るぅ1mmの漫画制作 『faber! no. 1』特集「本をつくる」試し読み
6月6日(日)開催のCOMITIA136で販売する『faber! no. 1』では、「本をつくる」を特集しています。今日から3日間連続で、特集記事の試し読みを無料公開! 本日公開するのは、漫画家るぅ1mmさんのインタビューです。
現役美大生でありながら漫画家として個人と商業のフィールドを問わずに活躍している、るぅ1mmさん。彼女とは友人でもあるfaber!編集部が聞き手となり、これまでの歩みや制作スタイル、何を考え何に影響されたかなど、ざっくばらんに聞いてみました。
るぅ1mm[るぅわんみりめーとる]
漫画家。イラストレーター。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科在籍。楽しく生きるために、また、自分の成長のために作品をつくっています。ひとの感情や生き方、愛や幸せを研究し、日常に織り込んで伝えるデザインをしていきたいです。
webサイト(町内福引犬)
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るぅ1mmの漫画とデザイン
—漫画の制作は普段どんなスケジュール感で進めてるの?
ハッと思いついたら、すぐバッと描いて終わらせる。
—じゃあ一作品のペースはすごく速い?
うん。一週間くらい。
—え、一週間で描いているのか……。
そうしないと、後で見て「ああ直したい!」みたいな箇所が沢山出てきて取り返しがつかなくなったり、その時の気持ちがなくなって描けなくなったりするの。
—割とその時の瞬発力のようなもので。
そう。温めておこうとすると自分に合っていないから、もう全然できない。
—その時々に考えていたことが形になっているのは日記みたいで面白いね。
日記みたいな感じかも。「こんなことがありました」って。
—じゃあ、書きたい内容が決まったら最後まで悩まずにずっと描く感じ?
そう出来たら良いんだけどね(笑)。
—迷うこともあるんだ。
迷う迷う。これ辻褄合わなくない? みたいなことは全然ある。だから、そこを調整して、伝わるところに持っていければ良いなと思いながら毎回描いてる。
—制作していて他人の作品から何か影響を受けることはあるの?
あると思うよ。「あれ、これ見たことある気がする!」「この展開にしたらよくあるよな」と思って変えたりするから。
—つくる時に何か参考にしているものがあるというより、日頃から漫画を読んでいる時の記憶が出てきて「あ、これはよくないかも」と感じて変えたりするってことね。
そう。できるだけ変えたい。
—できるだけ一から自分でつくったものにしたいって、思いがあるのかな?
なんでも一人でやるのが好きで。漫画を描いてるのも一人でできるからという理由があるかも。例えば、私は大学で映像の授業を受講していたんだけど、映像ってやっぱり一人で全部やるのは大変で。めっちゃ時間もかかるし。でも、漫画は映画やアニメとほとんど同じ質量のものを一人でつくることができるんだよね。
—描く時に読者のことは意識するの?「こういう漫画を描いたら喜ぶかな」とか。
「喜ぶかな」っていうことをすると邪なものができてしまうから、そうじゃなくて「こういう展開にしたら読者は興味を持てるかな」とか、そういう導線のようなことは考えてるよ。だから、表紙とかもすごく気にしていて、ポスターみたいに目が止まること、必要だと思わせることを意識して絵を描いていたりする。
—表紙で手に取ってもらいたいってこと?
同人誌即売会で出すものだから、見えるのは中身じゃなくて表紙でしょ。中身を面白いと思わせるためには表紙が必要なんだよね。それを見た時に「上手い」「見やすそう」「ちゃんとしてそう」と思わせて、買ってもらう。
—当たり前だけど、同人誌の装丁も商業的に売られている本と同じでマーケティング的に捉えてるね。
だいぶ計算高くつくてるよ(笑)。
—最初期からよく手描きでタイトルロゴを描いてるよね? 文字をイラスト的に捉えているというか、自分のイラストと馴染む文字を描いている。
嬉しい。
—手描きにこだわっている理由はあるの?
なんでだろう。それも自分でできるなら自分でやりたいからかな。書体を使うとなると他人のものを借りてるじゃない?
—フォントは他人が描いた文字だからなんだね(笑)。漫画を描いて終わりじゃなくて、それを伝えるところまでをすごく考えてるよね。紙や印刷に対してもこだわりが強いし、何か引き出しになるものがあったりする?
一つの参考にしてるものはなくて、でも、すごく色々なものに影響を受けているとは思うの。本屋さんを巡った時に「ああ、こんな感じのがあるんだ」とか。スーパーマーケットで見かけるパッケージデザインであったりとか。そういうものを全部含めて、自分がいいと思うものに近い紙や印刷を選んでいるのかも。基準という話で言えば、より自然な感じかな。その作品に馴染む、読んでいて嫌に感じない。紙はそうやって決めてるかな。つくっているものによるのかもしれない。
—内容に応じてデザインも変えてるんだね。
うん。この世の中には、つくろうとするものにすごくぴったりのものがあるんだよ。それを凄く探してる。
このインタビューの続きは……
6/6(日)開催のCOMITIA136で販売するカルチャーマガジン『faber! no. 1』で読むことができます。本の詳細はこちらをご覧ください。
faber! no. 1
会場価格1300円/A4変形/42P
6月6日(日)COMITIA136
東京ビッグサイト青海展示棟Bホール[つ16a]
イベント終了後にはBOOTHでの販売を予定。
https://faber.booth.pm/
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