私のお産記録

先日三男が1歳の誕生日を迎えました。

お世話になった助産院から、出産時の記録と共にお手紙が

「・・・命が生まれる時の事の話は、命を大事にすることへつながります。・・・お誕生日を機会に、生まれてきた時の感動を思い出していただきたく、お産体験記とともにお手紙しました・・・」

助産院からのお手紙

誕生と向き合うことは、生き方と向き合う事

長男も次男も、自分が生まれた時の話を何度も何度も聞きたがります。


今やさまざまな出産や出産に至るプロセスがある中で、

どんなお産がしたいと思うか、またどんなお産だったか、は

まさに自分らしさ


『お産に「良いお産」も「悪いお産」もありません
あるのは「あなたのお産です」』


今回の妊娠出産で何度も何度も読み返した本
「まってるね、赤ちゃん」の冒頭に、そんなメッセージがあります。


1年経とうとしている今、改めて私のお産を振り返りました。


出産という母親目線よりも
「誕生」という赤ちゃんが主体の助産院での学び

家族で誕生を迎えたいという思いと、叶えることができた今回のこと
助産師さんのすごい技に感動したこと
産後の回復の速さにおどろいたこと


3度目のお産ですが、初めてのことも沢山ありました。



3度目になる私の妊娠期は、
コロナでカンボジアから帰国して、
三重に疎開した夏から始まりました。


少しずつ大きくなるお腹とつわり
リモートワークで一日の殆どをスクリーンの前で過ごす夏の
小さな小さな相棒


会える日まで体を整え、心を整え、
少しずつお母さんになっていく準備をしていきます。

私はもう2人の男の子のおかあさんだけれど、
お腹の中にいる子にとっては初めてのお母さん

それはそれは緊張しました

何度目でも妊娠と出産は緊張するし怖いんです

人のできることはちっぽけと思えるほどの
神秘のなかで起こるできごと
それが、命が宿り、うまれるということだと思っています


赤ちゃんの誕生に向けて、心と体を整えていく

出産、という母体視線より、
誕生、という赤ちゃん目線で、

命が宿り、赤ちゃんが自然に誕生する、そのプロセスを見守る

それが助産院での活動の中心でした


まずは体をあたためること(特に足を温めることが大切)で

足湯器を買って毎日3−4回、
ときには会議中にも足を温め全身の血流をよくします


定期検診ではモニターでの様子確認はほどほどに
お腹の赤ちゃんに話しかけたり、
マッサージで首肩頭の血の流れを整えたり

足湯で足をあたためながら
昔のお坊さんが書いた胎児の様子の本を読み、
赤ちゃんに思いを馳せたり、そんな穏やかな時間をすごしました


赤ちゃんに光を感じてもらうために
日光浴をしたり、夜は暗くして寝たり

皮膚ができてくる7−8ヶ月になると、
体全体のマッサージをして皮膚感覚を高めるとか
野菜を皮ごとたべるといい

食事は中庸を目指して、
陽のもの、陰のものをバランス良く食べる

臨月は体をできるだけ陽性にするために
果物やお砂糖は控える
そうするとお産の進みが早い


助産院で妊娠期を過ごして面白いのは、
子宮に宿ったときから、
もうその子は一人の人間という扱いをするところ

話しかけ、ご機嫌をうかがう。
赤ちゃんの環境がよくなるために、気を配る


逆子にでもなれば、それは赤ちゃんからの何かのメッセージ
その理由を聞きながら、

子宮の環境が良くなかったね、ごめん、って謝りながら
もとに戻ってもらうためにお話する

そうすると、不思議と逆子がなおるんです
(帝王切開も、逆子体操もしない、助産院的アプローチ)


臨月に入ってからは、
助産院のお言葉通り、お砂糖と果物を控えました

いちごが美味しい時期で、
家族がいちごを食べる姿を見ないように
生まれてから食べようね、と声をかけて

我慢は簡単じゃないけど、
安産のためなら頑張れる、これは私も不思議でした

誕生のその日、
早朝から下腹部に違和感がありました

助産院までは60km、車で1時間
次男の出産は陣痛開始から45分だったこともあって
「うまれるかも?なんか違和感」と
家族に声をかけたら、
夫、長男、次男が飛び起きてくれて
みんなで助産院に


助産院では助産師さんが待ち構えてくれていましたが、
内診してみるとまだ子宮口は開いていない様子
陣痛のはりもなく、
一旦自宅へ戻ることに

子どもたちは保育園に行き、
私は少し横になり
お昼を食べた後に散歩にでかけました

家の近くの片上池は
子供の頃からよく遊んだ場所
小学校の頃など木の実や道草を食べながら
歩いた思い出の道を
大きなお腹を抱えててくてく歩きました

まちのお散歩コースとしても人気の片上池、
日中から多くの方々が歩いていて、
大きなお腹を見て、

もうすぐだね、とか気をつけてね、とか
元気な子がうまれるよ、など
声をかけてもらいました。

散歩から帰ると陣痛らしきものが始まっていました
(三度目ですが、これ陣痛?とやっぱり自信ない・・・)

