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人的資本、企業価値にどう繋がる?

「人的資本」という言葉をよく耳にするようになりました。

人的資本は、企業の従業員が持つ知識、経験、能力などの無形資産を指しますが、近年、これらの資本が企業価値にも影響を与えるとの認識が広まっています。

具体的にどのように影響を与えるのでしょうか?



そもそも企業価値とは何か?

企業価値とは、その企業が将来にわたって生み出すであろうキャッシュフローの現在価値のことを指します。

この企業価値は、大きく「株主価値」と「債権者価値」に分解できます。

  • 株主価値: 株主が企業に投資した対価として期待する価値

  • 債権者価値: 企業が債権者に返済する義務として期待される価値

さらにその一部は市場付加価値として表現されます。

さて、この市場付加価値は、企業価値の一部であり、企業が市場に提供する価値を表します。これには、企業の製品やサービス、ブランド、技術、そして人的資本が含まれます。こう見ると、まさに企業価値の一部に人的資本が含まれていることが分かるでしょう。


企業価値の源泉としての人的資本


さて、従来企業価値は有形資産である設備や土地などの「財務資本」によって決定されると考えられていました。しかし、近年では、企業価値の多くは、従業員の知識、経験、能力などの「人的資本」によって生み出されているという認識が広まっています。

従業員の能力が高ければ高いほど、より多くの利益を生み出すことができます。イノベーションを起こし、新しい商品やサービスを開発するためには、高度な知識やスキルを持つ従業員が必要不可欠です。また、顧客満足度を高め、競争優位性を築くためには、顧客対応スキルやコミュニケーション能力の高い従業員が必要です。

このように、人的資本は、企業が将来にわたって利益を生み出すための重要な源泉となっています。

企業価値を高めるためには、財務資本と人的資本の両方に投資することが重要です。財務資本への投資としては、設備投資や研究開発投資などが挙げられます。人的資本への投資としては、人材育成や働き方改革などが挙げられます。

企業は、これらの投資を通じて、企業価値を高め、持続的な成長を実現していくことが求められます。

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