちま材料を集めるのが好きなんだこれが……ヘンリー君は所持重量に制限があるのですが、自宅や宿屋に上限無限どこでもボックスがあるため無問題。
冬支度中のリスのごとく貯め込むことができます。もちろん使いきれません
外せないのは時代考証の面白さ
歴史ゲー好きにはたまらん要素ですね。主人公のヘンリー君は創作キャラですし、登場人物も歴史に記述のない部分は脚色されているそうですが、ゲーム中起こる戦争や、語られる物事は概ね史実通りだそう。
衣服から建築物、戦闘技術に至るまで。当時の人々の生活が描かれ、風俗が解説される。
こんなに面白い歴史の教科書、なかなかありませんよ!
そしてBGMもすばらしいんです。
村々でのBGMはごきげんで、ずーっと聞き続けていましたが飽きませんでした。
ウージッツで司祭と酒を飲める時に聴ける歌と、ササウの修道院のBGMが特に好きですね。
ファストトラベルが使いづらいゲームですので、オープンワールドあるあるのおつかいゲー化はデメリット……なんでしょうけど。
おつかいゲー好きの私にとってはデメリットたりえず……良いと思った点を上げると
移動=馬術他、スキルが上げられる
風景がいい!グラフィックが綺麗
ついでに山賊の皆さんから経験値と金を巻き上げられる
のが良いです。
風景に関しても、実際の地形を参照しているのかしら?「どうしてここに道が出来たのか」を考えると楽しいですよ。
大きな街を外れてしまうとまっすぐな道も少ないし、目印のない森を突っ切ったりすると迷子になりやすいのですが、通常難易度ならばマップに現在地が示されるためご安心。
キングダムカム・デリバランス
不便ではあるけれど、けっして理不尽ではありません。
……セールにも時々並ぶので、ぜひ気軽に手にとってみてくださいね!そして続編制作日本リリースの費用をWarhorse Studiosに貢いでくださいね!私のために!ね!
以上です。
もっと語りたいのですが、ネタバレしすぎちゃう。感想ではなく誰かにオススメしたいので、ここはぐぐーっと我慢します。
イラストも本当にいいし、壁画を鑑賞して周るのも楽しいし、皆に遊んでほしい。
私のここ好きポイントが世間の人気ポイントと少し違うのは自覚済みなんですが、面倒臭いゲームが好きな同志はかならずいる。信じています。
ちなみに推しはカポン君。
Oha Ryuki