タイパの時代に全力で挑戦した作品としての水星の魔女が好きっていう話

タイトルがすべてなんですが、備忘録として。

ガンダムをまったく視聴したことがなかった私ですが、毎週たのしく水星の魔女をみています。ただ、一応大人として(?)メタ的に(?)たのしんでるのかなあとも。

コロナ禍以降アニメを嗜むようになったんですが、基本「ながら見」なんですよね。作業しながら、ご飯食べながら、お風呂入りながらみたいな。

タイパの意識はあんまりないんですが、アニメだけ見てると間が持たないので。ADHDぢからがつよすぎるので、他のことに目移りしちゃうんですよね。

そんな自分が、水星の魔女だけは「ながら見」していない。だってそんなことしてたら、一瞬にして、わかるけどわかんねえ!状態になるから。

この作品って贅沢に要素を盛り込んでいるので、話の筋を追っていくだけなら「ながら見」でも問題ないんですけど、細かい要素取りこぼしちゃうし、理解しきれなくなっちゃうので。

で、この要素もりもりって2クールだから……4クールだったら違った……みたいな言説も見ますが、そうじゃないと思います。多分4クールだったら、4クールずっと要素もりもりだったと思う。まあ、箸休め回はあっただろうけど。

コンテンツを作る人間からすればわかるけど、適切な情報量を超えていると思えば、削るんですよね。単純化する、そもそもそういう設定をなくすなど。でも、水星の魔女はそうはしていない。いや、してるけど4クール分要素を2クール分に単純化してはないだろうなと。そしてそれは「できなかった」じゃなくて「しなかった」んだろうなと。

一瞬でも目を離したら「見逃した」「もったいない」と思う作品をつくることで、視聴者に「ながら見」をさせない作品を作ろうとした。私はそう理解しています。

ツイッター上で盛り上がることも意図しているんだろうけど、リアルタイム視聴で視聴者を釘付けにすることが困難な時代に、それに果敢に挑戦した。そして、成功している。

そしてそして、この成功は今後のアニメのあり方にどう作用するんだろうと思案しています。

ガンダムという資金力のあるコンテンツだからできた要素もりもりアニメである水星の魔女。じゃあ、ほかの「並みの資金力」のアニメにこれができるかといえば無理で、結果ドタバタしてるだけのアニメが量産されたらどうしようといういらぬ心配もしています。

表面なぞるだけでも楽しい、深掘りするともっと楽しい。そんなアニメが増えるのはうれしいので、今後も水星の魔女みたいなアニメが増えることを願うばかりです。

ところで、テンペストをはじめシェイクスピア作品を下敷きにしているという水星の魔女は、日本より欧米の方が考察がはかどるんですかね?

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