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9166 GENDA から考える M&Aを投資に活かすポイント

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M&Aの話題に入る前に質問です!

問 投資のタイミング

 いつ投資すればよいでしょうか

答 企業価値に対して株価が割安な時

✖ ”同業他社と比べて割安”

問 どういうときに ”割安” になりますか

答 割安になるのは以下の4つの場合
・需給
・理解度
・時間軸
・変化

*おさらい
企業価値を求める計算式はこれ(DDM:配当割引モデル)

前述の4つの項目は企業価値にどのように影響するのか

こんな感じになるかと思います。

で、今回話すM&Aは変化点にあたり、企業価値を変化させる要因となります。

変化点を感じて投資する方法の一つとして
Duke.さんが活用する
”新高値ブレイク投資法”
があります。
新高値ブレイク投資法は簡単に言うと

変化点に気付いた大口(主に機関投資家)の買いによって過去につけた高値をブレイク(更新)したことに注目した投資法。

高値をブレイクしたことを変化があった企業に気付くきっかけにする。
ブレイクしたときの市場での出来高が大きい=変化の確信度が高い
企業を効率的に見つける投資と理解しています。

つまり、新高値ブレイク投資法は受け身。
では、高値ブレイクする前に変化点を見つけることはできないか。

外から見えやすい変化のタイミング・イベントは
・新規事業開始
・M&A
でしょう。
特にM&Aは短期的に大きく変化する可能性があるイベント。

M&Aを投資のタイミングとして活用することを考えてみる。

M&Aは増える

M&Aは今後、年々増えると思われ、投資においてM&Aの重要度は高まるでしょう。

2023年上期(1~6月)のM&Aは件数、金額ともにハイレベルで推移した。東証適時開示ベースで、件数は501件と前年を43件上回り、2008年のリーマンショック後の最多を記録し、年間1000件の大台を視野に入れる。一方、M&A金額(公表分を集計)も5兆2250億円に上り、3年ぶりに年間10兆円を突破する勢いだ。

増える主な理由

・PBR1倍以下の企業のガバナンス強化による不採算事業売却
・スタートアップのバリュエーション低下によるM&Aしやすい環境
・中小型グロース企業は設備投資不要でフリーキャッシュフローが拡大しやすいビジネスが多くキャッシュリッチ、M&Aが成長のカギに

投資家にとってM&Aの評価は難しい

M&Aを投資家が評価するとき、事業についてはもちろん、買収企業についても企業のほうが詳しいため、良い企業を買収したか否かの評価は難しい。
とすれば、投資家はM&Aに対して過大な期待をせずに、保守的に判断したい。

そこで、開示資料の記述内容が参考になった同社の開示をみつつ、M&Aの評価について考えてみたい。

まずは同社について簡単に理解する。

9166 GENDA(ジェンダ)

時価総額約 700億円
会社予想 PER20倍
2023年7月上場

マネジメント

代表取締役社長 申 真衣氏

東京大学経済学部経済学科卒。
2007年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。金融法人営業部で金融機関向け債券営業に従事。その後、2010年より金融商品開発部にて、金利・為替系デリバティブの商品開発・提案業務、グローバルな金融規制にかかる助言業務等幅広い業務に従事。2016年4月、金融商品開発部 部長、2018年1月、マネージングディレクターに就任(当時最年少)。
2018年8月、株式会社GENDA取締役就任。
2019年6月より現職。

https://www.instagram.com/p/Cw5BKpTSYvs/

モデルか?!

代表取締役会長 片岡 尚 氏

慶應義塾大学経済学部卒。
1995年ジャスコ株式会社(現・イオン株式会社)入社。2004年株式会社イオンファンタジーに転籍し、2008年同社取締役、2013年代表取締役社長に就任。2017年よりイオンエンターテイメント株式会社代表取締役社長を兼務。2018年5月に両社代表取締役社長を退任。社長在任中の5年間で株式会社イオンファンタジーを世界一のアミューズメント施設運営企業に成長させ、時価総額を231億円から1,310億円に引き上げる。
2018年5月、株式会社GENDAを設立し会長に就任。
2019年9月より現職。

業界の第一人者。この方がいるからこそ成功したと言えるでしょう。

何をやってる?

アミューズメント施設運営

(以下、説明資料等から)

アミューズメント施設運営が9割以上を占める。

プライズゲーム人気で成長

プライズゲームとは
クレーンゲーム
・UFOキャッチャー
などを総称したもの。

*アンケート”ゲームセンターの好きなゲーム”
7割以上がプライズゲームを選択

コロナ禍前までプライズゲームが市場の成長をけん引
5年で1.7倍。
ここに投資をしてきたことが同社の成功の要因。

と紹介が長くなりました。
今回のテーマであるM&Aについて

M&Aを重要な成長戦略の一つに掲げる

非連続な成長にM&Aを活用する。

M&Aの基準に注目

M&Aを成長戦略に掲げる企業を見るうえで重要なポイントは3つ
・M&Aの基準を持っているか
・M&Aの実績があるか
・M&Aにより利益を高めることができるか

・M&Aの基準を持っているか

一つ目、同社がかかげる「M&Aの規律」

投資家が懸念している重要なポイントを記述している。
言い換えると次のようになる。

・M&Aの実績があるか

2つ目、実績。
具体案が無くても成長戦略として”M&A”を掲げる場合が少なくないように感じる。
 ”非連続の成長のイメージを与えたい”
 ”上場までに出来なかったことにチャレンジしたい”
 ”投資家からの成長圧力”
理由は様々

しかし、M&Aは実績が無いとよい案件は持ち込まれにくい
・M&Aを本気でやるつもりがあるか
・過去の実績からどんな企業をM&Aするかの基準が可視化される(提案しやすい)

↓ 実績がわかりやすい

直近でも面白いものがあった。
ラウンドワンとの合弁会社、だったが全株式を取得

月次を発表しており、すでに180か所に増えている。

・M&Aにより利益を高めることができるか

3つめの”M&Aにより利益を高めることができるか”については他社の事例も見ながら説明したい。

連続したM&Aで成長した企業(時価総額)
3697 SHIFT (4575億円)
2884 ヨシムラフードHLD (260億円)
6544 ジャパンエレベーターサービス (1,760億円)

評価されるかどうかのポイントは
膨張(売り上げ拡大)ではなく成長(高収益維持or利益率向上)
SHIFT  ↑
ヨシムラフードHLD ↓
JES ↑

SHIFT(利益率が改善)

ヨシムラフードHLD (低収益+利益率低下)

ジャパンエレベーターS (高収益)

SHIFT、ヨシムラフードHD、JESの3つの例から
収益性の高いビジネス 利益率を高めるまたは維持できないと評価されない

なぜか
キャッシュが生み出されないから
結局、上記の企業価値の計算式からわかると通り、
企業価値は将来FCFをどれだけ生み出すか
割高で買う=将来のFCFの先払い
回収が長期化すればその分、企業価値を高めることは困難

M&Aを評価する際のポイントまとめ

ざっくりまとめると

・基準(規律)を設けているか
・実績があるか
・高収益事業か(改善可能か)
・自社がよく知っている企業(周辺事業)か
 シナジー、改善 が短期で期待できる
・バリュエーションについて
 PMI前提(将来的に改善する)のM&Aは慎重に
 EVITDA倍率5倍程度(10倍以上は慎重に)

以下、GENDAについての個人的な評価、独り言です

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