子どもたちが保育園から帰る16時半ころには
陣痛も強くなって、間隔も短くなってきていて

急いで夕食の準備をして
(この日のメニューはれんこんハンバーグでした)
子どもたちに食べさせて、

助産院に向けて出発


いつもはご飯を食べ終わるのにすごく時間がかかる子どもたちも
この日はあっという間に「ピカピカ」して、
ちゃっと車に乗り込んでました

夫と私(とお腹の子)、長男、次男とみんなで出発
助産院のある伊勢までは車で1時間
時々来る陣痛の波を感じながら、

「もうすぐだね、会えるね」

とお腹に話しかけていました


今回の赤ちゃんの誕生は、
家族みんなで迎えたいね
そう何度も何度もお腹の子にも、
長男や次男、夫にも伝えていました

長男と次男の出産は予想以上にスピーディで
夫の到着が間に合わなかったこと

長男や次男は
赤ちゃんが宿り、産まれるという神秘について
すごく興味をもって様々な質問をしてくれるので
誕生に立ち会って、その神秘を一緒に感じたいな、
と思っていました

助産院エンゼルスマイルモモでは
コロナ禍においても
感染対策をして家族の立ち会い出産が可能ということで
みんなで誕生をお迎えすることができました


助産院に到着すると、
待ち構えていた助産師のみなさんに笑顔で迎えられました
内診とお腹の張りを確かめる機械をつけ、
様子を把握(19:00)

このとき子宮口6センチ
陣痛は7分おき
赤ちゃんは旋回途中でまだ横向きとのこと

くるっと回ってから降りてくるから
もう少しかかるかな〜っと

2階の分娩室へ

分娩室は和室で、漆喰の壁、
小さな窓があって、
天井のライトからでる光を
優しい色の布で柔らかにしていて
少し薄暗い部屋

20時、旋回が完了したらしく
そろそろ降りてくるね、と助産師さん

長男は別室で仮眠中
次男は同室でレゴで動物園をつくっている

分娩まち中に次男がつくった動物園

不思議なのは、助産師さんは、
モニターを見るでも、エコーを見るでもないのに、
腰やおなかに手を当てているだけで、
赤ちゃんの様子がわかるという、
不思議なちからを持っているということ


21時、陣痛の間隔が狭くなり、
痛みが強くなる
「おりてきてるよ」と助産師さんの声


21時30分、子宮口全開、
ここからの陣痛は
気を失いそうなくらい痛い
ぐいぐいっとすごいエネルギーを感じる

助産師さんたちのお手当が心地よくて
それが救い

痛みが来る時は痛くて怖くて苦しい
助産師さんが腰をさすり、背中を擦って

夫が手を握り、次男が頭をさすって
ひとりじゃない、って思えることがどんなに心強かったか

ふーふーといいながら、
痛みと息を吐き出す


「次に来る波ででてくるよ」
「もうすぐ会えるよー」

そんな声が聞こえて

温かい布でお尻を押さえてくれて
(これは感動するくらい気持ちよかった)

21時40分、温かい水がバシャってでる(破水)
21時41分、頭がでる、にゅるっと肩と体が出る

21時44分、胎盤がでる
(検診中なんども「立派な胎盤!」と言われた自慢の胎盤w)

21時55分 へその緒を切る

助産院では、へその緒の拍動が止まるのを待ってへその緒を切ります
そうすることで赤ちゃんが、自分のタイミングで肺呼吸ができて
苦しくないというのです

自分のタイミングで肺呼吸ができると、呼吸が穏やかで
オギャーという産声でなく、ほにゃー、というかんじになるのです

夫がハサミでへその緒を切り、
私も胎盤とへその緒を見せてもらいました
(食べる方もいらっしゃるようですが・・・・)


へその緒はそのあと助産院で丁寧に自然乾燥して、
退院時に持たせてくれました

大病をしたとき、女の子は出産時などに
煎じて飲むとよいと言われています


次男は、かか、大丈夫?
がんばったね、と頭をなでてくれました
以降事あるごとに三男誕生の話をする次男、
次男の脳裏に焼き付いている出来事のようです

夫も、初めての出産立ち会いで、
産みの苦しみってすごいね、、おつかれさん。
と一言


誕生に立ち会った家族は、
一旦おうちに帰り、
私は赤ちゃんとふたりっきりで和室で眠りにつきました


田んぼの中にある助産院
夜はしーんと静かで
泥のように、ぐっすりと眠りました


翌朝はお腹が空いて目がさめて
美味しそうな香りとともにお部屋に運ばれた
朝食を食べてまたひと眠り、ふた眠り


産後3日目までは、
子宮の収縮をよくして、傷を早く治す
陽性&アルカリ性の食事がいいそうです。

玄米にごま塩、味噌汁、梅干しに野菜中心の食事を
滞在中毎楽しみ、
体が随分回復しました

朝ごはん
晩ごはん

滞在中は体の緊張を緩めたり
(出産で思わぬところに力が入って筋肉痛になるらしいです)
おっぱいマッサージをしてもらいながら

赤ちゃんと二人っきりの静かな時間を過ごしました
(面会にくる兄たちは大はしゃぎで、三男はいつも圧倒されてましたが・・・)

騒がしい訪問者

三度目だけど初めてのような、
なんとも自分らしいお産だったなーっと振り返り、
無事の誕生と、
そして支えてくれた
エンゼルスマイルモモのみなさん、
家族、職場のみなさんにも改めて感謝です

 ありがとう


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